大竹まこと「う~ん、どうしましょう」サイバーセキュリティの解説に思わず苦悩?
お笑いタレント、大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) が7月26日に放送され、ハヤカワ新書から発売中の『サイバースペースの地政学』を著した、慶應義塾大学SFC研究所上席所員の小宮山功一朗さんが登場。壇蜜のピンチヒッター、青木理氏とともに本の内容について伺った。
大竹「今回は、小宮山さんと軍事研究家の小泉さんの共著で『サイバースペースの地政学』。う~ん、どうしましょう? ご本人もどこを話せばいいんですか、みたいなことをおっしゃってましたけど、まずサイバーセキュリティってだいたいどのあたりを指すんですか?」
小宮山「例えば、皆さんスマホに写真を撮られてますし、LINEとかに大事な消したくないメッセージもたくさんあると思います。それは、お持ちの携帯電話が水没したとしても、どこかにバックアップが取ってありますよね。サイバースペースには「データセンター」と言われる、皆さんのデータを安全に管理する大きな金庫のような場所があって、この本では、雲の上にあるような、霞のようなサイバー空間は、実は霞でもなんでもなくて、実際に大きな装置がたくさんあり、それで初めて写真撮ったりLINEしたり通信できてるんだっていうことを言うための旅に出たんです」
大竹「逆にデータボックスがそこにあるってことは、いろんなところからもアクセスできてしまうっていう意味合いですか?」
小宮山「そうですね。外国のスパイが企業の知的財産を狙ってサイバー攻撃を仕掛けているのは、本当に日々起きている話ですし、今もロシアのハッカーグループが非常にしつこい攻撃をしてきてますね」
大竹「ということは、メール等のメッセージとかいろんなデータを、もうちょっとしっかり管理した方がいいんじゃないかっていう話につながりますか?」
小宮山「そうですね。でも世界のトップのハッカーに狙われたら時間の問題で、私のメールも多分すぐ盗まれてしまうと思います。もちろん大竹さんが自分の力で守るのは無理だと思います。ですので、守れる専門家をちゃんと育てて、自分でやろうと思わず、そういう人に任せて管理してもらう風になってほしいですね」
青木「僕らはサイバースペースとかネットっていうと、手につかめるものではない一つの亜空間があって、その中で世界中がほとんどフラットに情報交換できるようになっていて、それが僕らの身体性みたいなものを拡張してきた、みたいな印象を持ってたんだけど、この本を読むと、今おっしゃったデータセンターとか、海底ケーブルで結ばれてるわけですよ。それ考えると、サイバー空間って意外と実存物で繋がれていて、実存物で維持されているというのが、この本の一つのテーマなんだなということがよくわかりました」
小宮山「それは私自身のキャリアともちょっと関係しています。大学卒業したあとITエンジニアとして働き出して、響きとしてはちょっとキラキラしたところはありますけれども、実際には床を剥がして、その下にケーブルを這わすとか、電源ケーブルをうまく束にするとか、そういうところから始まる仕事をしてたので、本当にサイバーは実体があるというのは、社会人一年目に叩き込まれました」
大竹「ただ、日本のサイバーセキュリティは、カナダとかアメリカとか、よその国に比べると、ずいぶん脆弱だとおっしゃっていますね」
小宮山「やっぱり島国ですし、攻め込まれるリスクもそんなにないですし、もともと水と安全はタダという認識がなんとなく社会に共有されているので、こういう表現で正しいかは分からないのですが、これまではガツガツとしたサイバーセキュリティ対策してこなかったんですよね。アメリカとかイギリスとかは、やられる前にやるではないですけれど、事前にサイバー攻撃を自分たちが仕掛けるみたいなことまで今やりだしている状況なので、それに比べると、やっぱり日本はちょっと周回遅れになっているところはありますね」
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