健康年齢、健康状態がよくわかる「方向転換のチェック」で身体の不調を事前確認! 【スポーツ障害予防の教科書】
方向転換のチェック
足裏をバランスよく使えるかをチェックする
サッカーやバスケットボールなどの練習で前にダッシュし、笛がなったらブレーキをかけ、1 8 0度方向変換してまたダッシュするというものがあります。方向変換はたいてい両足を使って行いますが、ここではわかりやすく解説するためにどちらかの足を前に出して方向変換する動きを例に考えてみましょう。
以前に私の元で勉強していたサッカーコーチが何も指示を出さなかった時、子供たちはどのように方向変換するのかを調べてくれました。その結果はほとんどすべての子供たちが、笛がなると右足前でブレーキをかけ、左からターンで方向変換したそうです。これは右足でいえば、母指・母指球側で地面を蹴る動きになります。学校のグランドなどはたいてい左回りで走ることも関係あるのかもしれませんが、無意識にこの動きを繰り返していると、いつの間にか右足は母指・母指球側ばかりを使うという偏りが生まれ、故障が起きるリスクが高くなります。また、左からターンばかりを繰り返していると、右からターンはいつの間にか苦手になって、ターンに左右差が生まれ、野球、バスケット、サッカー、テニス、スキーなどほとんどのスポーツで競技パフォーマンス低下につながります。
右足前でつま先を右斜め前に向け、右からターンすると、右足裏の小指・小指球側を使うことになります。このターンがやりにくかったらすでに偏りができはじめているかもしれません。まずは、部分動きケア®をしてみましょう。180度方向変換の動きでは、意識的に足裏の母指・母指側と小指・小指球側をバランスよく使えるようにすることがスポーツ障害予防、競技パフォーマンス向上につながります。
方向転換のチェック
チェック項目
(1)右足を前に出して(つま先は左方向へ向ける)左からターンをし、180度方向転換ができるか
(2)右足を前に出して(つま先は右斜め前へ向ける)右からターンをし、180度方向転換ができるか
(3)左足を前に出して(つま先は右方向へ向ける)右からターンをし、180度方向転換ができるか
(4)左足を前に出して(つま先は左斜め前へ向ける)左からターンをし、180度方向転換ができるか
右足を前に出して180度方向転換
(1)つま先は左方向へ向けて左からターン(右足の母指・母指球側を使う)
(2)つま先は右斜め前へ向けて右からターン(右足の小指・小指球側を使う)
左足を前に出して180度方向転換
(3)つま先は右方向へ向けて右からターン(左足の母指・母指球側を使う)
(4)つま先は左斜め前へ向けて左からターン(左足の小指・小指球側を使う)
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』