フランシュシュと佐賀県の人たちの絆が改めて感じられた――劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』新曲収録時の思い出を田野アサミさん×河瀬茉希さん×田中美海さんが語る【インタビュー】
2018年10月から放送された、ゾンビィになってしまった少女7人が佐賀県でアイドル活動をする奇想天外なアニメ『ゾンビランドサガ』。2021年4月からは第2期『ゾンビランドサガ リベンジ』が放送され、衝撃的なラストが話題を呼びました。
そんな『ゾンビランドサガ』シリーズの4年ぶりの新作であり、初の劇場版作品『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』が2025年10月24日(金)より全国公開! 佐賀万博の開催に湧く佐賀県にまさかの宇宙船が飛来し、フランシュシュのメンバーを巻き込みながら、地球規模のスケールのお話に発展していきます。
ファン待望の劇場版の公開を記念し、2回に分けてキャスト陣にインタビューを実施! 第2回は、二階堂サキ役・田野アサミさん、紺野純子役・河瀬茉希さん、星川リリィ役・田中美海さんに、劇場版の見どころや新曲のレコーディング秘話、そしてフランシュシュとして初のフェス参戦となる『ANIMAX MUSIX 2025 YOKOHAMA』への意気込みなどを語っていただきました。
 
【写真】映画『ゾンビランドサガ』田野アサミ×河瀬茉希×田中美海 インタビュー
『ゾンビランドサガ リベンジ』のラストはキャスト陣も思わず呆然!?
──『ゾンビランドサガ リベンジ』を振り返った感想と、最終回をどんな思いで演じていたのかお聞かせください。
田中美海さん(以下、田中):『ゾンビランドサガ リベンジ』の最終回が放送されたのが2021年6月で、もう4年半経ったことに驚いています。第1期は2018年10月に始まったので、約7年に渡って応援してくださる方が増えて、TVシリーズがない時もイベントなどがあったりして、『ゾンビランドサガ』の輪が大きく広がったなと感じています。
原作がないオリジナル作品ということもあって、始まった当初からどうなるのかわからないまま私たちは演じ続けて、「リベンジ」の最後のシーンではキャスト陣も「えっ……」と呆然としていました(笑)。それからあのシーンの意味や今後の展開が私たちに明かされることもなく、「この後は劇場版に繋がるのかな?」と何となく思っていましたが、いざ収録が決まって、台本を読んで「まさかこんなことになるとは!?」と一瞬動揺しつつも「この変わらないハチャメチャさはやっぱり『ゾンビランドサガ』だな」とすぐに冷静さを取り戻しました(笑)。
田野アサミさん(以下、田野):「リベンジ」の最終回のアフレコでは「気になることはあるけど、まず収録し終わってから言おう」とみんな思っていたはずです。その場には(山田たえ役の三石)琴乃さんもいらっしゃって、「これってこの先どうなるのか、みんな知っている感じ?」と口にすると、みんなも一斉に知らないと(笑)。でもスタッフさんは何も教えてくれなくて。
ファンの皆さんは劇場版の制作が発表される日を楽しみに待っていてくれたと思いますが、私たちも同じです。「あの大爆発でフランシュシュはまた死んじゃうのかな?」とかいろいろと想像や妄想をしながら、どこに向かっていくのかを日々考えていたので、ファンの皆さんの気持ちが痛いほどよくわかるんです。なので、劇場版の制作が決まったと聞いた時は嬉しさと驚きが同時に押し寄せましたね。
 
 
河瀬茉希さん(以下、河瀬):「リベンジ」の最後で幸太郎が出血していたり、宇宙船らしき存在が確認できたので、「たぶん続きを作るつもりなんだろうな」と思いながらも「逆に『ゾンビランドサガ』だから伏線だけ置いて、このまま消え去ってしまうかも」と二つの予想が浮かびました。『ゾンビランドサガ』はTVシリーズの時からフランシュシュのレコーディングやアフレコで詳しいことや先のことをまったく教えてくれない特殊な現場なので(笑)。
田中・田野:(うんうんとうなずく)
河瀬:もちろん「この続きをやりたい!」という願望はありましたが、今回劇場版が世に出せたのは間違いなく応援してくれている皆さんの、たくさんの声や『ゾンビランドサガ』愛のおかげだと思っています。
思い起こせば、2021年10月に行われたライブ(『ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ 佐賀よ共にわいてくれ~』幕張メッセ)の終盤で、やりきった達成感はありつつも「これで終わっちゃうのかな?」と寂しさを感じていたところに、サプライズで劇場版の制作を教えてもらえて、すごく嬉しかったことを今でも覚えています。そして今は劇場版の約束が叶って、もうじき皆さんにお届けできる喜びでいっぱいです。
フランシュシュと佐賀県の人たちの絆が改めて感じられた劇場版
──『ゾンビランドサガ』はアイドルものでコメディや感動もあるのが魅力ですが、劇場版ではそれにミステリーやSF、更に名作映画のオマージュも加わって、盛りだくさんですね。
田中:そうですね。盛りだくさんなのも楽しいですが、何よりもまず『ゾンビランドサガ』の新しい台本をいただけたことが嬉しくて。「リベンジ」が終わってしばらく経っても劇場版の続報が届かなかったので、「もしかしたらこのままフェードアウトしちゃうかも!?」という不安がよぎりました。でも分厚い台本、しかも2冊に渡っていて、「本当に劇場版をやるんだ!」と実感しましたし、感慨深いものがありました。
──収録も2日に分かれていたそうですね。
田野:そうなんです! 上映時間も2時間という長編で。
田中:アニメの映画で2時間もある作品は珍しいので、壮大だなと思いました。
田野:分厚い2冊の台本の重みを感じて嬉しかったですし、待っていて良かったと思いました。キービジュアルからもSFっぽさやミステリアスな感じが伝わってくるし、そうなるとアクションもあるだろうなと想像できて、過去最高に密度が濃くなっているのがわかります。フランシュシュのメンバーがどう宇宙人の侵略に立ち向かうのか、サキたちはどう戦うのか、楽しみにしていただければと思います。
河瀬:この映画ではアイドルとSF、コメディとシリアスという対照的な要素が描かれていますが、第1期・第2期でフランシュシュが佐賀県を救うためにアイドルとしていろいろ頑張ってきた歴史があるからこそ、この映画では佐賀県の人たちをはじめ、たくさんの人の協力を得ることができたのだと思いました。そして自然とフランシュシュといろいろな人との繋がりの過程が頭に浮かんできて、つい涙腺が緩くなってしまいました。
みんなが大変な時に、フランシュシュがお願いしたことは突拍子もなくて、誰からも信じられなくてもしょうがないことだけど、今までのフランシュシュの活動を見てくれていたからこそ、フランシュシュが今回佐賀だけでなく地球を救うためにお願いした無茶な作戦も快く受け入れてくれて協力してくれたことにすごく感動して。佐賀県を救うために活動してきたフランシュシュが、佐賀県に助けられることで成り立っているんだなという想いが一層強くなりました。これまでのことがすべて繋がった劇場版になったなと思いました。
 
──第1期・第2期でも各メンバーの過去が描かれていましたが、この劇場版でもその過去にまつわるシーンが散りばめられていたのも嬉しかったです。
河瀬:セリフとかシーンに散りばめられているので、きっとみんなも「おっ!?」と思うところがたくさんあると思います。純子だったら高いところを怖がるシーンとか、みんなの戦い方とか。初見の方でもアイドルアニメと思って観てみたらスケールの大きさに驚くと思うし、なんといってもゾンビと宇宙人が戦うわけですから(笑)。
田野:そもそも第1期の頃から、この劇場版の展開まで最初から思い描いていた人はいるのだろうか…?
田中:確かに!
田野:フランシュシュは最初、300人入るくらいの小さなライブハウスでライブをしてから、第1期の最後ではアルピノでのライブを成功させて、第2期の最初に駅前不動産スタジアムでのライブが大失敗して多額の借金を負って。でも駅前不動産スタジアムでのリベンジライブを成功させたと思ったら謎の飛行物体……この劇場版では佐賀万博で盛り上がる中、SAGAアリーナでのライブ、そして……と目まぐるし過ぎますよね。
今フランシュシュは全国制覇をしようとしていますけど、ここまでの存在になるなんて誰が予想していたでしょうか? もちろん私も想像もしていませんでした(笑)。私も一緒に大きな夢を見させてもらっています。今回の「ゆめぎんがパラダイス」というタイトルはピッタリですね。
──あとは、あのたえが涼しい視線で凛々しく立っているのも衝撃的です。
田中:「リベンジ」で、たえちゃんが街におつかいに行くかわいらしいエピソードがありましたが、『ゾンビランドサガ外伝 ザ・ファースト・ゾンビィ』を読んでいない方は「シリアスなお話でたえちゃんがフィーチャーされるとこんな風になるんだ!?」とすごく驚くと思います。三石(琴乃)さんのお芝居もすごく素敵だったので、ぜひ注目してください!
 
見どころの一つはロメロの新たな姿!? エンドロールで流れる新曲にも注目
──この劇場版の見どころのご紹介をお願いします。
田中:今までの『ゾンビランドサガ』の集大成が観られるところです。第1期と第2期に登場したキャラクターや佐賀県民の皆さんが一丸となって、エイリアンに立ち向かっていくストーリーがすごく大好きです。
リリィを演じる身としては、お父さんのパピィの姿が観られて嬉しかったです。そしてこの空白の4年の間も作品の中のキャラクターたちは生き続けて、時計の針を進めていたんだなと思わせてくれました。
リリィはもう死んでゾンビィになってしまったけど、佐賀で生きている人たちが力を合わせてエイリアンに立ち向かっていく様子は胸アツでした。劇場版だけでも楽しめますが、フランシュシュ以外でスクリーンに映っている人がメンバーと過去にどんなことがあったかがわかるとより楽しめるし、感動できると思うので、第1期と第2期を復習してから観ていただけるとさらに楽しめると思います。
田野:私は、フランシュシュと幸太郎が住む洋館で飼っているゾンビィ犬「ロメロ」の今まで知らなかった面を観ることができて更に好きになりました。たぶんあの姿は映画で初公開だと思いますが、「えっ!? ロメロってそんな風になるの?」って(笑)。
フランシュシュのメンバーがアイドル力について成長しているように、ロメロも成長していたんだなと。あの姿を観て私がテンションが上がったように、サキもテンションが爆上がりだったんじゃないかなと思います。
 
 
河瀬:『ゾンビランドサガ』といえば、フランシュシュの楽曲とライブパフォーマンスの素晴らしさに注目してくださる方が多いと思いますが、この劇場版用の新曲もアフレコに先駆けてレコーディングしました。
ある曲のレコーディングで「この曲はどのシーンで使われるんですか?」と尋ねたら「宇宙人と〇〇するシーンで」と説明されて、まったくピンと来なくて。自分の想像力をMAXに膨らませて(笑)、でも熱量は変わらず、パワーアップしながらみんなレコーディングに取り組んだと思いますし、私も魂全部をぶつける楽曲が多かったです。レコーディングでは笑って、時には涙しながら録り直して……。フランシュシュのみんなが成長していく中で、「純子も成長しなくちゃ!」というプレッシャーを感じつつ、頑張って歌ったので、歌とライブシーンに注目していただきたいです。
新曲はどの曲も好きですが、特にエンドロールと一緒に流れる曲は今までのフランシュシュの曲のテイストと違って、しんみりと聴いてもらえるというか、席を立てなくなる曲じゃないかなと思うし、できればライブで歌いたいです。ステージでどんな風に表現すればいいのかなと何となく想像してみたりして。
完成した新曲を聴いて、フランシュシュへの想いや方向性は間違っていなかったんだと実感
──さくら役の本渡 楓さんは、音楽プロデューサーのSCOOP MUSICの佐藤(宏次)さんから「さくらはいい意味で変わらないで」というディレクションがあったとおっしゃっていました。皆さんはレコーディングでそういった難しさを感じましたか?
田中:リリィはそれほど変わっていないかなと思いながらも、そういえば「リベンジ」の時も「リトルパラッポ」という曲で「パラッポしてください」と言われたことを思い出しました(笑)。「劇場版でも田中さんに頑張ってもらうことになるかも」と言われたので、「また何かやるのかな?」と思っていたら、劇場版のED曲では「シャウトしてください」とか「YEAH YEAH YEAHという感じで」と。「リリィの天才子役感を出さなきゃ!」と気合が入ったのを覚えています。
田野:「今日が歴史に残るなら」は私がトップバッターでレコーディングさせていただきましたが、もらったデモと若干曲調とキーが変わっていました。「サキとして歌ってください」と言われた時はまだどのシーンで流れるのか知らなかったけど、キー的に下げたほうが場面の雰囲気やサキの声の感じに合うんじゃないかということで変更されたようです。
また別の楽曲では「田野さんとしてサキだったらこういう場合、どうやって歌いますか?」と相談されました。今までフランシュシュの曲をレコーディングしてきた中で初めてのことで、7年前にフランシュシュとして初めて歌った時や4年前の「リベンジ」の時でもそういう相談はありませんでした。なので、そんな相談をされたことはサキとしての自分が認められたみたいに感じてすごく嬉しかったですし、私の中でも「サキだったらこうすると思います」というものがしっかりありましたのでお伝えしました。
2パターン録りましたが、どちらが採用されたのかはわからないまま、完成した映像を観たら、私が提案して歌ったテイクだったことに感激しました。ここまでサキと一緒にやってきたけど、フランシュシュのメンバーへの想いや方向性は間違っていなかったんだと改めて思わせてくれたし、他にもそう思えた曲がたくさんありました。
──河瀬さんは第1期のインタビューでは「泣きながらレコーディングしていた」とお話しされていた気がします。先ほど「時には涙しながら録り直して」とおっしゃっていたので、7年経ってもその熱さは健在なのだなと思いました。
河瀬:第1期の頃は逆に泣けません。
田野:えっ!? どっちなの?(笑)
河瀬:第1期ではむしろ泣いている暇なんてなくて。レコーディングが終わって家に帰ってから泣いていました。
田中:え~っ!?
田野:反省して? それとも思うことがあって?
河瀬:悲しくて。レコーディングでいったん録り終わったものを聴いた時に「えっ!? 全然歌えてないじゃん!」とショックだったし、悲しくて家に帰ってから泣いてました。
でも「リベンジ」になってからは、佐藤さんとお話をしながら詰めていく中で、自分ができる表現と「純子だからできるよね」と役者・河瀬茉希として技術的に求められる部分のバランスを自分でうまく取れなくて。できない悔しさじゃなくて、そういうパーソナルな部分で突かれて泣いちゃいました(笑)。
劇場版のレコーディングはサキちゃんの後だったこともあって、「純子だったらどうする?」と私も相談されたので、意見をお伝えしたのですが、そうしたらまたパーソナルな面でお互い熱くなって、じわりと涙目になって「ごめん。ちょっと待って!」と(笑)。
田野:茉希が第1期の時に家で泣いていたのを今初めて知ったけど、一緒にいて年月が経って「泣いちゃったんですよ、アサミさんの次に」というのを聴ける距離感になったのも嬉しいです。
河瀬:私が泣いた話をするとアサミさんが険しい顔をするんです。共感してくれて、めちゃめちゃ瞳を潤ませて(笑)。
田野:すぐ私も同じ境遇に遭った気持ちになっちゃって、「何があったの?」って。
(全員爆笑)
河瀬:アサミさんは優しいんです。
田野:7年の年月がそういう関係にしてくれました。
田中:確かに。
 
7年経ってもフランシュシュがずっと変わらないこととは?
──逆にこの7年間でフランシュシュのメンバーの変わっていないところは?
河瀬:第1期のアフレコよりも第1期が終わった後のライブ(2019年3月開催の『ゾンビランドサガLIVE〜フランシュシュみんなでおらぼう!〜』)に向けてのダンスレッスンの時間が長かったのででみんなの絆が深まったかなと思っています。レッスン中に振り付けで意見やアイデアを出し合ったり、稽古場以外でも連絡を取り合ったりして。
今でも『ゾンビランドサガ』の新しい情報が出るたびに連絡を取り合っています。キャスト間の絆の強さはずっと変わらなくて、誰かが発信したら次々にメッセージが繋がって。劇場版の先行上映会の前夜にも衣ちゃん(ゆうぎり役の衣川里佳さん)から「明日1日よろしくお願いします」と連絡が届いて、嬉しかったです。
 
 
田中:メンバー間の連絡といえば、『ゾンビランドサガ』ではグループLINEがあって、それぞれの誕生日にお祝いしたりしていますが、今年の私の誕生日の時、みんな忙しかったみたいでみんなにスルーされて(笑)。
私自身も気が付かなかったけど、自分のXに「私の誕生日だよ~ん」という投稿をしたのを誰かが見たようで、「美海ちゃん、おめでとう!」というメッセージがグループLINEに殺到して。3~4日後だったけど、「嬉しい! ありがとう!」という気持ちだったけど、アサミさんから「ごめん。今ちょっといい?」というメッセージが届いて。
田野:何? 怖いんだけど……。
田中:「いいですよ」と返信したら、すぐに携帯電話の着信が鳴って、出たら「美海、本当にゴメン! 直接伝えなくちゃと思って」と。
(全員爆笑)
田野:LINEではおめでとうと伝えていたんですけど、やっぱり直接言わなくちゃと。
田中:そう言うと、すぐに「じゃあね」と電話が切れて、通話履歴は1分11秒でした(笑)。
田野:でもそれって押しつけがましいよね? 気持ちを投げているだけだもんね。
田中:いえ、めっちゃ温かくて。その後、ほっこりが止まりませんでした。
河瀬:そういえば、私が住んでいる家の最寄駅で……。
田野:やめて! やめて! 最寄駅で自撮りしたことは!
河瀬:「駅と私」というタイトルで。「今、いるよ」って(笑)。
田野:それ、怖いじゃん!
河瀬:そんな風にこまめに連絡を取り合っています(笑)。
 
──そのほかには何かありますか?
田野:アバンのさくらの早口のセリフを聴くと「あっ、『ゾンビランドサガ』だな」とすぐに思いますが、やっぱり幸太郎役の宮野(真守)さんの声や勢いのあるセリフを聴くとより自分がフランシュシュであることや「ここは佐賀で、私はサキなんだ」と思えて、「よっしゃー!」と気合が入ります。
フランシュシュと幸太郎の掛け合いも「幸太郎ならこう来るはず」という想定を遥かに超えたお芝居が来るので、その勢いに乗っかったり、「負けちゃいられない!」と振り落とされないように必死にしがみつくことで、フランシュシュやフィルム自体にすごい熱量が生まれるんですよね。なので、いつも幸太郎……というより宮野さんそのものかもしれませんが(笑)、あの激しく強い勢いとやけどするくらいの熱量にいつも感謝しています。
田中:キャラクター同士でもキャスト間でも『ゾンビランドサガ』にしかない空気感は変わらないし、フランシュシュの楽曲の素晴らしさはずっと変わりません。7月27日にABEMAで特番が放送されましたが、久しぶりにみんなそろったらすごく楽しくて。みんなも楽しみにしてくれていたんだなと想いが伝わってきて、改めて『ゾンビランドサガ』は温かい現場で変わらないなと感じました。
この映画のアフレコもやっぱり温かくて、楽しかったです。第1期の頃からのびのびやらせていただいているので、そんな和やかな雰囲気がフィルムからも伝わるのではないでしょうか。
11月に初の音楽フェスに参戦! お客さん全員を巻き込んで、会場を佐賀にしたい
──11月15日(土)にはフランシュシュとして『ANIMAX MUSIX 2025 YOKOHAMA』のステージに立ちます。意気込みをお聞かせください。
田野:フランシュシュがライブをするのはとても久しぶりだし、たくさんのアーティストが集う音楽系のフェスに出演するのも今回が初めてなんです。
河瀬:確かにそうだね!
田野:今までは単独のライブで、TVシリーズが終わって時間が空いてしまっているので、『ゾンビランドサガ』やフランシュシュのことを知らない人もきっといると思うんです。
──まさに名前は聞いたことがあるけど、実際に観たことがない「伝説のアイドルグループ」みたいな。
田野:ライブがなかった間にアニメで知ってくれた方もいると思いますし。なので、アニメや音楽が好きなたくさんの方にフランシュシュの歌やパフォーマンスが届けられたらいいなと思っています。
河瀬:もしアウェーみたいな感じだったらどうしよう!? ドキドキ。
田中:そこは私たちのパフォーマンスで会場のお客さんを巻き込んじゃおうよ! フランシュシュが佐賀県の人たちを巻き込んでいったように。「何だろう? これ?……すごくない?」とか「カッコいい!」とか言ってもらえるくらい。
 
 
田野:あんなかわいい衣装でステージに出たと思ったら、いきなり激しくシャウトしたらみんな驚くだろうね。
田中:せっかく出演させていただいて何曲か歌わせてもらうので、みんなに好きになってもらえるように頑張ります。
──なんといっても「ステージの上からファンを魅了するのがアイドルです!」からね。
河瀬:それって純子のセリフですよね!?(笑)
──アニメでのライブシーンの盛り上がりのようにフェス映えする曲がたくさんあるし、パフォーマンスも激アツですからね。
河瀬:なのでレッスンも大変で……。
田中:今までのライブ前も全員そろって練習することが少ないし、できても時間が短かったり、集まれたら本番直前、ギリギリだったり。でもいつもリハーサルは楽しかったです。
──劇場版の収録が終わって、上映が始まった後にこのステージがあることで、また『ゾンビランドサガ』とフランシュシュが動き出した実感が湧くのでは?
河瀬:めちゃめちゃ湧くと思います。
田中:「リベンジ」の時はコロナ禍と重なってしまったため、ライブが延期したり、声出しが制限されたりしたので、お客さんが声を出せるライブも久しぶりかもしれない。
河瀬:絶対楽しいと思う!
田野:演出も楽しみだよね!
田中:このステージを観てから劇場版を観てくれるのも嬉しいけど、やっぱり劇場版で歌って踊っているフランシュシュがパフォーマンスするところを見てほしい!
河瀬:TVシリーズや劇場版を観て、『ANIMAX MUSIX』で観て、もう一度アニメで! とフランシュシュの歌唱や振り、パフォーマンスを何度も楽しんでください!
劇場版は『ゾンビランドサガ』を愛するみんなが再集結できる場所。“その先の夢”にも期待したい
──では最後に、劇場版を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。
田中:『ゾンビランドサガ』を観たことがない方は、完全オリジナルで原作もない未知の作品なので、少し気になったり、興味があってもなかなか一歩踏み出しにくいかもしれません。そんな方にこの劇場版は入口としてピッタリです! 劇場版だけ観てもちゃんと物語として成立しているし、アイドル+ゾンビという組み合わせのおもしろさがあるし、笑えるし、アクションもあって、最後は泣けてくる、そんな素敵な映画になっています。
また、TVシリーズは観ていたけど、『ゾンビランドサガ』を追っていなかったり、あまり覚えていない方にも観ていくと少しずつ記憶がよみがえってくる優しい映画です。
そして大好きなあなた、あの『ゾンビランドサガ』を映画の大スクリーンで観られる機会なんて、次にあるかわかりませんよ! 観ないで後悔するよりも、観て後悔しましょう(笑)……劇場版用の新曲もありますし、絶対満足させちゃいますよ。
お友達やご家族を誘って観てほしいし、この劇場版をきっかけに『ゾンビランドサガ』やフランシュシュのことを好きになってくれる人がいたらいいなと思っています。「リリィは人類みーんな大好きだよ♥ だってみーんながリリィを大好きなんだもん♥」
河瀬:『ゾンビランドサガ』ファンの方及びフランシュシュファンの皆さん、大変お待たせしました! 劇場版の収録が決まった時から「みんな、劇場版やるよ~!」と早く伝えたかったし、言いたくてたまりませんでした。劇場版の公開日が発表された時も「こんなすごい内容なんだよ!」と早く教えたくて。そんなもやもやを我慢してきたので、やっと劇場版を皆さんにお届けできるのが本当に嬉しいです。
そしてこの劇場版は『ゾンビランドサガ』を愛するみんなが集まれる良い機会だと思うので、いろいろな幸せを今かみしめています。皆さんの応援のおかげで、この劇場版が実現したと思っているし、とても感謝しています。でもどうせならみんなでもっと大きな夢を見てもいいんじゃないですか? 作中でフランシュシュが夢を実現してきたように、私たちと皆さんの愛と応援で、これから先も期待しています。「無敵 夢見るキモチ」です!
田野:皆さんと同じように私たちも「どんなお話になるんだろう?」と劇場版を待っていました。ワクワクもあるけど、見えないものを待つのは不安もあったと思います。でもそんな不安や我慢を乗り越えて劇場版を観てくれるみんなを初代総長として誇りに思っています。
映画の中で出会うフランシュシュや佐賀の人たちは私が思っていた以上に前向きで強くて、私に生きるエネルギーを与えてくれました。そしてこの映画を観ていると、いつの間にか自分も映画の中の佐賀にいるような不思議な感覚になって、心は佐賀県人になっていました(笑)。映画を観終わったら皆さんがどこにいても佐賀、「むしろ自分がいる場所が佐賀なんだ!」という気持ちになるはずです、きっと(笑)。
この映画はTVシリーズを観てくださった方が想いを乗せながら観られるけど、「2時間空いたからちょっと観てみようかな」と気軽に観ることもできます。冒頭からギャグやコメディなどで笑いながら、いつしか前のめりで観ていることでしょう。そしてTVシリーズが気になったらその後観てくれたら嬉しいです。
劇場に足を運んで『ゾンビランドサガ』そして佐賀人への第一歩を踏み出しましょう! 「お前らにホントの伝説を見せてやるよ! 夜露死苦~!」
