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B'z / ユーミン / くるりも参加【TM NETWORK】愛にあふれたトリビュートアルバム!

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2024年05月15日 TM NETWORKのトリビュートアルバム「TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-」発売日

錚々たるメンバーによるTMトリビュートアルバムの誕生


2024年5月15日、『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』がリリースされた。当初はFANKS(TMファン)たちから “トリビュートってどうなの?” という声も上がっていたが、参加アーティストの名前が発表されると一気にネットがざわついた。

それもそのはず、参加メンバーはCAPSULE、GRe4N BOYZ、くるり、坂本美雨、澤野弘之 feat. SennaRin、西川貴教、乃木坂46、B’z、ヒャダイン with DJ KOO、松任谷由実 with SKYE、満島ひかりという錚々たる顔ぶれ。これだけ豪華なメンバーたちがどんなアレンジを施し、どんな曲に生まれ変わるのか、その期待に胸を膨らませている人も多かったはずだ。

すべての曲について語りたい! …ところだが、スペース的にとてもじゃないけれど語り尽くせそうにない。そこで今回は、そんなトリビュートアルバムの中から、印象に残った曲をいくつかピックアップしたい。

大注目!松任谷由実 with SKYEの「Human System」


前述した通り、リリース前から各アーティストに注目が集まっていたが、個人的に最も注目していたのが、松任谷由実 with SKYEの「Human System」だった。日本の音楽シーンを引っ張ってきたアーティストたちによる「Human System」。鈴木茂(ギター)、小原礼(ベース)、林立夫(ドラムス)、松任谷正隆(キーボード)の4人によるバンド、SKYE(スカイ)とユーミンによって、この曲がどんな化学反応を起こし新しい世界を見せてくれるのか…。こんな風にドキドキしながらアルバムを聴くのは久しぶりだった。

聴いた瞬間、「おぉぉ、そうきたか…」と思わずニヤリ。想像していた世界を良い意味で裏切ってきた、さすがユーミン!さすがSKYE! TMの「Human System」が憂いとせつなさを漂わせる曲だったのに対し、松任谷由実 with SKYEバージョンは力強く、明るい未来を見据えた希望に満ちた世界を描いているように感じられた。こんな新解釈ができるのかと心底驚き、また同じ曲でもこんなにも曲のイメージが変わるのかと、音楽の持つ力に感動した。奥行きのある生音の迫力は大人の「Human System」を見せてくれているようだった。

“B'zらしさ” と “今の時代の匂い” が絶妙にMIXされた「Get Wild」


そして「Get Wild」をB'zが演奏すると聞けばそりゃ、ボルテージだって上がるというもの。いわずもがな、ギターの松本孝弘は80年代のTM NETWORKのライブには欠かすことのできないサポートメンバー。演奏以外でもTMのラジオ番組『SF Rock Station』(東海ラジオ)に準レギュラーのようにボーカル・宇都宮隆と仲良く出演、楽しいトークを展開してもいた。当時のFANKSの間では、松本はいつまでも “まっちゃん” であり、TMのファンクラブの会報の中に “松本がB'zとしてデビューする” というチラシが入っていたことも、昨日のことのように覚えている。いわばTMファミリーの1人といっていいアーティストだ。

そんな松本とボーカルの稲葉浩志が、まさか「Get Wild」をカバーする日がくるなんて!曲は “B'zらしさ” と “今の時代の匂い” が絶妙にMIXされたロックチューン。艶っぽい稲葉の歌声も、松本の迫力のギターもいつも以上に熱を帯びているように感じられた。曲の詳細が少しずつ流れ始めた頃、ファンの間でざわついたのが、アレンジの欄に松本と共に中田ヤスタカの名前が並んでいたこと。彼は、CAPSULE としてアルバム2曲目の「Self Control(方舟に曳かれて)」をカバーしており、今回、TM NETWORKを代表する2曲を中田が手掛けたことになる。

心奪われた愛溢れる楽曲たち


本作で、個人的に最も心奪われた曲が、くるりの「STILL LOVE HER (失われた風景)」と満島ひかり 「ELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)」だ。

「STILL LOVE HER(失われた風景)」のイントロでメロディーラインを奏でるのがなんと打楽器!(マリンバのサンプリングだろうか?)。この音色は温かくて優しくて斬新だった。そして、岸田繁のぬくもりや冷静さが絶妙に混ざり合った歌声も素晴らしい。こういう愛ある曲に出会った瞬間に、音楽の素晴らしさを痛感する。この世界観はくるりならではであり、くるりにしか生み出せないものだ。曲がラストに近づくにつれ “えっ!” という仕掛けがある。この部分については、まだ聴いていない人にはぜひ自分の耳で感じてほしい。きっと笑顔になるはずだから。くるりの愛を、心いっぱいに感じたまさに名カバー曲だった。

作品の最後を飾った満島ひかり「ELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)」。この曲についてはどれだけ語っても語り尽くせないほど魅了された。曲を手にして以来、ずっとリピート状態にある。オルゴールを彷彿とさせる優しい音色から始まる “エレプロ” 。満島の語りかけるような、ささやくようななんともいえない歌声が心に沁みる。表現力が必要とされるTMの難曲をこんなにも見事に歌い上げた音楽センスが光る。彼女自身がこの曲をしっかりと自分のものとしており、満島の音楽世界が目の前に広がっていた。

今回のトリビュートアルバムの素晴らしさは、全ての曲、全参加アーティストからTM NETWORK愛が溢れているところにある。どのアーティストも皆、TMの音楽が大好きで、リスベクトを持って音楽を楽しんでいるのが伝わってきた。愛に包まれた素晴らしい作品だ。

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