港南・栄消防署 「区内文化財を守れ」 火災想定し訓練
1月26日は「文化財防火デー」。1949年の同日、奈良県の法隆寺金堂から出火し国宝の十二面壁画が焼損したことに由来する。これに合わせ、港南消防署は1月20日に、栄消防署は1月26日にそれぞれ、区内文化財保護を目的とした消火訓練を行った。
笹下の東福寺
港南消防署は1月20日、横浜市指定文化財の「絹本著色光明本尊図」を所蔵する東福寺(笹下5の13の20)で訓練を実施。同署員14人に加え、消防団5人、寺院関係者5人も加わった。本堂付近での出火を想定。初期消火、119番通報、訓練用文化財の搬出、避難誘導などが行われた。その後、署員と団員が連携した放水を実施。鎮火したとして終了となった。さらに、寺院関係者への注意喚起や図上検討も行われた。
署担当者は訓練を振り返り「署、団、関係者が連携した訓練ができた」と話した。
公園と玉泉寺
栄消防署は26日に、本郷ふじやま公園(鍛冶ケ谷1の20)と市指定文化財「誠拙和尚関係資料」を所蔵する玉泉寺(金井町1595)で行った。
本郷ふじやま公園では古民家母屋からの出火を想定し、関係者が初期消火と来場者の避難誘導を実施。その後、消防隊と消防団が放水した。
また、玉泉寺では訓練用文化財の搬出、119番通報、避難誘導、初期消火を実施。さらに、放水では署員、団員に寺院関係者も加わった。
署担当者は「改めて防火への啓発ができた」と成果を語った。
なお、文化財防火デーは今年で71回目。文化庁のウェブサイトによると、法隆寺の火災に加え、1月と2月が最も火災が発生する時期であることから、1955年に文化財保護委員会(現・文化庁)と国家消防本部(現・消防庁)によって定められた。全国規模の活動で、市内でも計92カ所で訓練が行われた。