愛川町 県広報コンでダブル受賞 宮ヶ瀬ダム特集など評価
愛川町が、県の広報コンクールで映像部門と広報紙部門の優秀賞を受賞した。広報誌部門では、治水や利水機能、観光資源としての枠割を担う宮ヶ瀬ダムについて特集した号が受賞。映像部門の『愛川百年旅SPECIAL2「歴史ノ教室」』では、県内最古の木造校舎である半原小学校の旧木造校舎や三増合戦など、町の歴史を3部作の映像集としてまとめた。
建設の歴史振り返る
広報誌部門で受賞した2024年11月1号の「宮ヶ瀬ダムからの贈り物」では、1969年の建設計画発表から30年以上の歳月を経て完成したダムの歴史を4ページにわたって特集した。
建設地周辺はかつて「中津渓谷」と呼ばれ、風光明媚な観光地として年間100万人を超える観光客が来訪したことなどを、当時を知る旅館店主の声を交えながら紹介。建設に伴い281戸の住民が移転する必要があったことなどから、準備には15年の歳月を要したという。
建設には横浜ランドマークタワーと同体積となる200万立方メートルのコンクリートが使われたこと、当時の最新技術が注がれ、安全性の向上や経費削減、工期短縮が可能になったことを国土交通省関東地方整備局の職員が解説している。
宮ヶ瀬ダムは4月から11月に「観光放流」が行われており、多くの観光客が訪れる人気イベントとして知られる。特集では、同ダムの副ダムとして1996年に建設された「石小屋ダム」が宮ヶ瀬ダムの放流水の減勢などに役立っていること、放流によって川の水量を調整することで、川の環境を正常に保つ機能を持つことなど、同ダムの持つ役割をまとめた。
3つの歴史映像に
映像部門で受賞した歴史動画「歴史ノ教室」は、町が制作する「愛川百年旅」シリーズのスペシャル版第2弾として作成した。
町立半原小学校の旧木造校舎、甲斐の武田氏と小田原の北条氏による三増合戦、宮ヶ瀬ダム建設史の3部構成で、町民から集めた古写真や映像、ゆかりの人物へのインタビューなどを交えて24分間の動画にまとめた。
担当課は「昨年に続き、広報紙部門と映像部門で受賞することができて大変うれしい」と受賞を喜び、「今後も町民の皆さんに興味を持っていただけるよう、親しみやすく分かりやすい情報発信に努めたい」と話した。