サッカー天皇杯歴代優勝チーム 1921年第1回大会から歴史を彩ってきた栄光の系譜
ヴィッセル神戸がガンバ大阪との関西対決制し、5大会ぶり2回目の優勝
サッカーの第104回天皇杯決勝が11月23日に国立競技場で行われ、ヴィッセル神戸がガンバ大阪との関西対決を制し、5大会ぶり2回目の優勝を果たした。
1953年度の全関学vs大阪クラブ以来71大会ぶりの関西勢同士の頂上決戦。エース宇佐美貴史が右太もも肉離れで欠場となったガンバは序盤から攻め込んだが、ヴィッセルの守備を崩せず0―0のまま前半を終えた。
ヴィッセルは後半19分に大迫勇也と武藤嘉紀がつなぎ、最後は宮代大聖が押し込んで先制。結局これが決勝点となり、ヴィッセルが1⁻0で優勝した。
昨季、J1リーグを初制覇したヴィッセルは今季も首位に立っており、リーグ戦連覇と2冠を狙う。ガンバは宇佐美の欠場が響き、9大会ぶりの優勝はならなかった。
初代王者は東京蹴球団、消滅する横浜フリューゲルス、J2ヴァンフォーレ甲府も優勝
「ア式蹴球全國優勝競技會」として天皇杯が始まったのは1921年。原敬首相が東京駅で刺殺され、大正デモクラシーが巻き起こった時代だ。
第1回の優勝チームは東京蹴球団。現在も東京都社会人1部リーグに所属する日本最古のクラブチームが初代王者に輝いた。
戦後しばらくまでは学生チームやクラブチームが優勝していたが、1960年代から企業チームが台頭。1965年から日本サッカーリーグが始まり、東洋工業(後のサンフレッチェ広島)が優勝した。リーグ戦の創設が1968年メキシコ五輪の銅メダルにつながっていく過程は、Jリーグ創設がワールドカップ初出場につながっていく過程とそっくりだ。
そんな中、柏レイソルの前身・日立製作所は1972年と1975年に天皇杯制覇。ほかにも古河電工(後のジェフユナイテッド市原・千葉)や三菱重工(後の浦和レッズ)、ヤンマー(後のセレッソ大阪)などが優勝チームに名を連ねた。
1980年代に入ると、日産自動車(後の横浜F・マリノス)、読売クラブ(後の東京ヴェルディ)、松下電器(後のガンバ大阪)などが優勝。Jリーグ創設前で、木村和司ら一部の選手だけが事実上のプロ契約をしていた。
Jリーグ開幕前年の1992年には日産FC横浜マリノスが読売ヴェルディを下して優勝。93年以降はJリーグクラブが優勝している。
第78回大会(1998年度)では消滅が決まっていた横浜フリューゲルスが優勝。第102回大会はJ2リーグ18位だったヴァンフォーレ甲府が制し、日本中を沸かせた。
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記事:SPAIA編集部