佐藤区長が「ふれ愛トーク」 対話で東本郷の課題共有 「朝ごはんを食べる会」訪問
緑区長が区内で活動する団体を訪問し、活動を通じて得られた地域課題などの情報交換を行う「緑区『ふれ愛トーク』」が1月24日、東本郷自治会館で実施された。佐藤康博区長が訪問し、同館内で活動する「朝ごはんを食べる会」(高林綾子代表)のメンバーたちと交流を深めた。
寄付された食材生かし
同会は、地域の子どもたちへの学習支援活動などに取り組む高林代表らが発足。2022年7月から毎週金曜、午前7時から8時30分まで、同館内で小中学生に無料で朝食を提供している。
高林代表によると、メンバーは現在8人。緑区社会福祉協議会や地域の自治会などを通じて寄付された食材を使い、メンバーたちが午前5時30分前には同館で朝食づくりを始めるという。
発足のきっかけは「朝ご飯を食べない子どもが多い」という近隣の小中学校の教諭からの声だった。高林代表らは、子どもたちの健全な食生活を支援することのほか、地域内での居場所提供などを通じ「自立した子どもを育てること」を目的に同会を立ち上げたという。
同会によると発足当初、朝食を食べに訪れる子どもは10人にも満たなかった。ただ地域に認知が広がるにつれ、次第に来場者が増加。現在では毎週35〜40人ほどが訪れる。ふれ愛トークが実施された当日は、小学生を中心に約50人が朝食を楽しんだ。
もっと子どもの居場所を
ふれ愛トークでは、同会のメンバーたちと佐藤区長が朝食やケーキなどを食べながら会談。メンバーは「中学生になるほど、朝ご飯を食べない人が多くなる」「朝食を食べないことで学校内でイライラし、粗暴になってしまう子もいる」など、子どもたちを取り巻く「食」や健康に関する課題などを区長に伝えた。
「子どもにとって、自分の親以外に地域で気に掛けてくれる人がいてくれるのは良いですね」と佐藤区長。「話してもしょうがないと思ってしまったら、その先には進めなくなる。こうして話をすることで、課題解決に向けた知恵や工夫のためのアイデアが出ることもある。行政も活動をバックアップしていかなければという気持ちが強くなった」と語った。
東本郷に25年ほど暮らしているという高林代表は「東本郷は区内でも端にあり『行政が遠い』という印象。区長がこの地域のことを見て、話を聞いてくださってうれしい」としたほか、「区役所の方々には、東本郷にもう少し子どもの居場所を確保してほしいとお願いしたい」と話していた。