三島市が4部門で全国トップ 県内自治体のメルカリ“先駆者” よく売れるアイテムは……
■全国50以上の自治体が利用「メルカリShops」 2024年は三島市が“4冠”
フリーマーケットサイト「メルカリShops」を利用する自治体が全国的に増えている。静岡県で初めてメルカリの活用を始めた三島市は昨年、年間販売数など4部門で全国の自治体トップとなった。出品すると、すぐに購入者が決まる人気のアイテムもある。
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メルカリShopsはスマートフォン1つで簡単にネットショップを開設できるプラットフォームで、誰でも商品を販売できるサービス。自治体による販売は2021年11月、岩手県山田町が統廃合となった学校の備品を出品したことから始まった。参加自治体は年々増加し、現在は全国50以上に広がっている。
昨年の自治体によるアイテム販売数は5514品で、売上は約1150万円に上った。中でも、存在感を示しているのが三島市だ。販売額は146万円で、全国で唯一100万円を超えた。6位だった前年の33万5000円から大きく数字を伸ばしている。
さらに、販売数(1069品)、フォロワー数(6510人)、商品へのいいね数(2735)と計4つの部門で1位を獲得した。三島市の豊岡武士市長は「職員の努力のおかげです。出品による直接的な経済効果は大きくありませんが、焼却炉や最終処分場の延命につながり、市民が物を大切にする意識醸成にもなったと思います」と話した。
■子ども用品や家具が人気 数万円で販売されるアイテムも
三島市は2023年9月に静岡県内で初めて、全国の自治体では7番目にメルカリへの出品を開始した。おもちゃや楽器、スポーツ用品など幅広く、まだ使えるアイテムが揃う。大半が500円から2000円ほどの価格設定となっているが、餅つき用の臼と杵のセットが2万円、ギターは3万円で売れた実績もある。
人気が高いのは、おもちゃなどの子ども用品と椅子やテーブルといった家具。1つ500円で出品されるカラーボックスは、すぐに売れるという。
販売額を含めて自治体“4冠”を達成した三島市だが、メルカリで収益化を目指しているわけではない。実際、出品には人件費などがかかるため、赤字になっている。ただ、粗大ごみを減らすことでごみを減らし、残余容量がひっ迫している最終処分場への利用を減少させる効果がある。
また、三島市の取り組みが先駆けとなって、県内の自治体にも動きが広がっている。現在は裾野市や河津町などもメルカリShopsを開設している。三島市がトップだった販売数では、共同で進めている掛川市と菊川市が3位に入っている。
(SHIZUOKA Life編集部)