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「勉強ができるようになるから」ではない。本好きな子どもが“読書で身につけられる本当の力”とは

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「勉強ができるようになるから」ではない。本好きな子どもが“読書で身につけられる本当の力”とは

動画ばかり見ている子どもの姿をみて、「もっと本を読んでくれれば…」とため息をつくことはありますか? 動画視聴だけでは育まれない「読書を通じて身につく力」とは、どんなことなのでしょうか。『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』の著者・笹沼颯太さんに教えていただきます。

教えてくれたのは……笹沼颯太さん

株式会社Yondemy代表取締役。東京大学経済学部経営学科3年次に、筑駒中高時代からの友人とともに株式会社Yondemyを設立。「日本中の子どもたちへ、豊かな読書体験を届ける」をミッションに、オンラインの読書教育サービス「ヨンデミー」を提供中。

『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』
著者:笹沼颯太
価格:1760円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

読書で身につく力とは?

「なんで動画はダメで、本ならいいの?」と子どもに聞かれたら、あなたはどう答えますか? 勉強になるから? それとも、文字を読む力が身につくから? 意外と返答に困ることもあるかもしれません。

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東大在学中に、日本初のオンライン読書教育サービス「ヨンデミー」を立ち上げ、“読書を習う”という新しい文化の創造に挑戦している笹沼颯太さんは、「動画をみることは悪いことだとは思わない」としたうえで、次のようにおっしゃいます。

笹沼さん 「動画にもすぐれたところはたくさんあります。たとえば、北極にいる熊の話が教科書に載っていて、北極の熊を動画で見てみるといった探究学習には、すごく向いていると思います。動画を見る、音声を聞く、本を読むなど、さまざまな選択肢があることは、学習するうえでとても大切です」

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笹沼さん 「本を読むのが苦手だと、『本を読む』という選択肢を選べなくなり、子どもの可能性が狭まります。一方、子どものころに楽しく本を読んだいい思い出があると、大人になって分厚い資料や難解な本を読む必要があるときも、それほど苦になりません。子ども時代の読書体験は、文字を読むことの得意・苦手に大きく影響します。子どものうちに本を読むことが楽しいと知っていれば、それだけで、学びを楽しむ姿勢を手に入れることができるんです」

子どもの可能性を広げる「読書」

「子どもの可能性が広がるように、読書の楽しさをもっと伝えていきたい」と話す笹沼さん。読書によって育まれる力を、「学びを楽しむ姿勢」と表現します。

笹沼さん 「本を読むことに抵抗がなければ、読書を通じて、いつでも、どんなことでも学ぶことができます。自分と異なる状況に置かれた人の心情を知ったり、遠く離れた国の文化にふれたり、具体的なスキルを学んだり。読書家は、読書を通じて、呼吸をするようにさまざまなことを学んでいるんですね」

笹沼さん 「日本は、世界と比べて大人が圧倒的に学ばない国とされています。なぜ大人になって学ばなくなるかというと、学校で勉強をやらされていた印象が強いから。だから卒業したとたんに、『ようやく勉強しなくてよくなった!』となるのです。でもそれって、すごくもったいないことですよね」

親子が満足する教育の形とは

学びをめぐるキーワードとして、最近はリスキリングや生涯学習、AI、少し前にはプログラミングやグローバルなどの言葉が注目されています。子どもの中学受験の過熱も話題になっていますが、親は、子どもの学習において何を重視したらいいのでしょうか? 都内でも屈指の中高一貫私立校から東大へ進学した笹沼さんは、次のように話します。

笹沼さん 「偏差値至上主義の学習は、満足することがない“永遠の競争”だと感じています。子どもがどんなにがんばっても、上には上がいるし、平均点以下の子どもは『勉強ができない』と思われ、親は焦り続ける。これって、誰も幸せにならない構図だと思うんです」

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笹沼さん 「子どもが楽しめて、親も納得して安心できるような学習のあり方はないだろうか。そんな思いから、ヨンデミーの『読書教育』は始まりました。読書の楽しみ方さえ知っていれば、子どもはどんどん本を読むようになって多くのことを吸収し、親は読書に没頭する子どもを見て安心することができます。読書は、親子ともWin-Win、みんなが幸せになる教育の形のひとつだと思うんです」

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 笹沼さん 「日本中の子どもが読書家になって、大人になっても本を読み、学びを楽しみ続けたら、仕事がどんどん捗って、きっと国としても栄えていくと思います。それに、読書を通じていろいろな状況に置かれた人の気持ちを追体験することで、他者への想像力や配慮もきっともっと生まれていくはずです。そうすると、すごく豊かでやさしい、しあわせな世界に近づけるのではないかと思います」

子どものうちに読書の楽しみを知ることで、学びを楽しむ姿勢が身につき、他者への想像力や配慮も生まれていくのですね。笹沼さんのお話を、子どもの学習について考えるヒントにしてみてはいかがでしょうか。

saita編集部

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