プロットづくりに必要な4要素とは?箱書きづくりの基礎知識【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】
まずはプロット・ 箱書きについて詳しく知る
プロットづくりに必要な4要素
①テーマ
物語を一言で表したもの。物語の一貫性を保つ役割がある。〈例〉禁断の恋
②世界観
舞台となる時代や場所を決定する。〈例〉1960年代のアメリカのとある州
③登場人物
物語をせ立させるために必要なキャラクターを描き出す。〈例〉主人公:クリス(犯罪組織幹部)恋する相手:サラ(潜入捜査官)
④あらすじ
物語の起承転結を簡潔に書き出す。主に出来事のみで、箇条書きや、200字〜400字程度(できるだけ短く)の短文でまとめる。
マンガを描くうえで、避けては通れないのがプロット・箱書きづくりです。その基礎知識や方法を解説していきます。
ネームをはじめて描く人のなかには、何から手をつけたらいいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。 そんなときは闇雲に描きはじめず、まずはマンガを描く際の設計図となる『プロット』と『箱書き』の制作から進めてみましょう。
最初に手をつけるべきものがプロットです。プロットとは、作品の全体像を大まかにまとめたリストのこと。これをつくっておけば、マンガを描き進めていくときに行き当たりばったりのストーリーにならず、展開に迷ったり話が脱線したりしなくて済みます。
プロットで必ず書くべきものは物語の一貫性を生み出すテーマ、どんな舞台設定にするのかを決める世界観、主人公など物語の登場人物、そして簡単な起承転結をまとめたあらすじという4つの要素です。これらをもとに文章を肉付けし、プロットを完成させていきます。
プロットは箱書きで内容を詰める
・大箱の内容と中箱の内容がズレないようにする。小さな箱は、必ず大きな箱の細かい説明になっていること。
・細かい箱をつくる際、時間や場面など、シーンが変わりそうであれば箱を区切り、シーンごとの演出を書く。
・中箱をつくる際は3つか4つ、選択肢を用意する。たとえばサラとクリスが出会ったのが『酒場』なのか、『海岸』なのか。どの演出が全体のストーリーに一番合うのか選ぶこと。
プロットができたら、次は箱書きに取りかかります。箱書きは、プロットをシーンごとに区分けし、具体的なストーリーをつくっていく作業です。箱書きには3つの区分があり、大きなシーンごとの区分である大箱。大箱のシーンをさらに細かく区切り、 演出を考える中箱。そして、さらに細かくシーンの演出や描写を考える小箱の順でつくりこみを進めます。
箱書きを進めながらストーリーの面白さを引き上げるためには、中箱の箱書きの際に、その展開でどのような演出をすればいいのか、ひとつのシーンに対して複数の演出候補をあげましょう。そのなかから大箱で書き出した全体のストーリーと合致した演出を選択します。
プロットと箱書きをつくることで、物語の説得力がより強固になり、描き直しの作業回数が一気に減るのです。
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ