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働きたいけど働けない若者が増えている!その理由と対策は!?

アットエス

ニート、ひきこもりという言葉で片付けないで...。


「働きたいのに働けない」「働くために、何をしたらいいのか分からない」といった悩みを抱えている若者が増えているそうです。その理由や背景について、NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡が運営する「静岡地域若者サポートステーション」総括コーディネーター若林勇太さんにSBSアナウンサー影島亜美が話を聞きました。

影島:どんな理由から働けない人が多いんですか。

若林:人によって理由はさまざまですが、一番は「環境の変化のタイミングで次なる環境になかなか行くことができなかった」ことが一番大きな理由だと思います。

例えば、高校や大学の卒業時、社会人になるタイミングです。いわゆる「働く」という進む道に行く時にそのステップに行けなかった、そして働きたい意思はあったけれどレールに乗れなかった人が増えています。

共通していることは「人が怖い」ということ

影島:環境の変化や人間関係で悩んでしまう人は多いですか。

若林:やはり「何をやるか」によっての退職もありますが、「誰とやるか」という点でパワハラなどを受けたり、人間関係が理由で社会から撤退せざるを得ないダメージを負ってしまった人もたくさんいます。そういった理由から「人が怖い」と感じていることが共通点として挙げられます。

影島:そうした皆さんに寄り添っているのが、若林さんがいらっしゃるNPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡なんですね。

若林:私たちは、静岡県内の「働きたいけど働けない人々」に対して市民のネットワークによる伴走型の就労支援を提供しています。働く喜びを分かち合えるような相互扶助、つまり「お互い様の社会をつくる」ことを目的として活動しています。

「静岡方式」で若者をサポート。相談室の中だけでなく、実際に動く伴走型で支援

影島:どんな目標の基で活動されているんですか。

若林:静岡県内で働きたいけど働けない人をゼロにするという目標を持って活動しています。

影島:ちなみに今、NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡ではどのくらいの人が携わっているんですか。

若林:働きたくても働けない人がいるというのは地域の問題です。働けない人をゼロにするためには地域の力を総動員して取り組んでいく必要があります。ですので、青少年就労支援ネットワーク静岡はボランティア団体として市民ボランティアのネットワークにより運営をしています。

影島:多くのボランティアの人によって支援そのものが支えられているんですね。

若林:そうですね支援といっても、例えば「話を聞くことならできるよ」とか「一緒に会社見学に行くことができる」などさまざまな活躍の仕方をいただいています。

影島:なるほど。そして「静岡方式」という就労支援の仕組みを実践されてきたとのことですが、どんな特徴がありますか。

若林:話を聞いて、傾聴を繰り返す中で徐々にやりたいことに進んでいくキャリアを明確にしていくいわゆる「相談室の中で行われる」一般的な就労支援ではなく、「まずは動いてみる」具体的な方法として「就労体験」という形をとっています。「働きたい」「なにかやってみたい」など本人の希望を優先し、就労体験をしながらお試しで動いてみることを大事にしています。

影島:一般的なやり方とは違って、伴走型で一緒に寄り添って進んでいくのが静岡方式なんですね。一緒にそばにいてくれると一人じゃないのだと心の支えになりますね。

8月11日、静岡市でセミナー開催

影島:今月セミナーを開くそうですね。

若林:「親と若者の就労支援セミナー 〜働きたいけれど、働けないあなたへ〜」というタイトルで行います。親と若者という言葉が付けているので、働くことで悩まれている親御さんや当事者の若者を対象に働くための一歩を考えるセミナーになっています。

影島:セミナーの内容を教えてください。

若林:三部構成になっていて、まずは就労問題に長年取り組んでいる NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡顧問の津富が講演を行います。その後、かつて働けない状況で悩んでいた人の体験談を聞き、にエールをもらう時間があります。

影島:実際にどんな体験者の話が聞けますか。

若林:清水区の鮮魚店で働いている人の話が聞けます。その方は専門学校を中退し、少しの期間ひきこもりの時期がありましたが自分を何とかしたいという思いで青少年就労支援ネットワーク静岡の門を叩いてくれました。鮮魚店でまず1カ月間の就労体験をして、店主から「やってみるかい?」と声を掛けてもらい今はイキイキと働いている本人が登壇者として参加します。

影島:こうして支援が必要な人の雇用について企業側はどうしているんでしょう。

若林:人手不足という言葉もありますが、人材をほしい企業が多いと思います。ただ一方で、時間をかけてじっくりゆっくり人を育てる“体力”が落ちている中で、企業としては即戦力がほしい。そのため、なかなかこの流れに若者が乗っていけない構図があると思います。

影島:セミナーに参加したい、興味がある人のための申込み方法を教えてください。

若林:インターネットで「親と若者の就労支援セミナー」と検索するか電話で054-351-7555までご連絡ください。

影島:活動を通して一歩踏み出していく若者を見て、若林さんはどんな気持ちですか。

若林:「働くことで人は変われる」という気持ちを持っています。そのための手助けができる団体や取り組みはさまざまあります。決して一人ではないので、ぜひ周りを頼ってください。地域の人とつながることで生活も変わってきます。

影島:若林さんのような人に話を聞いてもらえたら、すごくエールをもらえそうですね。教えていただきありがとうございました。

※2024年7月23日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。今回、お話をうかがったのは……若林勇太さん
NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡職員。静岡地域若者サポートステーション総括コーディネーター。1989 年静岡県生まれ。静岡県立大学国際関係学部国際言語文化学科卒。卒業後は、(公財) さっぽろ青少年女性活動協会に就職し、子ども・若者を中心に支援業務に従事。その後、教育関連の民間企業を経て現職。

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