親切なレジの女性に2000円を返したい
「30年以上前に有年駅前のAコープでレジをされていた女性を捜しています」と赤穂民報に連絡してきたのは高砂市在住の会社員女性Tさん(59)。
Tさんの話では、20代前半だったころ、帰宅途中に立ち寄ったAコープで、家族から頼まれた食料品を購入しようとレジで財布を開いたところ、持ち合わせが少ないことに気付いた。購入をあきらめようとすると、レジ係の30代くらいとみられる女性が「また返してくれたらいいから」と言って自分の財布から不足額を取り出し、立て替えてくれた。記憶は定かではないが、立て替え額は「2000円くらいだったと思う」という。
当時西有年の実家に住んでいたTさんは一旦自宅に帰り、近日中にお金を返しに店に行ったが、営業時間が終了して閉店した後だった。その後も何度か店に赴いたが、タイミングが悪く、いつも店が閉まった状態ばかり。心の隅に引っかかったまま結婚で赤穂を離れ、そのままになってしまったという。
その後、一度だけその女性を見かけた。2007年12月に亡くなったTさんの父の葬儀に女性が参列していたのだ。しかし、声をかけることができずチャンスを逃してしまった。女性はそのとき特別養護老人ホーム「千種の苑」のユニフォームを着用していたという。
Tさんの話をまとめると、女性は▽昭和後期から平成初期ごろにAコープで働いていた▽2007年前後には千種の苑に勤務していた▽現在の年齢は70代くらい―ということになる。
「自分も還暦間近。元気なうちに返金したい」と考えたTさんは、思い切って千種の苑に問い合わせてみたものの、個人のプライバシーに関わることでもあり、情報を得ることはできなかった。帰省したときに赤穂民報を目にし、「新聞で人捜しを呼び掛けてもらえるのでは」と考えたという。
Tさんは「ご本人に会うことができれば、お金をお返しして、お礼とお詫びも伝えたい。心当たりの方がありましたら、ご連絡をお願いします」と話している。連絡は赤穂民報(TEL43・1886)まで。