大阪王将なのに「プリン・ア・ラ・モード」や「チョコレートパフェ」がある！ 青梅店が本気のスイーツを提供する意外な理由
大手中華チェーンの「大阪王将」は2025年10月1日、東京・青梅市に新しいコンセプトのお店を出店した。大阪王将は創業55周年を迎えた昨年以降、店の雰囲気やメニューを刷新した「新モデル店舗」を展開しており、この1年で12店舗まで拡大している。
青梅店はそのもっとも新しいお店で、“暮らしにフィット”することをテーマにさらに地域に合わせたお店づくりをしているのだとか。
実際に行ってみたところ……、ここは中華料理屋だよね？ 「プリン・ア・ラ・モード」や「チョコレートパフェ」、40種類のドリンクバーまで用意してあって、まるでファミレスやカフェみたいじゃないか!? これらを提供するのは、ある狙いがあるようだ……。
・大阪王将の新モデル店
大阪王将を運営する「株式会社イートアンドホールディングス」は同店オープンのリリースで、コロナ禍以降の生活様式の変化や需要の多用化を指摘し、「好みも人それぞれ。気分によって、日によっても、異なるものです」と述べている。
つまり中華チェーンでありながらも、常に変化する需要に応えていくために、新モデル店舗の展開を始めたようだ。その新モデルのお店は、従来とどう違うのか？ それをたしかめるために、私はJR中央線で店舗最寄の小作駅までやって来た。郊外型店舗なので、ここから徒歩でお店まで向かうことに。
距離は約1.8キロ。25分でお店にたどり着くようだ。
幸い、この日は爽やかな秋晴れ。時折吹き抜ける風も清々しい。鼻歌まじりで歩いていたら、あっという間にお店についた。外観から新モデルを感じさせるものは特にないけど、開店2カ月弱なので、看板の文字もクッキリしていてキレイだ。
開店時間の11時ちょうどに到着。この日のお客さん第1号でお店に入った。
・3タイプのランチ
さて、メニューを見ると、大阪王将らしからぬ上品さを感じる。個人的なイメージでは、大阪王将といえば「町中華」だと思っているのだが、このメニューから漂う印象はファミレスに近い。
まず目をひいたのが、最初のページに載っていたランチ。ここのランチは、もっともシンプルな「ライト」。主菜に副菜・スープまでついた「スタンダード」。さらにデザートとドリンクバーまでついた「プレミアム」の3タイプ用意されている。
急ぐ時はライト。野菜多めの食事を摂りたいときはスタンダード。お友達とゆっくりと食事したいときはプレミアムと、利用シーンに合わせてランチを楽しむことができるだろう。
定食もA～Eまで5種類用意されており、単品メニューを定食スタイルで味わうことも可能。
そのほか、ヨソにないメニューに「中華蒸しパン」がある。具材を挟んでオリジナルパオにするのも良さそうだ。
さらにこのお店の最大の特徴は、スイーツが充実していること！ 大阪王将なのに、プリンやパフェ、シフォンケーキまであるじゃないか。料理を頼まずに、これらとドリンクバーでカフェとしても十分に使える。
・本気のスイーツ
甘いモノ好きの私（佐藤）は、完全にスイーツに気をとられてしまっておかしな注文をしてしまった。プリン・パフェと餃子を一緒に頼むなんて、どうかしている……。
スマホオーダーだったため、お店の人に「スイーツは2品オーダー頂きましたか？」と確認されてしまった。そりゃそうだよな、プリンとパフェを頼んだんだから、何かの間違いか？ と思うよね……。
とりあえず「元祖餃子」（税込300円）から頂くとしよう。大阪王将の餃子は久しぶりに食べるけど、少し小さい気がするのは気のせいかな？ 私がよく利用するお店のものが、たまたま少し大きいのかもな。
それでも食べるといつもの大阪王将クオリティ。やっぱ、この味だよね。
続いてメニューを見て美味そうだなと思ったコレ、「サクエビ春巻き」（税込420円）。
食べると名前の通りにサクサク！ そしてエビはプリプリ！ これはもしかして、トルコやギリシャでデザートに用いられる「カダイフ」を巻いてあるんじゃないかな。サックリパリパリとした食感が心地よく、酒のツマミとしてもいける一品だ。
そしてメインディッシュ（？）の「王将プリン・ア・ラ・モード」（税込810円）。あらためて確認するけど、ここ大阪王将だよね？ 中華料理店だよね？ レトロ喫茶店じゃないのに、このクオリティ。プリンもさることながら、フルーツの飾り切りもちゃんとしてるなあ。
そしてプリンそのものは、硬めでした！ 形だけレトロ喫茶のものをマネしたわけではなく、プリンもちゃんとしてる。これはかなり本気で作っているなあ。
そしてチョコレートパフェ、正式名称は「チョコが語りすぎる約束のちょこぱ」（税込690円）。名前はなんだかややこしいけど、こちらもしっかり作ってる。
名前ほどチョコは語っていない気がするけど、それでも片手間で作ったデザートではないことはわかるぞ。
中身は下からコーンフレーク・ホイップクリーム・バニラアイス・カットフルーツ・バナナ・ホイップクリーム。そしてウェハースである。これもまたレトロ喫茶に対するリスペクトを感じる仕上がり。決して派手さはないものの、チョコパに必要なものをしっかりおさえている。
今回利用しなかったが、これに加えて単品ドリンクバー（税込490円：セットなら税込290円）は40種類の飲み物を楽しめるそうだ。当然、コーヒーや紅茶も含まれている。つまり、喫茶店としてもちゃんと利用できるわけだ。
このお店は子育て世代もターゲットに据え、1日中の利用を想定しているため、いわゆるアイドルタイム（ランチとディナーの間：15時～17時）の需要を呼び込むために、喫茶メニューの充実を図っているのだろう。
また、回転寿司チェーンが若年層を取り込むことに成功して、カフェ的な利用を促進できたように、大阪王将も中華料理店の枠組みを超えて、若年層を積極的に取り込む狙いもあるのではないだろうか。
いずれにしても、大阪王将は今後「町中華」から「ファミレス」「カフェ」へと変貌して行きそうだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 大阪王将青梅店
住所 東京都青梅市新町9-2054－2
時間 11:00～22:00（LO.21:30）
定休日 なし
参考リンク：大阪王将、PRTIMES
執筆：佐藤英典
Photo：Rocketnews24
Screenshot：GoogleMaps
