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東古屋湖トラウトフィッシング入門【放流魚種・釣り可能エリア・釣り方・道具を解説】

TSURINEWS

東古屋湖(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

利根川水系の鬼怒川支流・西荒川に昭和43年3月に完成した西荒川ダムにより出現したダム湖が東古屋湖。今回はそんな東古屋湖でのトラウトフィッシングを紹介しよう。

東古屋湖の特徴

東古屋湖は栃木県北部の塩谷町にあり、東には那須、西には日光の観光地があり、その中間地点に位置する。西荒川ダムは、洪水調節・流水の正常な機能の維持を目的として建設され栃木県により管理されている。

一方、湖は鬼怒川漁協により管理されており、ニジマスを中心に放流事業がおこなわれており、上流部にはキャンプ場がある。春秋シーズンはニジマス、サクラマス、初夏から晩秋にかけてはヘラブナやコイ、ワカサギ釣りが楽しめる。

釣りが盛んな中禅寺湖や芦ノ湖などに比べると、面積は小さく水深もない。しかし、解禁前に成魚放流をするほか、毎週土日には定期的な放流がおこなわれており、魚影の濃さはシーズンを通して維持できる。ただし、夏場は水位が極端に低下することから高水温となり、トラウトゲームには向かない。トラウト狙いなら、3月上旬から5月末、10月中旬から12月末までが遊漁期間となる。

放流魚の種類

今年の解禁は3月9日だが、早春は湖面が氷結していることがあり、状況に応じて延期されることがある。同湖では、過去にナナマルとかハチマルと呼ばれる特大のニジマスが放流され、大物狙いのアングラーが連日通い詰めた。

栃木県内では、品種改良されたニジマスのヤシオマスが養殖されている。性成熟しないため成長が早く肉質が安定しており、食べて美味しい。近年はエサ代の高騰により80cm超はなかなか出ないが、60~70cm超までなら高い確率で釣れる。これらの大型ニジマスが約4割、レギュラーサイズが約5割、そのほかはサクラマス、イワナ、ヤマメが主たる放流魚。

大型に出会える確率は高い(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

エリアトラウトの道具で挑戦可能

前述したように夏場に高水温となることから、死滅または上流部へソ上するために、資源の継続性はないと考えられる。すなわち、同湖でのターゲットは放流魚。そのことから、他の湖沼とは異なり、管理釣り場の1つとされている。そのため、同湖での釣りは、エリアゲームの延長線と考えていい。

タックルやルアー・フライも管理釣り場で使用するもので十分に対応可能。それに加えて、風の強い時や深場を探る時のために、重めのルアーやシンキングラインを携行することをお勧めする。同湖をフィッシングエリアの少し大きいポンドと考えて釣りをすれば、大きな失敗はない。

フライのタックル例(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

東古屋湖のポイント

水に動きのある場所、水の通った場所などに魚が溜まりやすい。最上流部の東古屋橋下流、松手沢ワンドがこれに相当する。

また、解禁直後は水温が低いため、日中に水温が上がりやすい浅場に魚が溜まりやすい。これはキャンプ場前、管理事務所前、七曲ワンドの3カ所だろう。キャンプ場前と管理事務所前は放流地点でもあり、同湖の魚影がもっとも濃い場所。

解禁直後は魚が比較的表層を回遊していることが多いが、季節が進み放流から時間が経った個体は次第に中層、低層へと潜っていく。しかし、風が吹いたり雨が降ったりして水面が乱されると浮いてくる。水面のザワつき具合によっても釣れるレンジが変わってくる。これらを踏まえて総合的に判断し、ポイントを絞り込んでいく。

東古屋湖周辺マップ(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

エサ釣りやトローリングなども可能

同湖はルアー・フライが釣りの中心だが、エサ釣りや空いている時はトローリングも楽しめる。また、遊漁規則がかなり緩いのも魅力。釣りは画一的なものではなく、新しい釣り方の発見や新しい仕掛けの発明、新作ルアーやフライの試釣も釣りの楽しみだ。

エリアアングラーが自然のフィールドへと釣り場を拡大させるための練習場にもなり得る。このように考えれば、試釣の場、練習場としてのポテンシャルも高い。やや料金は高いが、自然に囲まれたロケーションのなかで管理釣り場に近い魚影の濃さと釣りやすさは、魅力の釣り場だ。ぜひ、釣行をお勧めする。

緑豊かなフィールドの東古屋湖(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2024年3月8日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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