愛犬を甘やかしすぎるとどうなる? 3つのリスクと飼い主が知っておくべき注意点まで
愛犬を甘やかしすぎると起こり得るリスク
愛犬のことを可愛がって愛する気持ちは素晴らしいのですが、それも度を越して甘やかし過ぎてしまうのは問題です。
では、何をもって「甘やかしすぎる」ということになるのでしょうか。
吠えてもただ見ているだけであることが甘やかしなのか、欲しがったときに食べたいだけおやつを与えることが甘やかしなのか…。
他犬の飼い主の行動を見ていると、甘やかしすぎると思うことがあっても、同じことを自分がしていても気づかない場合が少なくないと思います。
そこで今回は、愛犬を甘やかしすぎると起こり得るリスクについて考えてみたいと思います。リスクを学ぶことで、愛犬を甘やかし過ぎていたことに気付けるかもしれません。
1.社会に適合できなくなる
愛犬を甘やかしすぎると、社会に適合できなくなるリスクがあります。
外を歩くと、犬が飼い主と楽しそうにお散歩をしています。動物病院へ行くと、待合室でお利口さんに診察の順番待ちをしている犬たちがいます。
ドッグランでは、たくさんのお友達と追いかけっこをしたり、一緒に並んで日向ぼっこをしたりする犬たちの姿があります。
これはどれも社会に適合した犬たちの姿です。愛犬を甘やかしすぎると、お散歩もできず、待合室にいることもできない、そんな犬になってしまいます。
愛犬が社会に適合して生きていくということは、愛犬の安全と健康と命が守られるということです。そのためには、社会で生きていくためのルールを教えなければなりません。
嫌がるから、怖がるから、お散歩が好きではないからと、外に出さず、お家の中でばかり過ごさせることは、甘やかしに含まれるでしょう。
犬はお家の中で飼い主や家族から多くのことを学びますが、外の世界に出なければ学ぶことができないことも山ほどあります。積極的にお散歩に出てみましょう。
2.不満による問題行動を起こす
愛犬を甘やかしすぎると、不満による問題行動を起こすリスクがあります。
愛犬は飼い主に様々なことを要求します。その要求に全て応えてあげたいと思うのが飼い主ゴコロですよね。私も同じ気持ちです。
しかし、要求に応えてしまうことは「甘やかしすぎ」に当てはまるでしょう。
要求が通らなかったとき、不満が爆発し、問題行動を起こすきかっけになることがあります。
✔お散歩に連れて行って欲しくて吠え続ける
✔おやつを欲しがって吠え続ける
✔ごはんを欲しがって吠え続ける
✔遊んで欲しいあまり手を噛む
✔物を噛んで破壊する
✔部屋のあちこちで粗相をする
過度な要求をされて困るとき、問題行動に悩まされるときは、「愛犬にとって何か不足していることがあるのではないか」「愛犬は何か困っていることがあるのではないか」と考えてみましょう。
犬も満たされるべきです。不足があると、不満や苛立ちを感じることがあります。
1日分の運動量や栄養素を満たすことができているかどうか、スキンシップやコミュニケーションをしたいという気持ちを満たすことができているかどうかなど、愛犬に不足しているものはないかを考えてみましょう。必要な分がしっかり満たされていれば、過剰な要求はないはずです。
3.愛犬の擬人化で健康被害を招く
愛犬を甘やかしすぎると、愛犬を擬人化してしまうことで、結果として愛犬の健康被害を招くリスクがあります。
犬は犬です。人間は人間です。愛犬を我が子のように思う気持ちは私も同じなのですが、「愛犬の安全と健康と命を守る」ということを考えるのであれば、犬は犬として扱われるべきです。
犬を擬人化してしまうと、犬が強いストレスを感じたり、それに伴う病気を発症したり、健康に長生きすることができなくなってしまうことがあります。
愛犬が人間の食べ物をほしがることがあります。可愛くおねだりすることがあります。愛犬にも同じものを食べさせてあげたいと思う気持ちを抑えられないときは、調理する前の食材を少し食べさせてあげましょう。
唐揚げは与えてはいけません。鶏肉を蒸したり茹でたりした、味付けをしていないものを与えましょう。犬もきっと喜んでくれると思います。
まとめ
愛犬を甘やかしすぎるリスクを3つ解説しました。
✔社会に適合できなくなる
✔不満による問題行動を起こす
✔愛犬の擬人化で健康被害を招く
愛犬の要求に応えてあげられないときは、ただ無視をするよりも、「ダメ」「いけない」と一言だけ声をかけましょう。
応えてはいけない要求に対しては、たった一度でも応えてはいけません。人間の都合は犬には理解できないためです。「応えない」という強い意思を持つことが大切です。
(獣医師監修:葛野宗)