愛犬用の『ロープのおもちゃ』には危険が潜んでる?知っておくべき4つのリスクと正しい使い方をご紹介
愛犬用の「ロープのおもちゃ」に潜む知っておくべきリスク
ロープのおもちゃは、犬が噛んで遊んだり、飼い主に投げてもらって追いかけたり、犬同士で引っ張りっこするなど、いくつもの遊びが楽しめるおもちゃです。
耐久性にも優れていて、長持ちするおもちゃであるため、飼い主としてはコスパの良いおもちゃでもあります。
愛犬にロープのおもちゃを与えるときは「リスクがある」ということを知ったうえで、正しい使い方で楽しく安全に遊んでもらえるようにしましょう。
1.切れた糸を飲み込んでしまう
愛犬用のロープのおもちゃには、切れた糸を飲み込んでしまうリスクが潜んでいます。
犬が噛んで遊んでいるとき、ロープが切れ、糸が飛び出すことがあります。さらにこの糸が切れてしまったとき、犬が飲み込んでしまうことがあります。
愛犬が少量の糸を飲み込んでしまった程度では、飼い主は気づけません。飲み込んだ糸は、うんちと一緒に排出されることもありますが、胃や腸にとどまってしまうこともあります。
糸が飛び出してしまっているときは、根本からハサミで切ってしまいましょう。ロープのあちこちが切れ、糸が飛び出して対処しきれないほど破損しているときは、買い替えましょう。
2.飲み込んだロープが腸に留まって内容物が流れなくなる
愛犬用のロープのおもちゃには、飲み込んだロープが腸に留まって、内容物が流れなくなるリスクが潜んでいます。
中型犬や大型犬の場合、ロープのおもちゃの大部分を噛みちぎってしまえるほどの咬合力を持っています。
ロープのおもちゃの大部分を噛みちぎって飲み込んでしまったとき、腸閉塞を引き起こすことがあります。ロープだけではなく、食べ物を含んだ内容物が流れなくなってしまいます。
犬が腸閉塞を引き起こす原因のほとんどは「誤飲誤食」です。うんちの体勢になるけれど出ない、お腹を触ると痛がる、頻回の嘔吐、ソワソワと落ち着きがなくなる、ぐったりと動かなくなる、などの症状が見られることがあります。
ロープのおもちゃの大部分が無くなっていることに気づいたときは、その破片が落ちていないか探してください。見つからなければ、愛犬が飲み込んだ可能性を考え、すぐに動物病院で検査を受けましょう。
ロープのおもちゃは、愛犬の体に合ったサイズや耐久性のものを選びましょう。普段からよくおもちゃを噛みちぎったり破損させたりすることがある場合には、愛犬が遊んでいる最中は終始見守りましょう。
3.歯茎を傷つけてしまう
愛犬用のロープのおもちゃには、歯茎を傷つけてしまうリスクがあります。
犬がロープを噛んで遊んでいるとき、飼い主や他の犬と引っ張りっこして遊んでいるとき、歯茎を傷つけてしまいやすいです。
ロープのおもちゃに赤いシミができているときは、歯茎からの出血によるものかもしれません。愛犬の歯茎の状態を確認しましょう。
歯茎からの出血が見られなければ様子をよくみて、しばらくロープのおもちゃは与えない方がよいでしょう。まだ出血が見られるときは、動物病院で診てもらいましょう。
また、歯肉炎や歯周病を患っており、ロープのおもちゃを少し噛んだだけでも歯茎から出血してしまうということも考えられます。愛犬のお口の中の健康状態を確認し、必要に応じて適切な歯科治療を受けましょう。
ロープのおもちゃが原因で歯茎を傷つけてしまいやすい場合には、やわらかめのロープのおもちゃを選んであげましょう。
4.歯が欠けたり折れたりする
愛犬用のロープのおもちゃには、歯が欠けたり折れたりするリスクがあります。
歯髄(神経組織)が見えるほど欠けたり折れたりすると、犬も歯に痛みを感じます。程度によっては、歯を抜かなければならなくなってしまうことがあります。
内科的治療、経過観察、温存治療で済む場合もありますので、ほんの少しでも歯が欠けているときは、早急に動物病院で診てもらいましょう。
犬同士がロープのおもちゃを引っ張り合って遊ぶときは、犬の歯が欠けたり折れたりすることを防ぐため、引っ張る力が同じくらいの犬同士で遊ばせるようにしましょう。
愛犬と飼い主がロープのおもちゃを引っ張り合って遊ぶときは、基本的には飼い主が負けてあげましょう。強く引っ張ると、犬の歯が欠けたり折れたりする原因になることがあります。しつけ上、遊びの最後には飼い主がおもちゃを回収することも忘れないようにしましょう。
まとめ
愛犬用のロープのおもちゃに潜む知っておくべきリスクを4つ解説しました。
✔切れた糸を飲み込んでしまう
✔飲み込んだロープが腸にとどまって内容物が流れなくなる
✔歯茎を傷つけてしまう
✔歯が欠けたり折れたりする
ロープのおもちゃは、「細い・太い」「やわらかい・硬い」「短い・長い」「軽い・重い」など様々にあり、愛犬の好みや遊び方によって選ぶことができます。
愛犬がロープのおもちゃで遊ぶとき、どのようなリスクが潜んでいるのかをよく考え、選び方や使い方、遊び方を工夫しながら安全に遊ぶようにしましょう。
(獣医師監修:平松育子)