新幹線で隣席の男に「ここに名前を書いたら占ってあげる」と迫られた女性 「結構です」と拒否したら…
見ず知らずの人がノートを広げて「ここに名前を書いて」と言ってきたら、あなたならどうするだろうか。あり得ない状況に思えるが、これは静岡県の40代女性が実際に体験した話だ。
それは女性が23歳の頃のこと。友人の結婚式帰りにほろ酔いで新幹線に乗り込むと、
「50代くらいの男性が隣に座って話しかけてきました。二言三言言葉を交わしたあと、急に『名前は何ですか?』と聞かれ、思わず『え?何ですか?』と返しました。『いやぁ、僕ね、姓名占いをしてるんですけど~』と、いろんな方が名前を書いたノートを見せられ、『ここに名前を書いてくれれば占ってあげられるから。僕のは当たるって有名なんだよ!無料でやってあげるからさぁ』とまくしたてられました」
窓際の席に1人で座っていた女性は逃げることもできず、「本当に怖かったです」と振り返る。編集部は当時の詳しい状況を女性に取材した。(文:福岡ちはや)
「結婚式帰りですか?あなたは結婚されてないの?」と話しかけられ…
友人の結婚式があった浜松市内から自宅近くの新富士駅まで移動しようと新幹線に乗ると、問題の“占い男”が声をかけてきた。
「スーツ姿のサラリーマン風で、50代ぐらいの普通のおじさんに見えました。物腰の柔らかい話し方で『結婚式帰りですか?あなたは結婚されてないの?』と。私はフォーマルドレスを着ていましたし、引き出物の紙袋を足元に置いていたので、すぐに結婚式帰りだとわかったようです」
女性は年上からかわいがられるタイプで、近所付き合いも盛んだったため、人から話しかけられることに抵抗がなかった。そのため「私は結婚してないです。出会いがないんですよね~」と軽く返事をしてしまったという。すると、占い男は次のように会話を続けてきた。
「良い出会いがあると良いですよね?」
「まぁ、そうですね~」
「占いって興味ありますか?名前は何ですか?」
急に名前を聞かれた女性は「え?なんで名前?」と驚きつつも、出会いがないのは本当だったので、「占い興味あるな。名前書いてもいいかな……」と心が揺らいだという。そんな一瞬の躊躇を占い男は見逃さなかった。
「とにかく一度占ってみて、本当に当たるから!」
「いやぁ、名前は……」
「ほら、みんなちゃんと占ってるんだよ」
占い男はノートを取り出すと、中のページを見せてきた。女性は「真っ白な紙面に違う筆跡でいろいろな人の名前が書いてあり、その横に字画の数字が書いてありました」と振り返る。
本当に姓名占いをしたかっただけなのかもしれないが、女性は数年前にエステの勧誘で痛い目を見た経験があったため、「簡単に名前を書いちゃダメだ」と警戒。占い男の申し出を断り続けた。
「最初はやんわり断ってましたが、かなりしつこく言われ続け、ほろ酔いの気持ちいい気分も台無しでした。窓側に座っていたので逃げることもできず、本当に怖かったです。酔った勢いに任せて低い声で『占っていただかなくて結構です』と睨んだら、諦めて別の席に移動していきました」
相手は去り際に「本当に占わなくていいの?怖がらなくてもいいのに」「ほら、みんなちゃんと占ってるんだよ」と一気にまくしたててから離れて行ったという。
「おそらく10分程度のできごとだったと思います。今思うと、強く断って逆上されてたかもしれない。急に怖くなってきちゃいました。出入口付近の席だったので、ほかの乗客はまったく気づいてなさそうでした」
ともあれ無事でなによりだった。ちなみにこのような経験をしたのは、「後にも先にも1回きり」とのことで、「おじさんの意図は今でも謎ですが、注意喚起のために世間知らずな息子にも話しておきたいと思います」と語っていた。
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