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「きりたんぽ鍋」だけじゃない!豪快で熱々の郷土鍋から、夏の風物詩まで、年中楽しみたい【秋田県】の鍋

田舎暮らしの本

「きりたんぽ鍋」だけじゃない!豪快で熱々の郷土鍋から、夏の風物詩まで、年中楽しみたい【秋田県】の鍋

本州の東北部に位置する秋田県。鍋料理といえば「きりたんぽ鍋」があまりにも有名だが、寒冷な地域だけに鍋料理は実に多彩。観光客に評判の漁師町の鍋「石焼料理」や、唯一無二の夏の鍋「じゅんさい鍋」など、年間を通してさまざまな味を楽しめるのが魅力だ。

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掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています。

木桶に入れた食材を熱々の石で煮立たせる迫力満点の漁師鍋 石焼料理(いしやきりょうり)【秋田県】

写真提供:男鹿なび

 その昔、秋田県西部・男鹿(おが)の漁師たちは獲った魚や海藻などを、水を張った桶に入れ、そこに火鉢の炭火で真っ赤になるまで熱した小石を放り込み、煮込んで食したといわれている。

 そんな豪快な調理法の漁師料理を「観光客にも味わっていただこう」と、男鹿温泉のホテルがアレンジして提供しはじめた「磯焼(いそやき)」が、男鹿の名物「石焼料理」として定着していった。現在の「石焼料理」は、味噌をベースとしただしに、エビ、カニ、ホタテなどの魚介類や野菜を入れたものが多い。調理法は船上で行われていたものにならい、秋田杉でつくられた桶に具材とだしを入れ、仕上げに熱した焼石を入れて沸騰させる。

 この石は炭火で1時間ほど焼いたもので、400℃から800℃にも達するという。そのため、割れないように火山岩が使われるなど、工夫が凝らされている。また、真っ赤な焼石を1個入れ、じわじわと温度を上げることで、魚のうま味を引き出し、2個目以降の石を入れることで急激に温度が上がり、普通に煮込むよりも具材の味わいを逃さない効果があるという。ゴボゴボと豪快な音を立てる様子も迫力満点で、五感で楽しむことができる。

 完全に沸騰し、ゴボゴボという音が収まったら食べごろ。身がギュッと引き締まり、うま味や風味がアップした魚介類は格別だ。魚介類から出ただしも美味。目で、耳で、舌で味わう男鹿半島の名物鍋。こちらを訪れたらぜひ体験してほしい。

魚は豪快に切ってアラも入れるので、濃厚なだしが出る。現在は味噌味が定番だが、塩味で提供する飲食店もある。

【編集長・生川貴久からひとこと】
真っ赤に熱した石を桶に放り込んだ瞬間、ゴボゴボと音を立てる様子は圧巻! まさに豪快な漁師鍋。目でもおいしく、一気に沸き立つ磯の香りもたまらない。五感で満喫できる料理です。

石焼料理のつくり方

【材料】エビ、カニ、ホタテ、サケ、春菊、水菜、長ネギ、味噌など

【つくり方】

1 石を400℃から800℃に熱する。

2 木桶を鍋代わりとし、水、味噌、魚介類や野菜を入れる。

3 2の桶のなかに1の熱した石を入れ、一気に火を通す。

秋田の米、比内地鶏、野菜が満喫できる きりたんぽ鍋【秋田県】

 マタギがすりつぶしたご飯を木の棒に刺し、鶏鍋に入れてみんなで食べたのが始まりと伝わる「きりたんぽ鍋」。比内地鶏やゴボウ、長ネギ、根を付けたままのセリなどをふんだんに入れ、しょう油味のだしで煮たもので、秋田の冬には欠かせない。棒に刺さず、すり鉢で潰し団子状に丸めたご飯を入れた「だまこ鍋」も同じく秋田の郷土料理で、きりたんぽ鍋とはまた違った味わいを楽しめる。

きりたんぽ鍋のつくり方

【材料】 きりたんぽ、比内地鶏、ゴボウ、長ネギ、舞茸、セリ、糸こんにゃく、鶏ガラ、しょう油、酒など

【つくり方】

1 すり鉢にご飯を入れ、すりこぎ棒で潰す。米粒がある程度残り、粘り気が出てきたら、俵型に形を整えながら、棒につける。

2 1をフライパンで転がしながら中火で焼き、薄く焼き目がついたら火から下ろすタイミング。焼いたご飯を棒から抜き、斜めに切ったらきりたんぽの完成。

3 鍋に水と鶏ガラを入れて煮立たせ、だしをとる。

4 比内地鶏、ゴボウ、長ネギ、舞茸、きりたんぽを3に入れる。セリは根を残したままのせて、ひと煮立ちしたら完成。

【アレンジ】

すり鉢で潰したご飯を棒に刺さず、団子状に丸めると秋田の郷土料理「だまこ鍋」のできあがり。使用する食材はほとんど同じだが、よりもちもち感がアップした「だまこ」を入れることで「きりたんぽ鍋」とはまた違った味わいを楽しむことができる。

三種町の「夏に食べる鍋」喉ごしと食感がクセになる! じゅんさい鍋【秋田県】

 三種町(みたねちょう)の特産、じゅんさいに鶏肉やゴボウなどの具材をたっぷり使ったぜいたくな鍋。つるりとした喉ごしとぷるぷるとした食感が特徴のじゅんさいは、鶏肉との相性がよい。

 じゅんさいは小さな箱舟に乗って一つひとつ丁寧に手摘みで収穫しており、その収穫風景は三種町の夏の風物詩といわれている。収穫時期は4月下旬~9月上旬で最盛期は6月頃なので、三種町では"夏に食べる鍋"として地域住民に親しまれている。

 じゅんさいは、三種町内の店舗や直売所で5~8月頃まで生じゅんさいを購入することができるほか、水煮は通年購入することができる。

じゅんさい鍋のつくり方

【材料】
じゅんさい、長ネギ、きのこ、ゴボウ、比内地鶏、山菜、鶏ガラ、しょう油、酒など

【つくり方】
1 鶏ガラで多めにスープをつくっておく。

2 じゅんさいをサッと洗い、お湯を沸かしたらじゅんさいを入れ、鮮やかな緑色になるまで茹でる。その後、氷水にとり、水気をきる。

3 鶏肉やゴボウなどの具材を切ったら、沸騰させた鶏ガラスープに入れ、調味料を加えて煮る。火が通ったら、最後にじゅんさいを入れ、ひと煮立ちしたら完成。

男鹿の「石焼き料理」や「きりたんぽ鍋」など、現地を訪れて味わいたい魅力的な鍋が満載の秋田県。また、ご飯を丸めてつくる「だまこ鍋」や、じゅんさいの水煮を使った「じゅんさい鍋」などであれば、食材を取り寄せて、家庭で手軽に楽しむことができるのでは。

文/横澤寛子

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