災害に備えて“真っ先にそろえておくべき”「3つのもの」#防災士に聞く
いつ起こるかわからない自然災害。自分や大切な人の身を守るための準備はできていますか? いざというときに慌てないためにも、事前準備がとても大切です。今回は、料理研究家であり、防災士の資格をもつ島本美由紀さんに「災害時に備えてそろえておくべき3つのもの」を教えていただきました。
教えてくれたのは……島本美由紀さん
料理研究家・食品ロス削減アドバイザー・防災士。旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、誰もがマネできるカンタンで楽しい暮らしのアイデアを提案。親しみのある明るい人柄で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。「野菜保存のアイデア帖(パイ インターナショナル)」など、著書は80冊を超える。
『もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖』(パイ インターナショナル)
著者:島本美由紀
定価:1430円(税込)
災害時のために真っ先にそろえておくべき「3つもの」
「防災用に準備するもの」と聞くと、多くの方が備蓄食材を思い浮かべるかもしれませんが、食材を準備する前にそろえておくべきものが3つあります。
1.「トイレの確保」
2.「カセットコンロ」
3.「ガスボンベ」
なぜ重要なのか、そのポイントをそれぞれご紹介します。
簡易トイレを備蓄して「トイレを確保」
トイレの確保が重要な理由は、人は「食事をしたらトイレに行きたくなる」と思ってしまうと、食事をしたいという気持ちがわかなくなる可能性があるからです。トイレを確保するために、トイレ凝固剤などの簡易トイレを必ず常備しておきましょう。
ひとりあたり1日8回分(8袋)×1週間の備蓄が目安です。
食事をおいしくとるための「カセットコンロ&ボンベ」
停電などで調理器具が使えなくなった場合、食事をおいしくとるためにも「カセットコンロ」と「ガスボンベ」が必要です。この2つがないと、レトルト食品などをたくさんそろえていたとしても、調理ができなくなってしまうからです。
災害時は温かいものを食べると心が落ち着くので、熱源を確保するための必需品だと覚えておいてくださいね。
普段から使い慣れておくことが重要!
過去の大地震では、ボンベが正しく設置されていなかったり、コンロとボンベをつなぐ部分にヒビが入っていたりすることが原因で、ガス漏れによる事故が多かったと聞いています。
そのため、日常的にカセットコンロの使い方に慣れておくことが重要です。年に一度でも構わないので、カセットコンロを使って料理をする日を設けることをおすすめします。このときに、家族で使い方を共有しておいてくださいね。
カセットコンロ&ボンベの正しい使い方「4つのポイント」
いざというときに事故が起きないように、正しい使い方を知っておきましょう。
1.カセットコンロの寿命は10年
寿命を知らずに使い続けていると、ガス漏れなどの原因になるので気をつけましょう。製造年月日は、カセットコンロの側面などに貼りつけられています。
2.ボンベの寿命は7年
ボンベの缶の底に製造日が書かれているのでチェックして使い切りましょう。棚などの落下しやすい場所や高温多湿、直射日光を避けて保管することも大切です。
使用後はカセットコンロから外して、必ずキャップをしてください。
3.同じメーカーのものを使用する
異なるメーカーのものを装着すると、ガス漏れが生じて火災の原因になります。カセットコンロとボンベは同じメーカーのものを使用しましょう。
4.ボンベの備蓄の目安
ボンベ1本の燃焼時間は約60分~90分です。ストックが少なかった場合、ガスがなくなるかもしれないという不安から使用を控えがちになってしまいます。お米を炊くなどで長時間使うことを考えると、普段から4~5本はストックしておくことをおすすめします。
必要なものを準備することはもちろん、使い方や注意点などの知識を身につけておくことも大切です。もしものときのために「できること」を備えておいてくださいね。
shukana/webライター