国立科学博物館の360°シアター新規映像「日本の川 -固有種との出会いの旅-」 見どころたくさんの7分間
国立科学博物館(東京都台東区)は、3月18日から同館にあるドーム状スクリーン「THEATER36◯(シアター・サン・ロク・マル)」で新規映像を上映するにあたり、前日の17日に報道内覧会を開催しました。
内覧会で一足早く映像を視聴してきた様子をお届けします。
日本の河川がダイナミックに映し出される
今回新たに制作された映像「日本の川 -固有種との出会いの旅-」は、「クラスメソッド THEATER36○ 」で上映する映像としては8本目で、映像の追加は約4年ぶり。
固有種に恵まれた豊かな生物相を構成する日本列島の河川に注目し、北海道から沖縄まで、さまざまな河川に生息する植物と両生類にフォーカスを当てた内容。日本各地の特徴的な川を旅しながら、そこに生息する植物や両生類を学ぶことができます。
世界最大級!オオサンショウウオも紹介
初めに案内されるのは、山梨県と神奈川県にまたがる道志川。流れの速い渓流で育つサツキやヤシャゼンマイについて、その特徴的な生態をわかりやすく解説しています。
その後に続くのは山陰地方・鳥取県の景色。ここでは世界最大級のサンショウウオであるオオサンショウウオが紹介されます。
映像視聴者たちの上を悠々と泳いでいくオオサンショウウオ。ドーム型のスクリーンを生かしたダイナミックな映像に目が奪われます。
そして東京都の川では、渓流で産卵の時期を迎えたナガレタゴガエルの様子を紹介。その後もハナサキガエル、キタサンショウウオ……と、特徴的な両生類たちの生態が紹介されます。
ガラス張りになっている橋の下から眺める川の流れも綺麗で、360度余すことなく楽しむことができます。
見どころたくさん!学びあり癒しありの7分間
監修者である国立科学博物館・動物研究部脊椎動物研究グループの研究員である吉川夏彦さんによると、見どころはオオサンショウウオとした上で、「世界最大級の両生類として、日本の固有種として生息しています。映像の中でお腹まで見ることのできるのが私的にはポイントです」と話してくれました。
また、映像内で登場する他の両生類について、「渓流性の両生類であるナガレタゴガエル、白い綺麗な卵を産む沖縄のハナサキガエル、北海道・釧路湿原にすむ、湿原のサファイアとも呼ばれる青く綺麗な卵を産む小さなキタサンショウウオと見どころ盛りだくさんです」とのことです。
「2度3度と足を運んでほしい」
同じく監修を務める地学研究部環境変動史研究グループの研究主幹である齋藤めぐみさんは、「これまで科博の当シアターで映してきたものの中では非常に内容が濃いものになったのではないかと思います。これまでに紹介があった動植物をみるだけでも大変忙しい映像になっていまして。1回では見落としてしまう可能性があるので、よろしければ2度3度と足を運んでいただきたい」と話します。
実際に2回映像を視聴しましたが、約7分間ずっと見どころが続くようなイメージで、癒されつつもとても勉強になりました。
360度に広がる美しい川の景色 楽しく学びのある映像
両生類や植物はもちろん、360度に広がる川の景色はどこをとっても美しく、それだけでも満足できてしまうような内容。さらに頭上にはオオサンショウウオが通ったり、綺麗な産卵シーンが間近で観察できたりと、とても楽しく学びのある映像でした。
国立科学博物館で、日本の川に生息する固有種たちに会うことができます。
国立科学博物館「クラスメソッド THEATER36○」についての詳細は、国立科学博物館の「クラスメソッド THEATER36○ 」特設ページで確認できます。
(サカナト編集部)