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【県内の成長企業】県内企業として初の快挙 うぃるこ(新潟県長岡市)、国際ビジネスコンペ「CSIチャレンジ5」で優秀賞を受賞

にいがた経済新聞

「うちみたいな小さい会社は場違いだと思った」と振り返る山本麻希代表取締役

新潟県長岡市に拠点を置く株式会社うぃるこは、野生動物と人間の共存を目指して設立された鳥獣被害対策のコンサルティング会社である。鳥獣被害の深刻化に対応するため、17年前から啓発活動や人材育成を行ってきた、長岡技術科学大学准教授でもある山本麻希代表取締役(52歳)が、同大学発のベンチャー企業として起ち上げた。

同社は今年5月、特定非営利活動法人ARUN Seedが主催し、JICAが後援する生物多様性をテーマとしたグローバルビジネスコンペティション「第5回CSI(Cloud Social Investment)チャレンジ」に応募し、見事に優秀賞(第2位)を獲得した。同コンペで、新潟県の企業が入賞するのは初めてのことである。

世界中23カ国から64社が参加したなかで、応募企業の多くは農業関連事業を展開しており、そのほかにも廃プラスチックや海洋プラスチックの再利用、再生可能エネルギー、エシカルファッション、エコツーリズムなど多岐にわたる取り組みが見られた。日本からは6社が参加し、インドからは最も多い13社が応募している。いずれも、人と自然の共生社会の実現に向けた企業が集まった。

その中でも、同社が「獣害対策」という特化した分野で活動しており、農作物被害に留まらない、社会課題としての獣害の長年の啓発活動と、その解決に向けた専門的なアプローチが評価されたこととなる。はじめは任意団体としてスタートし、新潟県内を中心に10年以上にわたり実績を積み重ねてきた点が大きな強みとなった。

今後、山本代表取締役は、獣害対策を軸としながらも、本来里山が持つ循環型経済をとり戻し、エコツーリズムにも力を注いでいきたいと意欲を示す。その上で、里山にもきちんとお金が流れるシステムを創り出し、地域を活性化させることが、人口減少にあえぐ中山間地に活気を取り戻すための唯一の方法だとする。

同うぃることは別に、株式会社「未来里山技術機構」も設立した。今後ますます、持続可能な地域社会の構築とともに「野生動物と人間の共存」を目指して力を注いでいく。「応援してくれる人を探して、やっていこう」と、山本代表取締役は語る。

今回の受賞により、うぃるこのグローバルな認知度が一層高まり、さらなる活躍の場が増えることが期待されている。

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