水 夏希、一色采子、舞羽美海、三林京子のメッセージが公開 藤間勘十郎文芸シリーズ 語りの世界 Vol.1『偐紫田舎源氏』東京公演
2024年6月21日(金)から大阪・近鉄アート館にて、藤間勘十郎文芸シリーズ 語りの世界Vol.1『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』が開幕した。7月19日(金)からは東京公演が浜離宮朝日ホール 小ホールにて開幕する。この度、出演者より東京公演にむけてメッセージが公開された。
『偐紫田舎源氏』とは、江戸後期に『源氏物語』のパロディとして柳亭種彦が書き下ろした作品。時代を室町時代に置き換え、光源氏にあたる光氏(みつうじ/将軍・足利義政の次男)が、敵対する山名宗全をおさえるため好色遍歴を装いながら、宗全が盗み隠していた足利家の宝を取り戻し、ついには宗全一味を滅ぼした後、将軍の後見役となって栄華を極める長編。
今作では長編の中から、歌舞伎でも上演された「義理の母・お藤の方との偽りの恋」と「黄昏と出会う古寺の場」の物語に焦点を当て、藤間勘十郎による構成・演出・音楽で歌舞伎様式の朗読劇として表現する。
東京公演では、水 夏希の光氏(お藤の方:二役)、舞羽美海の黄昏、三林京子の東雲、語り部として一色采子が出演。三味線・筝・鳴物・笛の生演奏のコラボによる“語りの世界”バージョンとして、歌舞伎の手法、早替わりやだんまり、怪談噺の手法も取り入れ、語りの挿絵のような世界観で描く。また、藤間勘十郎(苫舟)自らが三味線の演奏をするのも見どころのひとつとなっている。
出演者メッセージ
■水 夏希
大阪ではどうなることかとドキドキでしたが、素晴らしい演奏となかなか触れることの無い歌舞伎調の言い回しに戸惑った方もいらっしゃったかと思いますが、ご好評をいただきました!
私も思いがけない演出にとても貴重な経験をさせていただきました。
東京ではまた会場に合わせて新しい演出になるとの事!
ふ~ドキワクです!
是非江戸の庶民になった気分でお楽しみください!
■一色采子
「朗読劇」というのは、正解のないジャンルです。
いくつか「朗読劇」というものを演らせていただいたことがあります。もちろん、沢山の「朗読劇」を拝見していますが、二つとして同じ演出のものに出逢ったことがありません。
この程、古典芸能界の若き天才、藤間のご宗家が演出なさるという「朗読劇」に参加させていただきことになりました。各分野に精通なさったご宗家が、どんな演出をなさるのか興味深々。
ワタクシがそのご要望に応えられるのか戦々恐々。きっと古典の要素や様式を詰め込んだ、「玉手箱」のような舞台になるのでしょう!幼い頃から好きでお稽古してきたことが、少しは役に立つようにと願って挑みます。お立ち合いください。
■舞羽美海
大阪公演の初日は震える程の緊張感の中での演技でした。
語りの世界でお稽古期間が短い中でも御宗家の演出は、想像出来ないところからのアイディアや、いつもやりがいのある演出をいただけます。
観に来て下さった方々から、普段なかなか触れ合わないような上質な世界に感動して下さるお声が聞けて嬉しかったです。演者としてもとにかく生演奏が心地よくて、御一緒できる事が光栄です!!
東京公演は大阪公演とはまた違う演出でお届けする事になります。
是非肩の力を抜いて気楽に楽しんで下さい!
■三林京子
生の演奏で舞台を勤められる事の緊張感と喜びにあふれた作品です。
宗家の元で若い演奏家が真剣に奏でる音楽に助けられて、本当に幸せな作品に出逢う事ができました。
大阪公演を御覧になった方から『終わった瞬間にもう一度見たくなり、源氏物語を引っ張り出して、読み返す楽しみをいただいた』という感想をいただき、東京ではもっと楽しんでいただきたいと思う気持ちでいっぱいです。東京ではまた違った演出になるとの事、語りが一色采子さんに変わり、又新たなる世界が広がると思うと、わくわくどきどきしながら臨みたいと思っております。
日本の古典の世界をぜひご覧くださいませ。