「ガソリン価格引き下げ」「電気・ガス代補助再開」の政治的な思惑
4月22日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、ガソリン価格引き下げ、電気・ガス料金の補助金について意見を交わした。
“やった感”のある10円固定という方式
政府は物価高対策として、ガソリン価格を5月22日から1リットルあたり10円引き下げ、冷房需要が高まる7~9月に電気・ガス料金への補助金を再開する方針を固めた。
ガソリン価格への補助は政府が石油元売りに補助金を支給する形で2022年1月に開始し、レギュラーガソリンの全国平均価格が1リットルあたり185円程度になるように抑制してきた。今後は価格の目安を設けず、185円を大きく上回る場合あるいは下回る見込みでも、1リットルあたりの引き下げ幅を10円に固定する方式に見直す。補助継続の期限はガソリンなどに上乗せされる暫定税率の廃止に向けた与野党協議の状況を踏まえて検討する。
(寺島アナ)「車をよく利用する人には朗報ですかね?」
(田中氏)「そうなんですけど、やはりこういうのは中途半端にも思えるんですよね。以前ほどの効果が本当にあるのか?固定する方式ですよね?もし想定を上回るようなことが発生すればどうなのかな?ただ、今の国際的な石油価格の情勢を見ると、高くなる可能性はあまりない。“これから抑制されていくので、ガソリンの補助はあまりしなくていい”というのが財務省的な発想の本音でしょう。それを言ってしまうと石破政権の支持が失われるので、“やった感”のある10円固定という方式を選んできた。極めて政治的な発想で、くさいくさい」
次の選挙に向けた石破政権の対策だと言われているが……。
(田中氏)「また元売り各社で企業への定額補助ですよね? あと暫定税率の廃止云々は本当かな? 今の与党の発言からすると“検討する”は“やらない”ってことですからね。それで追い詰められてくると維新が助けて“自公維でまわす体制に持っていこう”というわけですよ。ある程度、参院選挙で負けることは織り込んでいるんですよね」
(寺島アナ)「もうすでに?まあ、そりゃあそうですよね」
(田中氏)「維新は自公にくっつく批判をかわすために最近頑張っていますよ。“俺は自公と違う”と。これも、くさいくさい。自公維でまわすのは目に見えているので、国民を忘れた経済政策です。最近、赤沢亮正さんがトランプ大統領と会って、色んな評価の声がありますけどワイドショーで好意的に取り上げている雰囲気があるんですよ。X(旧Twitter)をやっているとよく分かるんですけど、にわか赤沢ファンがいっぱい増えたな、と。赤沢さんは僕の勉強会に来てもらったので、あまり悪いことは言いたくないんだけど、率直に言うと世論の一部の反応を見てみると、“ワイドショー的な発想の国民はもう少し真剣に見ろ!”と。石破政権、いま国民の目線に立った経済対策をやろうという気がまったく無いから。むしろ潰してるじゃん。正直言って、これは解説の域を逸脱しますけど、“早く石破政権終わんないかな”と、いつも念仏唱えてますよ」
〈出典〉
ガソリン価格、来月22日から1リットル10円引き下げへ…電気・ガス代補助も再開の方針 | 読売新聞