福岡・天神の炉端焼き店で喰らう、蟹・海老・貝の殻付き海鮮
炭火でパチパチと焼く、蟹、海老が食べたくなったら駆けつけたいのが西中洲の「殻の三光橋」。渡辺通の「炉ばた 雷橋」から始まり、「肉の雷橋」「鍋ばた 新川橋」など市内に6店展開する人気店のひとつです。
国体道路沿いの雑居ビルの2階にあり、まるで事務所のようなドアを「本当にここ?」と訝しながら開けると、真っ赤なコの字型カウンターが目に飛び込んできます。牡蠣の産地のポスターやレトロなビールのチラシが貼られた味わいのある雰囲気に、誰もがテンションが上がってしまうはずです。
蟹・海老・牡蠣を1年中味わえるのがウリの「殻の三光橋」。北は北海道、南は九州まで、旬を追いかけて全国から海鮮を仕入れているのが特徴です。
「カニ専門店では一年中ひとつの産地の蟹だけを提供することが多いのですが、うちは時期によって北海道のズワイ蟹、北陸の香箱ガニ、佐賀の竹崎ガニなど違う産地のものを楽しんでもらえるのがこだわりです。食べ方も焼いたり茹でたり、アレンジ料理があったり自由がきくので、わがままに楽しんでくださいね」と店長の野口貴史さんが話してくれました。
まずは「珍味盛り合わせ」(1人前1650円/写真は2人前)を注文。手前から右回りにアサリのチャンジャ、生からすみ、北海道・厚岸の牡蠣の塩辛、汐うに、中央が甘エビのワタの塩辛です。どれも素材の味が凝縮した超濃厚な味わいで、日本酒がぐいぐいすすんでしまいます。
そして次は大本命の「本日の殻盛り七種」(1人前3500円/写真は2人前)をオーダー。この日はワタリ蟹、ズワイ蟹、ホタテ、サザエ、大アサリ、甘海老醤油漬と豪華な内容です。迫力のあるヴィジュアルに胸が躍ります。
いよいよ海鮮がカウンターの焼き台の上へ! 炭火のいい香りと白い煙が立ち上るなか、目の前でスタッフさんが一つひとつ順番に焼いてくれます。
素材を見極めながら火入れされた、身がぎっしりつまったワタリ蟹の切り身、濃厚な甘味のズワイ蟹のツメもいい塩梅……思わず唸ってしまいます。甘海老醤油漬けはそのまま食べた後に、残した頭を焼いてもらってサクサクとしたスナック感覚でいただきましょう。
「サザエは卵とじにもできますよ!」と教えてもらい、迷わずお願いしました。ぷりぷりとしたサザエの身に卵が絡んで最高! またホタテは身を食べたあと、貝の上に残ったスープにご飯とチーズをたっぷりのせてリゾットに。これ、どちらもおかわりしたくなるくらい気に入ってしまいました。
そしてかなり奮発してSNSで気になっていた「毛蟹の塩茹で ほぐし身」(時価/取材時は15000円)もお願いしました。生きている蟹を注文が入ってからゆがく、鮮度の良さを楽しめる一品です。ふっくら茹で上げた蟹の身と、濃厚な蟹味噌を絡めていただくと至福の味わいにとろけてしまいそう。価格は蟹の種類によって異なり、2000円から最高額は35000円ほど。だいたい10000円前後だそうです。
これから夏は北海道や北陸の真牡蠣が旬だそうで、こちらも気になる! 日本の海の豊かさに感謝しながら、幸せな気分で店をあとにしました。
殻の三光橋
福岡市中央区西中洲11-6 三光橋ビル2F
092-753-9563