<大人のジブリ>優しさに包まれた『となりのトトロ』。エンディングロールまで楽しんで
「子どもと一緒に観て楽しいアニメーション映画は?」と聞かれたら、みなさんはどんな作品を思い浮かべますか? 「アニメーション映画は日本が世界に誇れる文化のひとつ」と言っても過言ではないほど、良質の作品がいくつもありますよね。ママスタコミュニティには、この映画をお勧めする投稿がありました。
『トトロは名作。今でも涙が出る』
アニメーション映画『となりのトトロ』は1988年春に公開されました。田舎に引っ越したサツキとメイの姉妹が、森に住む不思議な生き物と出会う物語です。子どものころに『となりのトトロ』を観て、大きなトトロやネコバスに乗って空を駆けるシーンにワクワクしたり、マックロクロスケやトトロとの出会いにドキドキしたりしたママもいることでしょう。わが子が同じシーンを夢中になって観ていると嬉しくなるのではないでしょうか。 さらにママたちからは、大人になって見方が変わったり、新たな発見があったりしたシーンが語られました。
大人になってズキッと心に刺さったシーン
子どもだったころはワクワクドキドキと楽しく視聴していた『となりのトトロ』ですが、大人目線だとかなり動揺してしまいそうなシーンもあります。
『メイくらいの娘がいる。池にサンダルが浮かんでいたなんて聞いたら発狂しそう! サツキの震えが大人になってわかった』
ひとりで家から出て行方がわからなくなったメイを探しているサツキは、同級生のカンタから池にサンダルが浮かんでいたと告げられます。カンタは「メイのものって決まったわけじゃないぞ!」と言いますが、サツキの表情はサッと強ばり、一直線に池に向かって走りだします。もちろんこのサンダルはメイのものではなく、カンタのおばあちゃんの勘違いだとわかるのですが……。ママになってからこのシーンを観ると、より緊迫感や恐怖を覚えるのではないでしょうか。
『大人になって観たとき、お母さんが週末に帰ってくるのが延期になって、サツキがおばあちゃんの前で泣きだすところで、もらい泣き』
このシーンも、切ないですよね。サツキの口から、以前もお父さんはお母さんの病状を「ちょっと入院するだけ。風邪みたいなもの」と言っていたと明かされます。しかし既に半年近く入院しているお母さんの病気が「風邪みたいなものではない」と、サツキはわかっていますよね。お父さんは子どもたちに心配かけまいと優しいウソをついたのでしょう。しかし楽しみにしていたお母さんの週末の帰宅を前に病院から電報があれば、お父さんが電話で「大丈夫」と言ったって、サツキはもう信じられません。 私たちも「子どもにはまだ難しいだろう」とか、「心配させるといけないから黙っておこう」とか、子どもに重大なことをあえて話さないようにする場合があるのではないでしょうか。親になってから観るこのシーンは、お父さんやお母さんの気持ちも、子どもの気持ちもわかり、涙なしでは観られないシーンかもしれません。
優しさで包んでくれるトトロ
『ファンタジーが好きではなかった子どものころの私には、「トトロって何が言いたいの?」って作品だった。大人になってからは見方が変わった。母の病気と入院、引越しと転校。不安な気持ちを抱える姉妹に寄り添ってくれた森の妖精との物語って思うようになった』
トトロという登場人物(登場する生き物、でしょうか?)は、どんな存在なのかと考えたとき、オバケとか妖怪とか、さまざまな見解があるでしょう。筆者は繰り返し観てきた『となりのトトロ』をママになってから改めて観たときに、上記コメントのママと同じように感じるようになりました。 トトロは大人には見えないけれど、子どもには見える。子どものなかでもカンタには見えないけれど、サツキとメイには見える。しかしサツキとメイも、いつでも見えるワケではない。サツキとメイがトトロと出会えたときは、ひとりぼっちだったり心細かったり、母を恋しく思ったり……そんなシチュエーションのときなのです。ママとして観たときに、「サツキやメイを優しく包み込んでくれる存在=トトロ」なのかもしれないと思うようになりました。
エンディングロールまで味わって
『となりのトトロ』のエンディングロールで描かれるサツキとメイのその後は、なんとも心温まるものです。お母さんが退院し家族の日常生活が戻ってきた様子が、セリフはないけれども柔らかいタッチの絵で綴られています。観ているうちにじんわりと涙が滲んでくるのも、もしかしたらママになったからかもしれません。子どもも大人も世代を超えて楽しめる『となりのトトロ』、ぜひ家族で観てはいかがでしょうか。
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