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松尾スズキ伝説の作品がリニューアル! 12年ぶり4度目の上演!阿部サダヲ、黒木華、岸井ゆきのら魅せる俳優が狂気の松尾ワールドに挑む!『ふくすけ 2024-歌舞伎町黙示録-』

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松尾スズキ伝説の作品がリニューアル! 12年ぶり4度目の上演!阿部サダヲ、黒木華、岸井ゆきのら魅せる俳優が狂気の松尾ワールドに挑む!『ふくすけ 2024-歌舞伎町黙示録-』

 1988年に劇団「大人計画」を旗揚げ、主宰として作・演出・出演を務めるほか、小説家・エッセイスト・脚本家・映画監督・俳優など多彩に活躍中である。舞台をあまりご覧にならない方たちには、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、ヒロイン・アキの母親である天野春子が若き日に(有村架純が演じている)、アルバイトしていた喫茶店のアイドル通のマスター役と言えば、その顔を思い出していただけるだろうか。とにかく多才の人で、1997年に『ファンキー! ~宇宙は見える所までしかない~』で岸田國士戯曲賞を、2008年の映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を、19年の『命、ギガ長ス』で読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞している。小説『クワイエットルームにようこそ』『老人賭博』『もう「はい」としか言えない』は芥川賞候補となった。20年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督に、23年より京都芸術大学舞台芸術研究センター教授に就任、という次第である。

『ふくすけ』は、松尾スズキが29歳のときに書いた戯曲で、薬剤被害により障がいを持った少年・フクスケをめぐり、さまざまな境遇の登場人物たちが、底深き悪意と情愛に突き動かされながら、必死にもがき生きる姿を毒々しくも力強く描いた、激しい人間ドラマである。ゆるいヒューマニズムを揶揄し〝悪〟もまた人の姿であることを圧倒的な筆力で描き出した傑作戯曲として知られる。松尾自身の演出により91年に悪人会議プロデュースとして初演、98年には松尾が悲劇をテーマに作品を創り上げる「日本総合悲劇協会」公演で再演、2012年にBunkamuraシアターコクーンで再々演されている。

 12年ぶり4度目の上演となる今公演では、台本をリニューアルし、フクスケが入院する病院の警備員コオロギと、盲目のその妻サカエ夫婦を主軸にすえている。それによって、「複雑すぎるストーリーに強めの芯が入った気がした」と松尾は語っている。そして、今を生きる観客を狂騒の世界に引き込む、哀しくも美しい怒涛の〝ダーク・エンタテインメント〟とも言うべき今作に、「今考えられる最高のキャストがそろった」と松尾が自信を見せる俳優たちを紹介しよう。

 主人公の怪しい警備員コオロギを演じるのは、これまでに『ふくすけ』に2度出演し、フクスケを演じた阿部サダヲ。今回は、阿部が『ふくすけ』を観たときに、松尾が演じていた役で、「やってみたい!」と思った念願の役である。今作のサブタイトルに〝歌舞伎町黙示録〟とあるように、舞台はカオスの街・歌舞伎町である。「今回、歌舞伎町の芝居を歌舞伎町でやることにも意味があると思う」と阿部は言う。その盲目の妻サカエを演じるのは、「松尾さんの作品に出られることがなにより嬉しい」という黒木華。阿部とは初共演で、「稽古場や本番での姿を、余す所なく見尽くしたい」と、俳優として、演劇ファンとしての新たな出会いを楽しんでいるようだ。

 また、過去の公演で温水洋一、阿部サダヲが演じた物語の鍵となる身体障がいを持ち長い間監禁されていた少年フクスケを演じるのは岸井ゆきの。岸井にとっての「松尾作品は、観る人を信じ、伝えることを諦めない世界」に、「勇気を持って飛び込んでいきたい」と意欲を見せた。

 精神のバランスを崩し行方不明になった妻を14年間探し続けているエスダヒデイチに荒川良々。自称ルポライターのタムラタモツには、今作で3度目の同役となる皆川猿時。妻を探すヒデイチの協力者となるホテトル嬢のフタバには松本穂香。食うや食わずの境遇から歌舞伎町の風俗産業で一発当て、裏社会で暗躍するコズマ三姉妹のヒロミに伊勢志摩、エツに猫背椿、ミツに宍戸美和公(不気味で怖そうでゾクゾクする)。コオロギの愛人チカに内田慈。見世物興行の団長に町田水城。フクスケが入院する病院のスガマ医師に河井克夫。新興宗教団体の顧問赤瀬川に菅原永二。コズマ三姉妹の部下蒲生にオクイシュージ。

 さらに、ヒデイチの妻で精神のバランスを崩して失踪したマスには秋山菜津子。松尾作品のミューズとしてその世界観を体現し、狂気に満ちた、周りを巻き込んで疾走していく女を見せてくれるに違いない。そして、松尾スズキは、フクスケを監禁していた製薬会社の御曹司ミスミミツヒコを演じる。中毒性をもたらす、魅力的な狂気のキャスティングである。

 松尾スズキの舞台作品に初参加となる黒木、岸井、松本、内田と、松尾作品の神髄を知り尽くしている阿部をはじめ、荒川、皆川らの大人計画の面々、そして現在の日本演劇界には欠かせない俳優の秋山が、いかなる化学反応を起こし、毒々しさで観る者を濃密な演劇世界に引きずり込んでくれるのか、楽しみにしている演劇ファンも多いに違いない。この夏、日本列島に松尾の毒が蔓延する。

COCOON PRODUCTION2024
ふくすけ 2024-歌舞伎町黙示録-
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、黒木 華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、
伊勢志摩、猫背 椿、宍戸美和公、内田 慈、町田水城、河井克夫、
菅原永二、オクイシュージ、松尾スズキ、秋山菜津子 ほか

<東京公演>
〔公演日程〕7月9日(火)~8月4日(日)
〔会場〕THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6F)
〔問〕Bunkamura03-3477-3244(10:00~18:00)

<京都公演>
〔公演日程〕8月9日(金)~8月15日(木)
〔会場〕ロームシアター京都メインホール
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~18:00※日・祝は休業)

<福岡公演>
〔公演日程〕8月23日(金)~8月26日(月)
〔会場〕キャナルシティ劇場
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~18:00※日・祝は休業)

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