人形劇サークルロロ 45年の活動に幕 高齢化理由最後の公演
大野南公民館(相模大野)を拠点に活動する「人形劇サークルロロ」が12月21日、同館で最後の公演を迎えた。設立から45年、コロナ禍やメンバーの高齢化を理由に活動を終えることとなった。
同サークルは1979年、南文化センター(現在は廃止)で行われていた人形劇講座の参加者によって結成された。7〜8人のメンバーで年に10回ほど、幼稚園や保育園、老人ホームなどで公演を行ってきた。市内だけでなく、厚木市や東京都羽村市でも声を掛けられれば足を運び披露していた。
コロナ禍の2020年以降は公演回数が減った。依頼があっても断っていたという。「もし病気に罹ったら」と活動を辞めることを考え始めた。高齢化もあり、大道具が持てなくなったり、人形のサイズも徐々に小さくしたりしていた。ただ、「コロナが収束したらまた活動したい」という思いもあり、人形や舞台の手入れは続けていた。
それでも継続は難しいと判断し、昨年で活動を終える予定で、依頼があっても断っていた。そのような中、同館の伊藤裕通さんから「少しでも良いので、来年の公演に出て欲しい」と依頼を受けた。メンバーで話し合い、「お世話になった場所への恩返しをしよう」と「最後の1回」と決めて、出演を決意した。「子ども向けボランティアで人形劇をやっているのは珍しい。もっと続けて欲しいと思っていた」と伊藤さんは話す。
人形や台本はメンバーが一から作っている。結成当初はお弁当持参で小さかった子どもたちを連れつつ、人形作りや劇の練習をしていたという。劇を観た子どもたちから手紙をもらったことも。「○○したら喜んでくれるかな」と考えるのがモチベーションだったそう。
セリフや動きをギリギリまで練りながら、最後の公演を迎えた。当日は会場が満席になるほど親子連れで賑わっていた。区内から訪れた母が元メンバーという女性は「終わってしまうのはしょうがないが、もっと続けて欲しかった」と寂しさをにじませた。
最後は「やぎさんのクリスマス」を上演。やぎたちが「ドレミの歌」を歌うと、子どもたちも楽しそうに口ずさんでいた。
公演後、メンバーは無事に終えられたことにホッとしたという。45年を振り返り代表の後藤幸子さんは「6人全員で元気に続けられて感謝」と話す。
なお、私用していた人形は市内のサークルや小学校に引き取られる。