認知症の人は激しく感情が高ぶって怒り出してしまう…落ちついて理由を探る方法とは!?【認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方】
6:心が不安定な場面|急に激しく怒り出すとき
○エピソード
父は最近、こちらは何もしていないと思うのに、急に怒りだしてびっくりしてしまいます。
【対応1】まずはこちらが冷静になる
認知症のある人に起こりやすい症状として、感情がコントロールできないほど高ぶってしまうことがあります。脳梗塞や脳出血の後遺症があると、特に起こりやすいといわれています。このような本人の怒りや悲しみは一過性で、長くは続きません。もちろんそのときはつらいものですが、一時的なものと捉え、冷静になりましょう。
急に怒り出すと、家族はとても驚くでしょう。大切なのは、あなたも感情が高ぶって、現実を突きつけ反論しようとしないことです。あなた自身の感情が引きずられてしまうなら、まずはかかわる前にゆっくり十数数えながら深呼吸し、落ち着いてみましょう。
【対応2】距離と時間を置き、理由を探る
本人が興奮しているときは、何を言っても理解させることは難しいでしょう。周囲の安全を確認したうえでいったん距離を置き、落ち着くまで待つのも一つの方策です。
落ち着いてきたら、なぜそのような感情の高ぶりが出たのか、理由を探ってみましょう。言葉がうまく出てこない場合もあるので、ゆっくり話しかけて、必要なら周りの環境にも目を向けてみてください。何か本人にとって不都合なことがあるかもしれません。言葉だけではなく、環境から解決の糸口が見つかる場合もあります。
【出典】『認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方』著:山川淳司 椎名淳一 加藤史子