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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ビフ役、ファンからの「よくある質問」に全回答カードを用意 ─ 「お気に入りはPART3だ」

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズはトリロジー完結から長い年月が経過しても、世界中のファンを魅了し続けている。しかし、ファンへの影響力の大きさが、キャストを困らせてしまうことにもなっていたようで……。

トム・ウィルソンが演じたビフ・タネンはシリーズを通した悪役キャラで、非常に印象深い存在だ。ウィルソンはキャリアのスタートであったスタンダップ・コメディに2000年代から軸足を戻しているが、ファンたちから『バック・トゥ・ザ・フューチャー』について質問されることがあまりに多かったのだそう。さすがに一時期は飽き飽きしてしまったようで、2006年には「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズについていつまでも質問される自分」をスタンダップ・コメディのとして披露している。

「俺の名前も尋ねずに、いつも同じ質問をしてくるんだ。『マイケル・J・フォックスってどんな人?』『いいやつだよ』その質問をやめてくれ!」「『あの肥料って本物?』『違うよ、あれは映画だから』その質問をやめてくれ!」と、切実な叫びを軽快なメロディとギターに乗せるギャップが笑いを誘う。

また、2012年頃には、よくある質問への回答をあらかじめビッシリ書き連ねたを、ファンに手渡すというユーモラスな手段も取っていた。

「マイケル・J・フォックスはいいやつだ」「ホバーボードは実際には飛んでいない」「彼らとは今は連絡を取りあっていない」など、これまでに幾度も投げかけられたであろう質問にそっくり答え、「時間の節約にと、このカードの必要性を感じた」と先手を打ったウィルソン。しかし、シリーズが「文化的な試金石」となり得たこと、「一緒に仕事した仲間に最高の信頼を寄せている」と、確固たるリスペクトを示している。現在はスタンダップ・コメディアンや画家の活動に重きを置いていると、自分のスタンスも穏やかに表明しているところに、ウィルソンのユーモアとジェントルマンシップを感じる。以下がカードの全文だ。

「俺はトム・ウィルソンだ。俺は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の3作全てに出ている。マイケル・J・フォックスはいいやつだ。彼とは密に連絡は取っていない。クリストファー・ロイドもいい人だ。彼はとてもシャイな男だ。クリスピン・グローヴァーは変わったやつだが、自分でいうほど変わってない。俺たちは仲良しだった。リー・トンプソンもいいやつだ。エリック・ストルツは元々マーティを演じる予定だったが、演技の問題でクビになってしまった。1作目は1984年と85年に撮影した。続編は、スタジオがかつて試みたことのない ”連続”形式で撮影した。ホバーボードは実際に飛んでるわけじゃなくて、俺たちはワイヤーとクレーンで吊るされていた。肥料はミズゴケとコルクと泥で出来ていて、食品エージェントがどろどろにしてくれた。デロリアンは粗悪な乗り物だから俺みたいな人間が乗って降りるのはほぼ不可能だ。映画にはたくさんの細かいプロットが隠されているが、俺はそれが何かは知らない。現場での大量のアドリブの中で、俺はButthead(バカ野郎)とWhy don’t you make like a tree and get outta here?(木のふりをして、ここから出ていけ)を創り出した。乗馬や投げ縄、ピストル早撃ち、6連発ピストルみたいな西部劇のスキルを学べたし、フィラデルフィアから来たやつの偉大な冒険だから、3作目が俺のお気に入りだ。一緒に仕事した仲間に最高の信頼を寄せているが、彼らが今何をしているかは知らない。スティーブン・スピルバーグはエグゼクティブプロデューサーだが、監督したのはロバート・ゼメキスだ。誰もあの作品が文化的な試金石になるとは思っていなかったが、友情と冒険というテーマは観客を力強く動かしたし、だから俺は時間の節約にとこのカードの必要性を感じた。『Ninja Turf』っていうカンフー映画で殺されたことを除けば、俺が初めて出演した作品だ。愛は物質的な財産よりも大切なもの。君たちが思っているほど俺の稼ぎは多くはない。 スタンダップコメディや音楽パフォーマンスで忙しいので、映画の話はあまりしない。それらのパフォーマンスは映画のような大規模なものではないけど、楽しくて満足できるものだから、そちらに集中している。『ザ・トゥナイト・ショー』にジョニー・カーソンとジェイ・レノと出演したことがあるが、同時ではない。俺はwww.imdb.com に掲載されている俳優としてのクレジットには満足しているし、誇りにも思っている。俺は画家もやっている。www.tomwilsonusa.comで俺に連絡できます。ありがとう、そして神のご加護を。」

ウィルソンも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』について訊かれることを、本気で嫌がっていたわけではないのかもしれない。近年では、シリーズのキャストや製作陣と再集結する機会が増えている。

2023年のイベント登壇時には、マイケル・J・フォックスやクリストファー・ロイド、リー・トンプソンとの再会を祝したポストをしたほか、2024年には大阪コミコンにて来日し、日本のファンとの交流を楽しんだ。YouTube番組の企画では、ビフのセリフやシーンをしてくれている。ウィルソンの素顔は、やはりサービス精神旺盛でユーモアに長けた紳士なのだろう。

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