犬が「やりすぎなお世話」と感じている飼い主の行動8つ かえって愛犬に悪影響を与える可能性も…
犬が「やりすぎなお世話」と感じている飼い主の行動8つ
愛犬の世話をするのは飼い主さんの責任ですが、行きすぎた行動をしてしまう人も少なくはありません。もしかすると飼い主さんがよかれと思っていても、愛犬は「やりすぎ」と感じている可能性もあります。
ぜひここでまとめた、犬が「やりすぎなお世話」と感じている飼い主の行動8つを参考に、心当たりある場合は改善をしていきましょう。
1.過度なスキンシップ
愛犬への愛情を注ぐ気持ちがあふれてしまうあまり、つい過度なスキンシップを取ってしまう飼い主さんは注意が必要です。例えば、愛犬を撫でたり抱きしめたり、キスをするといった行動は、ほどほどにしないと犬から「しつこい」と思われてしまいます。
とくに、愛犬が寝ている時もつい触れてしまう、長時間に渡って撫でてしまう飼い主さんは気をつけなければなりません。愛犬が顔や体をそらしたり、しっぽを丸めたりしたら嫌がっているサインなのでやめるようにしましょう。
2.外は抱っこをして歩かせない
愛犬の清潔さを保ちたいあまり、散歩中に抱っこをしたり犬用カートに乗せたりなどをして外を歩かせない飼い主さんの姿も見られます。アスファルトが熱い真夏や歩くと危険な状況など、無理に歩かせない方がよい場合もありますが、基本的には犬自身の足で歩かせるのが大切です。
犬自身の意思で気になるにおいや音の方へ歩くことで好奇心が満たされ、ストレスの解消や健康の維持につながります。愛犬が歩くコースの安全を飼い主さんの目で確認したら、自分の足で歩かせてあげましょう。
3.家の中でも洋服を着せる
犬に洋服を着せる意味はさまざまですが、必要以上に着せるとストレスになりやすく、皮膚トラブルや体調不良の原因になる可能性が出てきます。
獣医師の指示により、体温調節や皮膚の保護といった洋服を着る必要がある犬以外は、できるだけ長時間着用させるのは避けましょう。家の中でも洋服を着せる場合は、通気性がよく犬の負担にならない素材や厚みのものを選ぶのが大切です。
4.散歩から帰るたびに足を洗う
愛犬を散歩に連れて行くと足が汚れてしまいますが、毎回シャンプーなどを使って洗う必要はありません。濡れタオルや犬用のウエットティッシュなどを使って、汚れを拭き取る程度で大丈夫です。
むしろ、必要以上に洗うと皮膚トラブルを起こしやすくなるのでご注意ください。
5.排泄のたびにゴシゴシ拭き取る
室内犬として飼育する中で、愛犬がトイレをするとお尻や陰部の汚れが気になるかもしれません。しかし、健康的な成犬であれば、排泄後もそのままで基本的には大丈夫です。
排泄のたびにウエットティッシュなどでゴシゴシ拭き取ると、かえって皮膚を傷つけてしまいます。汚れが気になる時は、やさしく拭き取る程度にとどめましょう。
6.過剰なスキンケア
愛犬のスキンケアを行う頻度が多すぎると、皮膚トラブルなどを起こす可能性があります。耳掃除、爪切り、肛門絞り、シャンプーなどは月1〜2回行う程度でかまいません。
毎日行いたいのは、歯磨きとボディチェックです。過剰なスキンケアを行うとストレスを与えやすくなるため、嫌がる場合は愛犬のペースに合わせて少しずつ進めるとよいですね。
7.常にそばにいて離れない
大切な存在だからといっても、常に愛犬のそばにいなければならない訳ではありません。愛犬とくっ付くように過ごしてしまうとストレスを与えかねず、分離不安症の引き金となる可能性も出てきます。
お互いが自分のペースで過ごす時間を作りながら、ほどよい距離感を保つのが理想です。
8.過剰な食事へのこだわり
愛犬の健康のために、毎日の食事に気を配ることは大切なことです。ただ、あまりにこだわり過ぎてしまったり、過保護と思われる行動を取ったりするのはおすすめできません。
愛犬がお気に入りのドッグフードがあったのに、わざわざ手作り食やオーガニックフードに変更するのは「やりすぎ」と思われてしまうでしょう。
また、犬の拾い食いに過剰に反応してしまい、食器から落ちたフードを食べることすら禁止するような、行きすぎた世話にも注意をしましょう。犬の本能を尊重しながら、安全な食事環境を与えるのが大切です。
まとめ
愛犬への愛情が行きすぎてしまうと、飼い主さん本来の自分を見失うことがあります。もし愛犬との距離感が近すぎると感じたときは、客観的な目で自分自身の飼育について考えてみてください。
もし今回お伝えした中に思い当たる点があれば、これから少しずつ改善していきましょう。愛犬の幸せを1番に考えながら、最善策を探るのがおすすめですよ。
(獣医師監修:寺脇寛子)