裏金問題は忘れない。国民にもっと権利を
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、10月21日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。衆議院選挙で各党が掲げた「政治とカネ」に関する公約を受け、裏金問題についてコメントした。
角谷浩一「(各党の『政治とカネ』問題に関する公約を聴いて)言っているだけですよ、こんなの(笑)。公約って『やりたいです』というだけで、まずメディアがファクトチェックをしないんです。それでも選挙が始まってから、こうしてひとつひとつテーマに沿って議論するのは、ほぼラジオだけです。テレビだと報道番組だけ。お茶の間の人たちが見るようなワイドショーは選挙の話題をシャットアウトする」
長野智子「やっているところもありますけどね」
角谷「何を放送しているか、ということです。それと個別の問題をテーマにはしていないんですね。フワフワッとしたことしかやらないでしょう? きょうラジオを聴いた人はお得です、以降もずっと聴いたらもっとお得になりますよ。何が起こっているかよくわかるから」
長野「はい」
角谷「で、この政治資金の問題ですけど、お金のことを整理するのは30年前から宿題が残っている。それなのにちゃんとやらないだけ。献金を個人献金だけにして企業献金をやめさせるとか。それからパーティーは必要か必要じゃないか。金がない、足りない、という声を大きく扱いますけど、なくてやっている人もいるのはなぜ、という話になる」
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「はい」
角谷「政党助成金も30年前から、250円のコーヒー1杯分で、有権者じゃない、生まれた段階で国民すべてが払っている。18歳になる前から、政党が活動するためのお金を払っている。経団連は自民党への献金を『社会貢献』だと言ったんです。どういう理屈かも説明してもらいたい。つまり、もらう側がぐずぐず言っても払う側がいるわけですから、そこをどうするの、という。くれるんだからもらいますよ、という話になるわけです」
鈴木「ああ……」
角谷「でもそれがおかしい。それを懐に入れている、裏金をつくっている人がいると。いままでの選挙だと、みんな喉元すぎれば忘れちゃうから、なんとかなるだろう、と思っていた。でも思っている以上にみんな忘れていなかった。これはネットのおかげです」
長野「そうですね」
角谷「ネットがあると忘れないんです。すぐ古いニュースも引っ張り出せるから。これまでと全然変わってきたところなんですね。同時にそのおかげで、忘れてもらえないから、世論調査の結果が悪くなって慌てて公認問題、『時間切れで考えつきません』というものを考えないといけなくなった。大混乱が起きている。『政治にはお金がかかる』というけど、かかる中身が自民党と野党でだいぶ違うんですね」
鈴木「はい」
角谷「事務所つくって、家賃もあれば机も電話もパソコンも用意して……。場所によってはクルマも必要と。手間がかかるのはわかります。でももともとそれを確保しなければいけないわけだし、その中でやりくりして当選することを目標にしないといけないのに『金がかかる、かかる』。そんなに大変なら、おやめになってはいかがですか、と。」
長野「うん……」
角谷「私たち、要求はできるけど命令はできない。でも政党助成金を出していてその300何十億を山分けするわけですから、党員でない私たちにも、あなたたちにモノを言う権利があるはずだ、と。そういう権利も今後は改正して入れるべきだと思っています」