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阪神・佐藤輝明が本塁打量産する要因をデータ分析、40年ぶり生え抜き30発へ期待膨らむ

SPAIA

阪神・佐藤輝明,ⒸSPAIA

浜風を味方にセンターからレフト方向へのアーチ増加

阪神・佐藤輝明がホームランダービートップを走っている。ここまで両リーグ最多の8本塁打。阪神の生え抜き選手としては1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来40年ぶりとなる30発へ視界良好だ。

近畿大からドラフト1位で入団して3年連続20発をマークしていたが、4年目の昨季は自身最少の16本塁打。今季量産できている要因はどこにあるのだろうか。データから探った。

まず本塁打の打球方向を見ると、明らかに昨季と違う。本塁打を右翼、中堅、左翼の3方向に分類すると、2024年は右に9本(56%)、中に4本(25%)、左に3本(19%)と引っ張りが多かったのに対し、2025年は右に2本(25%)、中に3本(38%)、左に3本(38%)とセンターからレフト方向への一発が多い。

ホームの甲子園はライトからレフト方向へ強い浜風が吹くため、左打者にとっては引っ張った打球が逆風に押し戻されてフェンス手前で失速することも少なくない。今季の佐藤は20日の広島戦や25日の巨人戦でセンターやや左に放り込んでおり、浜風を味方につけていると言える。

一発狙いで強振?三振も増加

とはいうものの、華麗な流し打ちを多用する巧打者になったわけではない。むしろ、その逆で、2024年より2025年の方が引っ張った打球が増えている。

表の通り、センター返しは昨季が26%、今季が25%とほとんど変わらないが、ライト方向は昨季の42%から今季は55%に増加。逆にレフト方向は昨季の32%から今季は20%に減少している。


つまり確実性を増したのではなく、一発狙いで強振しているのだ。甲子園では浜風に逆らわないように考えて打席に立っているのだろう。

実際、496打席で133三振した2024年のPA/K(何打席に1回三振するかを示す数値)は3.73だったが、2025年は88打席ですでに32三振しており、PA/Kは2.75に悪化している。

打率も昨季の.268から今季は.259にダウン。やはり本塁打を狙う代償として三振も増えていると言えそうだ。

ボールゾーンのスイング率が改善

本塁打を狙うとはいえ、ただ力任せに振り回しているわけでないことを示すデータがある。それは初球のスイング率だ。

2024年は無造作に初球を空振りするシーンが目立った。甘い球を積極的に打っていく好球必打なら評価されるべきだが、佐藤の場合は「決め打ち」を思わせるような、あっさりとボール球を空振りすることが多かった。

しかし、表の通り、初球スイング率は2024年の39.6%から2025年は33.0%に減少。しかも、ボールゾーンのスイング率が37.3%から32.5%に改善されており、ファーストストライクのスイング率は56.4%から54.3%とほとんど変わらないことを考えると、昨季よりは打席できちんとボールを見極められていると言える。

課題は2ストライク後の脆さ

実は佐藤が最も成績を残しているのは1ストライクから。2024年も1ストライクでは打率.375、11本塁打をマークしていたが、今季は打率.529、6本塁打と驚異的な数字を叩き出している。

これも初球を無造作に空振りするシーンが減ったことと無関係ではないだろう。相手投手からすればカウントを整えるのが比較的簡単だった佐藤が振ってくれなくなり、ストライク欲しさにどうしても甘いコースに投げてしまうこともあり得るからだ。


ただ、2ストライクと追い込まれると脆さを露呈する弱点は矯正できていない。2024年も打率.204、2本塁打だったが、今季は打率.125、本塁打なしとさらに悪化している。

初球を無造作に空振りする悪癖は改善してきた佐藤。今後、生え抜き40年ぶりの30発、さらに自身初のタイトルを獲得するには、2ストライクを取られてもいかに粘り強く対応できるかがカギかもしれない。

※成績は2025年4月25日終了時点

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記事:SPAIA編集部

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