【川崎市川崎区】FM大師1周年 地域への浸透実感 好調維持し、さらに飛躍を
川崎区のコミュニティーFM放送局・FM大師が、9月30日で1周年を迎えた。「川崎区を元気に」との思いで開局し、地域密着の放送を続けて、着々とリスナーとの交流や提供番組数を増やしている。これまでの活動や今後の展望を取材した。
「まずは認知してもらうことが目標でした」。清水曉代表は開局当初を振り返る。福祉事業を営みながらの初めての挑戦で、まずは放送を継続することや、季刊発行のマガジン「ClubDA!SH!(ダッシュ)」を発行し続けることなどを掲げた。川崎区在住・在勤を条件に募集したパーソナリティーは、1年前は発声方法もミキサーの使い方もわからない未経験者ばかりだった。
結果、まちの人から「毎日聴いているよ」と声を掛けられるようになり、手応えを実感。1周年の日には、1時間に3〜4本も読むほどお祝いのメールが届いたという。「県外で聴いている人が帰省の度にお土産を買ってきてくれることもあって、すごく嬉しい」と妻で局長の成美さんは喜びを語る。
提供番組4倍
右肩上がりの状況は数字にも表れている。スポンサーからの提供番組は開局当初3番組だったのが、現在は12番組と4倍の数に。番組の合間に流れるCMも当初の5本から11本と、倍以上に増えている。
民間企業との連携では、川崎駅周辺などで開催される秋の10イベント「フェスティバルなかわさき」の実行委員に名を連ね、各イベントでリポートなどを実施。イベントの盛り上げに一役買っている。
災害への対応も
ラジオにとって欠かせない災害情報の発信にも余念がない。7月30日に発生したカムチャツカ半島付近での地震の際には、津波注意報が解除されるまでの間、時間を延長して放送を継続。万が一の事態に備えた態勢を取った。現在、川崎区役所とは特別警報が発令された際に、パーソナリティーを区役所に派遣して即座に情報を発信できるよう、協定を結ぶ段取りを進めている。
さらなる「元気」のために
とはいえ、まだまだ道半ばの同局。次なる目標には、現在午前9時〜午後6時までの放送を、午前7時〜午後10時まで拡大することを掲げる。ほかにも、川崎には沖縄にゆかりのある人が多いことから、沖縄の番組とのコラボなども思案している。「単に番組を作って終わりではなく、情報や人がしっかりと循環して『元気』が生まれるように、今後も努力を重ねていきたい」と清水代表は展望を語った。