「潮干狩りシーズンは特に要注意!」ノロウイルスの【症状・役立つアイテム・感染防止策】を徹底解説
読者の皆様はノロウイルスに感染した経験はあるだろうか。著者はこの度、人生で初めて感染を経験したのだが、かなりの劇症ぶりに相当なダメージを受けてしまった。今回は、ノロウイルスに罹患した著者の経験談と、その時に役立った物の他、家族への感染防止策についても詳しく紹介していきたい。
ノロウイルスの症状
まずはノロウイルスがどのようなウイルスなのかを紹介しよう。
症状
ノロウイルスは、下痢・嘔吐が主な症状で、発熱を伴うケースも多いウイルス性急性胃腸炎の1つだ。潜伏期間は1日~2日程度とされており、嘔吐や吐き気を催す症状が確認された後に水溶性下痢を発症する事が多い。その後、2日程度で回復に向かうとされている。
時期としては10月から4月に多いのだが、これは我々日本人が大好きな貝に由来すると考えられる。
どのように感染?
主な感染ルートは4つで、最も多いのが加熱不十分な物からの経口感染だ。さらに、感染者の吐瀉物・糞便に触れたことによる接触感染、ウイルスが含まれた吐瀉物の飛沫を吸い込む飛沫感染、乾燥した吐瀉物・糞便が乾燥して空気中に漂ったものを吸い込む空気感染がある。
多くの二枚貝にリスク
ノロウイルスと言えば牡蠣、と言っていいほど、牡蠣からの感染が圧倒的に多いとされている。先述したノロの流行期が、牡蠣シーズンとピッタリ重なる事からも明らかだろう。
また、あまり知られていないがアサリ・ハマグリにも同様のリスクがある。これらの貝は基本的に加熱して食すために、表面化しにくいだけなのだ。そのためこれから訪れる潮干狩りシーズン中も、二枚貝の加熱処理はしっかりと行うべきと心得たい。
罹患した経験談
ではここからは、4月初旬に罹患してしまった著者の体験談を紹介していきたい。大変辛いものだったが、読者の皆様の参考になれば幸いだ。
まず家族が感染
息子の春休みという事もあり、お義母さんが遠方から遊びに来ていた。嫁さんが仕事で不在の為、著者はお義母さんの大好物である焼き牡蠣を振舞うべく、スーパーで殻付き牡蠣を購入。
いつも自身が食べる時と同様に、自宅の魚焼きグリル(上火タイプ)で焼いた。殻が開いた後も入念に5分程度焼いてから一緒に食したが、このうちお義母さんが食した1個だけ「これ生焼けかも?」という物があったのだ。
お義母さんは既に口に運んでいたものの、もう一度焼き直せば大丈夫だろうという事で改めて焼き直し、その後は普通に食事を楽しんだ。すると翌日の晩から、お義母さんにノロの症状が出てしまったのだ。
翌日、胃に不快感
さらにその1日後/カキを食してから3日目の夜中、著者は就寝前に胃に不快感を覚えた。胃袋が膨張するような、胸やけのような症状だ。あまり体験したことが無いような感覚であり、イヤな予感がしたので、一先ずは水を飲んで就寝したのだが……。
恐ろしいレベルの上げ下し
明け方、急に胃に不快感がこみ上げてきた事で目を覚ました著者は、「なんかヤバイ」と感じてトイレに直行。するとまるでマーライオンの如く、口から止めどなく吐瀉物が溢れたのだ。
さらには凄まじい勢いで下痢(完全な水)も始まり、10分~30分に1度トイレへと足を運ぶ羽目に。胃酸が定期的にこみ上げてくるため、喉と食道は凄まじい不快感が常にある状態だ。
さらには胃と腸の不快感・吐き気も尋常ではなく、共に人生で経験したことのないレベルだった。正直、洗浄トイレのありがたみを人生で一番痛感したかもしれない。
発熱、頭痛
トイレが落ち着いた隙に体温を計測すると、37.2度の発熱。著者は平熱が低めでそれほど高熱が出るタイプではないのだが、それでも最終的に37.6度まで上昇した。
ちなみに、入れ替わりで体調が回復し始めていたお義母さんは、最高38.1度まで上昇したそうだ。著者の場合は特に上げ下しがひどかったせいか、常時頭痛にも悩まされた上に目も回り、ピークのタイミングでは立っていられない状態だった。当然仕事は休む羽目になり、ひたすら自室で寝るかトイレにいるか……という1日となった。
飲み物すら飲めない!
最もキツイと感じたのは、お茶や水どころか、スポーツドリンクやリンゴジュース等も一切受け付けてくれず、胃に入った瞬間に「マーライオンが発動」するかの如く吐いてしまうのだ。結果著者は一時的に脱水症状に陥り、尿の色が赤茶けた色に。先述した「立っていられない状態」もおそらくこれに該当する。
そこで急遽、嫁さんに頼んで経口補水液を沢山買ってきてもらい、ゆっくり飲んでみると、幸いこれだけは体が受け付けてくれた。
緩和へ
丸1日続いた症状……いや劇症は、牡蠣を食してから5日目の昼頃にようやく緩和した。いや、出るものが無くなったのかもしれない。ここからは経口補水ゼリーを口に運び、その後梅干を添えたお粥を試しに食べてみて、時間を空けてから柔らかいうどん、という順に食べ進めて様子を見た。
胃に不快感は残るものの、6日目には消化の良い通常食を食べられるようになり、翌朝には多少違和感がありながら、大好きなブラックコーヒーもなんとか飲めるようになった。
役立った物と感染防止策
最後に、著者が感染した際に役立ったものと、著者が行った家族への感染防止策を紹介しよう。
経口補水液は神
正直感染するまでは「スポーツドリンクがあればなんとかなる」と思っていたのだが、ここまで胃が受け付けてくれなくなる事は完全に予想外だった。経口補水液だけは、喉に一切の抵抗が無く摂取しやすいだけでなく、少しずつ飲めば吐き気を催す事が無かったのだ。誇張ではなく、点滴や入院を回避出来たのは、早めの経口補水液のおかげだと思われる。
毛布と冷却シート
発熱中は体温調整が上手くいかず、室内気温が23度近くあっても寒く感じた。寒さ対策の毛布はありがたかったし、著者の場合はひどい頭痛対策として額に貼るタイプの冷却シートも役立った。
トイレ掃除はマメに
部屋を隔離しても、1軒の家に住んでいる以上、トイレが共用となる事実は避けて通れない。著者は家族に移したくない一心で、嘔吐や下痢をした後、毎回必ず便座内部をトイレ洗剤で掃除しておいた。その掃除の為に再度吐いてしまう事もあり、大変辛い所だったが、嫁さんや息子が倒れる方がもっと辛いので何とかガマンできた。
タオル・洗濯を別にする
歯磨き・手洗い等、頻繁に使用する事になるのが洗面所のタオルだ。少し離れた場所に専用のタオルを用意しておき、そちらを使用する事で、家族が使用する物と分けた形だ。さらに、著者やお義母さんが使用した衣服やタオルは、家族の物と分けて洗濯してもらった。
風呂は最後に
最後に風呂だが、入らないと衛生的に良くない為、めまいや吐き気が落ち着いているタイミングで入浴することにした。勿論家族全員が入浴した後、著者は最後だ。初日はシャワーのみで、2日目は熱が下がっていたので浴槽に浸かったのだが、しっかり掃除してから出るようにした。こうして無事に回復したのだが、結果、嫁さんと息子は感染せず済んだのだ。
潮干狩りシーズンも要注意!
著者はこれまでの人生でちょくちょく急性胃腸炎に罹患してきたが、ノロウイルスのピーク時の症状は、著者の「食あたり史上トップ3」に間違いなく入る辛さだった。加熱用牡蠣を食す際、ほんの少しでも「生焼けかな?」と感じたなら、食べるのを即中止すべきだと実感した次第だ。
これからは潮干狩りのゴールデンシーズンに突入するが、先述したようにアサリやハマグリにもノロウイルスのリスクがある。食す際は十分に加熱し、くれぐれも注意していただきたい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>