「とったぞー!」 ヤマメ、イワナ、ニジマスを手づかみで 松倉町内会「夏休みの思い出に…」
釜石市甲子町、松倉町内会(佐野賢治会長、550世帯)の夏の恒例行事「魚のつかみどり」が7月28日、甲子川で行われた。地域の自然環境に触れ、親子で夏休みの楽しい思い出を作ってほしいと2006年に開始。新型コロナウイルス禍による中止を経て、昨年から復活させた人気の企画は、今回で通算16回目を迎えた。昨年を上回る約150人が集まり、魚と格闘しながら歓声を上げた。
同行事は甲子小PTA北松倉こども会(須藤由布子地区長)、同南松倉こども会(舘洞広美地区長)との共催事業。赤い羽根共同募金の助成を受けて行われている。
県立釜石高裏の松倉橋近くに網で囲った特設いけすを用意。市内の養魚場から購入したヤマメ、イワナ、ニジマス計約400匹を放した。幼児から一般まで年代ごとに分かれて川に入り、つかみどりに挑戦した。子どもたちは水中の魚の動きに目を凝らし、必死に手を伸ばすが、素早い泳ぎの魚はなかなか捕まらない。生きた魚を触る機会はそう多くはないだけに、おっかなびっくりの子どもも。会場にはにぎやかな声が響いた。
1人3匹とれたら終了。自力で捕まえられない場合は、町内会役員がたも網にすくった中からとってもらった。捕まえた魚は“お持ち帰り”。夕ご飯のおかずにと親子で食べるのを心待ちにした。
佐々倫太郎さん(甲子小3年)は昨年に続き2回目の参加。「なかなかうまくつかめなかったけど、3匹とも自分でとれた。魚はぬるぬるしてちょっと気持ち悪っ。でも食べるのは楽しみ」とにっこり。父学さん(44)は「自然に親しむ機会が少なくなっている中で、こういうイベントはありがたい。いろいろな経験は子どもの成長にもつながる」と喜んだ。
本多莉奈さん(甲子中3年)は小学校以来のつかみどり。「久しぶりで楽しい。上からはあまり魚が見えないので、手を水に突っ込んでおいて触ったら捕まえるみたいな…ほぼ感覚で」と独自のコツを習得。とった魚は「(小学生の)いとこにあげる」と年下を思いやる優しさを見せた。
コロナ禍から復活2年目。佐野会長は「親子で楽しむ姿が見ていてほほ笑ましい。長年の皆さんの支えがあって続けられている」と感謝。近年は水難事故防止の観点から子どもだけでの川への立ち入りを禁止する指導もあり、こうした行事でないと川に親しむ機会がなかなかない。「市外から帰省する孫のためにと祖父母から開催日の問い合わせを受けることも。幅広い世代から好評を得ている行事」と佐野会長。
松倉町内会では8月16、17の両日には甲子公民館前で盆踊り大会も開催予定。甲子小唄、炭坑節、相馬盆唄などの踊りを楽しむほか、抽選会も行う。両日とも午後7時から同9時まで(雨天の場合は18日までを期限に順延)。