二宮町 相州わかなご寄席 町民がつくる落語会 「推し活」高じて主催
二宮町在住の佐野文則さん、厚子さんと中澤佳樹さん、龍子さんの落語好きな夫婦2組で立ち上げた「相州わかなご席亭会」が町内で落語会を開催している。9月14日に町民センターの老人クラブ室で開催された第2回には、106人が来場し満員に。同会メンバーの「推し」でもある桂銀治さんが『代り目』『粗忽の使者』を披露し笑いを誘った。
若手芸人が立派に出世するようにと、かつて二宮でも漁獲されていたという出世魚のブリにちなんで「わかなご(若魚子)」と名付けられた同会。今年3月に立ち上げ、二宮町の町民活動推進補助金を活用し活動している。
発足のきっかけは、桂銀治さんの落語に同会メンバーがほれ込んだことから。「初めて見たのは昨秋、銀治さんが二ツ目に昇進するというタイミングだった。上手いなと衝撃を受け、SNSで感想を伝え、昇進祝の寄席にも足を運んだ」と文則さん。
落語に打ち込む熱心な人柄にも惹かれ、多くの人に落語の魅力や銀治さんのことを知って欲しいと、地元二宮で席亭会を立ち上げた。3月に実施した同会の開席記念公演にも銀治さんは出演し、満員御礼。厚子さんは「落語を見に都内まで足を運んでいましたが、行き帰りで疲れてしまうことも。地元開催なら、お年寄りや子どもたちも気軽に見られるし、落語のあとに家に帰ってゆっくりお茶を飲んでおもしろかったねと振り返れる。席亭会の活動は究極の推し活です」と笑う。
観客として足を運ぶことはあっても、寄席を運営する知識はゼロ。設置された高座は、ビールケースに板を敷いた手作りだ。文則さんは「1回目の開催時には、自宅からそれっぽい座布団を持ち込んで間に合わせた。手作りの寄席ですが、だからこそ気軽に町民の皆さんに楽しんでもらいたい」と笑う。今回から地元ふとん店「原鉄」に依頼して作った専用の座布団で噺家を迎えている。
次回は25年3月29日に予定しているという。詳細は同会のフェイスブック、インスタグラム。