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東京、8月9〜12日に開幕する注目のアート展3選

タイムアウト東京

東京、8月9〜12日に開幕する注目のアート展3選

いつの間にか2024年も半分が過ぎ、夏休みを目前に控えた7月を迎え、東京の美術館も展示替えのシーズンになっている。訪れたいと思っていたのに、慌ただしく過ごしているうちに何となく行きそびれている展覧会もあるのではないだろうか。ここでは、今週末までに閉幕する注目の展覧会を3つピックアップして紹介する。

ブランクーシ展は日本の美術館での大規模展が初めて実現した点でも意義深い。国内外で再評価が高まる三島喜美代は、残念ながら会期中の2024年6月19日に逝去し、その訃報は多くのアートファンを悲しませた。注目の集まるホー・ツーニェンの初期作から最新作までを網羅的に紹介する展覧会もさることながら、同じ会場で開催中の「翻訳できない わたしの言葉」や「Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」も7月7日(日)までとなる。いずれも見逃せない展覧会ばかりだ。

建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌

Photo: Naomi「後藤勘兵衛茶室 (現・太閤山荘擁翠亭)」原寸模型

建築家の堀口捨己(ほりぐち・すてみ、1895〜1984年)没後40年に当たる今年、「国立近現代建築資料館」で初の本格的な回顧展「建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌」が開催。日本初の本格的な近代建築運動である「分離派建築会」を始めた堀口の、生涯にわたる活動を包括的に紹介する。

会場では、代表建築作品の原図を含む約200点の展示資料をはじめ、1920年代に欧州視察した際の写真、分離派建築会展資料、茶室・庭園の実測研究資料、和歌、手紙などを展示。さらに、茶の湯にも通じた堀口の「後藤勘兵衛茶室 (現・太閤山荘擁翠亭)」を原寸に拡大した模型の内部に入ることができる。

100年前にまでさかのぼる資料を通して、建築の進む道を示した堀口の世界を体感してほしい。なお、土・日曜日・祝日は「旧岩崎邸庭園」からのみ入場でき、庭園の入園料400円(税込み)が必要となる。

※10時〜16時30分(入館は16時15分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は平日無料、土・日曜・祝日は400円(旧岩崎邸庭園入園料)

永井博 展 SUMMER BREEZE

永井博 展 SUMMER BREEZE

「Bunkamura ギャラリー」で、シティポップをカルチャーへと昇華させたイラストレーター、永井博に焦点を当てた展示が開催。旧作から新作まで、原画を中心に展示・販売する。

日本のニューミュージックのシティポップは、ファッションやアートにも影響を与え、今や世界中で注目を集める音楽だ。1981年発売の大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』でアートワークを手がけた永井は、心地よいリズムと都会的かつトロピカルな音楽を見事に視覚化した。その後、40年以上にわたる一貫した作風でシティポップムーブメントの象徴とされている。



世代を超えて愛されている永井の世界を堪能してほしい。

※11〜20時/入場は無料

magma exhibition ″TRICK HEARTS″

magma exhibition ″TRICK HEARTS″

「パルコミュージアムトーキョー」で、杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニットmagmaによる展覧会「magma exhibition ″TRICK HEARTS″」が開催。およそ7年ぶりの大規模個展となり、新作群に加え、本展に合わせた国内外9組の作家やブランドとのコラボレーション作品を発表する。

magmaは、廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせた独自の世界観で、アート作品から家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作までを幅広く手がける。また、NIKE、ユニクロ、ゆず、サカナクションなどとのクライアントワークでも独自のスタイルを発揮してきた。

さまざまなマテリアルが行き交い、アナログ感とクレイジーな色彩が融合したmagmaの作品群。彼らの現代的な「いたずらなしかけ」が広がる空間に足を運んでみては。

※11〜21時(9月2日は18時まで)/入場は閉館の30分前まで/入場は無料

SIDE CORE 展 コンクリート・プラネット

rode work tokyo_spiral junction year: 2022 photo: Natsuko Fukushima Tokyo Art Beat

公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトで近年注目を集めるアートコレクティブ「SIDE CORE」の展覧会が、外苑前の「ワタリウム美術館」で開催する。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志で、映像ディレクターとして播本和宜が参加する。

「都市空間における表現の拡張」をテーマに活動しているSIDE COREは、これまでにも東京の地下空間をスケートボードで疾走する作品などを展開してきた。公共空間のルールをひもとき、思考の転換、隙間への介入、表現やアクションの拡張を目的に、ストリートカルチャーを切り口とした作品に定評がある。今回の大規模個展でも、彼らが軽やかに都市の暗部を開拓していく作品群に期待が高まる。

なお、本展は美術館内部だけではなく、周辺環境への展開が予定されている。アートを通じて都市への想像力を広げる体験をしてみては。

※11〜19時/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は1500円(ペア2600円)、25歳以下の学生・70歳以上1300円、小・中学生500円

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