じゅわっ、プチプチのみずみずしさ!季節限定、丸ごとフルーツの贅沢ロールケーキ
まだ残暑が厳しいけれど、これから深まっていく豊かな実りの季節を予感させる秋の始まり。そんなシーズンにぴったりなのが、こちらの「まるごといちじくロール」。めいっぱい顔を見せるいちじくの果実の赤紫色の断面がインパクト大! 中に、旬のいちじくを合計でまるごと3個分、ワイルドに巻いています。
そんないちじくと人間の関わりの歴史は長く、古代人も紀元前から食していました。旧約聖書に出てくるアダムとイブの物語にも「禁断の果実」、そして「知恵の木の実」として登場します。そんな背景もあって、私の中では、ちょっと大人向けの高貴なフルーツというイメージ。奥行きのある香りがなんともいえず、成長するにつれて好きになりました。
しかも、体内の余分な塩分を輩出する働きのあるカリウムや、水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれ、腸内環境を整える働きもあるというすぐれものなのも嬉しいところです。
このロールケーキを生み出した「メープルハウス」は、建設会社に務めていた創業者の鍋島盛雄氏が脱サラして喫茶店を経営したいと決意し、地元の老舗フルーツパーラーでの修業を経て、1986年に金沢で開業。今では金沢市内を中心に、レストラン、カフェ、スイーツショップを複数展開し、2代目が社長業を継承しています。
フルーツが大好きだという創業者が、特に大好物であるいちじくを使ったケーキを作りたいと思い立ち、完成させたというだけあり、とにかくいちじくの魅力を満喫できること間違いなし!
薄手のスポンジ生地に、多すぎず程よい量のクリームを塗って、どこを切っても断面が見えるよう、いちじくの並べ方も工夫。また、外側の皮をむかずにそのまま残しているので、皮の一層も断面の色彩のコントラストをなし、口にすると、パツンとした食感ととろけるような中身の対比とも醍醐味。そして、あの不思議なプチプチ食感と共に、じゅわっとやわらかな果汁と芳醇な香りが口の中いっぱいに広がります。
いちじくは、漢字で「無花果」と書きますが、花が咲かないのではなく、外から見えないだけ。実は、私達が「実」と思って食べているのは、小さな花の集まりを包んでふくらんだ、「花托(かたく)」と呼ばれる部分です。プチプチ食感は種ではなく、中で白い花が咲いた跡だそう。花を丸ごと食べていると思うと、何だかちょっとロマンチックでもありますね。
紅茶との相性抜群ですが、もちろん、コーヒーや日本茶ともよく合います。毎年、5月下旬から10月中旬頃の季節限定販売。ただ、気候の影響などで早く終了する場合もあるので、気になる方はどうぞお早目に!
商品名:まるごといちじくロール
販売:メープルハウス
文:お取り寄せの達人:平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)