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初心を忘れず「書」と向き合う河野凪紗(大分高校3年) 【大分県】

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大学進学後も、書を楽しむ心でさらなる成長を目指す

 第28回全日本高校・大学生書道展で優勝(最優秀校)し、連覇を達成した大分高校書道部。個人では、部長を務める河野凪紗が調和体部門で最高賞の大賞、漢字部門でも優秀賞に輝いた。

 

 河野は4姉妹の末っ子で、物心ついた頃には3人の姉たちは全員書道を学んでいたという環境で育った。幼稚園の頃から書道教室に通うと、その楽しさは日増しに大きくなったという。中学では部活には入部せず、個人で書道の練習を重ねた。高校になると、もっと書の道を極めたいと、姉たちも在籍した大分高校書道部に入部した。

 

「3年間、共に支え合った仲間たちとの日々は財産」と話す

 

 1年次はコロナ禍で、思うように活動できない時間が続いたが、河野はその状況を逆手に取り、自宅で自分の文字ととことん向き合った。その努力は実を結び、翌年から九州大会出場や高文連席上揮毫(きごう)大会で優秀賞を受賞するなど多くの賞を手にするようになったが、今でも「一文字でも多く書くことが、自信と安心感につながる」と初心を忘れることはない。「成長の影にあるのは努力だけでなく、誰よりも書を楽しむ心にある」と言葉を重ねた。

 

 「楷書だけでなく行書などさまざまな書体に触れることが楽しい」と、書に対する好奇心はまだまだ尽きることはない。また書の技術だけではなく、人としての礼節を多く学んだ3年間を胸に、この春からは大学生となり書道科へ進む。「この部で学んだことを生かして成長し、将来は大分高校の書道部の顧問として帰ってきたい」。書を愛する18歳は歩みを止めず、その心を後輩たちへ伝え続ける。

 

卒業後も大学で書を続ける河野凪紗

 

 

(塩月なつみ)

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