トキ鉄展示機関車脱線の原因は人為的ミス 代表取締役が役員報酬自主返納
新潟県上越市のえちごトキめき鉄道は2024年10月8日、7月16日に直江津運転センター構内で発生した展示用ディーゼル機関車の脱線事故の原因は、車両移動を行った作業員らのポイント切り替えの確認不足による人為的ミスだったと発表した。同社は関係社員5人を厳重注意処分としたほか、平井隆志社長と藤山育郎専務の代表取締役2人が役員報酬30%を3か月間自主返納する。
事故は、7月16日午後4時過ぎ、同センター内の「直江津D51レールパーク」に展示していた機関車の車両点検のため運転士1人が乗車して動かしたところ、線路が分岐するポイントで脱線した。誘導員1人もいたが、いずれもけがはなく、列車運行に影響はなかった。
《画像:脱線したディーゼル機関車(2024年7月17日撮影)》
同社によると、事故後の調査で、作業にあたった運転士と誘導員が線路のポイントが切り替わっていると思い込み、未確認のまま機関車を動かしたことが原因と判明した。展示車両を移動させる際の明確なルールがなく、組織的な対応も不十分だった。
再発防止策として、ポイント切り替え作業のルール徹底、展示車両の移動など通常と異なる作業を行う場合のルール制定を行ったほか、事故が起きた毎月16日を「安全の日」に定め、社員教育として再発防止の意識付けを行う。
同社は10月7日付で、担当した運転士と誘導員、上司3人の計5人を、社内規程に基づき厳重注意処分とした。同社は「営業路線ではないとは言え、脱線事故は鉄道会社として絶対に起こしてはならない重大事案。多くの皆様に心配をおかけしたことから、代表取締役が報酬を自主返納するとともに、再発防止に努める」としている。