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さんたつ読者&編集部おすすめの「散歩本」10選!

さんたつ

おすすめ散歩本

寒さも増し、読書に集中できる季節がやってきましたね。そこで、さんたつサポーター&さんたつ編集部がおすすめする散歩にまつわる本をまとめました。エッセイ、漫画、写真集など幅広いジャンルをご紹介! 歩く楽しさを広げるきっかけになれたらうれしいです。

でっかい地図で今日の散歩を振り返る。本田創『東京「暗渠」散歩』

散歩で坂道を見つけた日は、『東京「暗渠」散歩』を取り出す。著者は、東京の暗渠について多くの著書を持つ本田創さん。

例えば、駒場東大前駅から池尻大橋駅まで歩いた夜。駒場東大前付近の複雑な坂道や、途中が高台になっているコース。取り外せる大きな「都心暗渠地図」を床に広げて、ルーペで見ていくと……「目黒川支流の『空川』が流れていたんだ。駒場東大前は暗渠だらけだな、そうかあ」となり、空川についての解説も読んで、安心して眠りにつくことができる。

友達との散歩にこの本を持って行って地図を自慢すると、「おおっ!」と反応してもらえることもある。ただし、相手を選んだ方がよいみたい、ではある。

[へいあらんさん]

のんびりまったり丘歩きで自然と触れあう癒やしの散歩に出かけませんか。若菜晃子『東京周辺ヒルトップ散歩』

登山ほどがっつり歩きたいわけではなく、かといってピクニックではちょっと物足りない。そんなときは丘歩きがぴったりですね。東京の多摩地域とその近郊、神奈川の丹沢や埼玉の秩父などに近い丘陵地帯の代表的な遊歩道などが紹介されています。いずれも、自然のなかのお散歩コースが日帰りで楽しめます。

前夜の準備や当日の早起きなどに張り切らなくても、ゆったりと遅めの朝からの出発で充実した一日を満喫できそうです。陽が短くなるこれからの季節にミニハイキングを考えていらっしゃる方には最適。

天上への高みを目指す登山ではなく、のんびりゆったりと人里近くを歩くからこその丘歩きの魅力に出逢えるのではないでしょうか。ちょっと遠出となりますが、より非日常感が昂じる小旅行気分を楽しめる高原歩きが紹介されているところもうれしいです!

[上町嵩広さん]

読めば、巡りたくなる風景印。松田青子『東京しるしのある風景』

松田青子さんの『東京しるしのある風景』(河出書房新社)は、東京23区の風景印を松田さんが集めたエッセイ。風景印の存在を私はこの本で初めて知った。

絵柄は地域に因んだもの。風景印を集めるのも散歩、絵柄をヒントに街を巡るのも散歩。二つの散歩を楽しめる。

松田さんの文がとても楽しそうなので、私も風景印に会いに行った。東京ではないけれど、上尾二ツ宮郵便局。切手を貼った無地のカードを女性職員に渡し、しばし待つ。男性職員がティッシュで押さえて持ってきてくれた。風景印は意外と大きかった。またこの郵便局に来ようと思った。

[コウシンさん]

これからの散歩のために、これまでの街を知る。森まゆみ『谷根千のイロハ』

内外問わず、多くの散歩人を魅了している谷根千エリア。本書は古代から現代まで、谷中・根津・千駄木の変遷を追った一冊です。森鴎外や朝倉文夫など名が知られている人のみならず、無名の人まで、さまざまな人たちがその歴史の中を通り過ぎていった——。本書を読んでいると、景色も街の名前も、当たり前にずっと残るとは限らないのだと、再認識させられます。

本を通して在りし日の路地に思いを馳せながら、より味わい深い散歩を楽しんでほしいです。

[編集部・阿部]

酒の声を聴き、酒場から街を捉えて。マイク・モラスキー『呑めば、都』

酒場や喫茶店を訪ね、そこにある文化の蓄積にふれるために日々散歩をしている人も多いのではないでしょうか。私もその一人なのですが、ふれる方法の幅を広げてくれたのがこの一冊。

アメリカで生まれ育ち、1976年の初来日以来、赤提灯がぶら下がる日本の酒場に魅せられてきた著者が、溝口やお花茶屋、西荻窪など各地の酒場を訪ねるこの随筆集では、ただ酒や肴のおいしさが綴られるだけにとどまりません。酒場を“文化的空間”と捉えたうえで、その社会的な役割や価値を考察しているのです。

日夜呑み歩き、よい酒場がある街の図書館や郷土資料館で街の歴史を掘り下げ、自分なりの論を打ち出す。そうやって多角的に酒場を学んだうえで、そこから街を知る方法をほんの少しずつですが実践するようになりました。

[編集部・桑原]

昭和も時代なんですなぁ。風の時編集部 編『センダイ・タイムマシン』

宮城に暮らして50年あまり。さらにその50年前からの仙台フォトブック『センダイ・タイムマシン』。

「あー、学生の頃はこんな感じだった!」としみじみ。昭和も“時代”がつくのねとしみじみ。

おやっと立ち止まり。あれっと見上げる。いつものふらふら街歩き。アーケードを抜けて、昔通った道をのんびり歩く。

[るうるうさん]

今日も感じるお散歩を!古寺巡りのバイブル。亀井勝一郎『大和古寺風物誌』

『大和古寺風物誌』は、亀井勝一郎氏が奈良の古寺を巡り、その思索を綴った随想集。斑鳩の夢殿で聖徳太子を拝む場面から始まり、法隆寺、薬師寺、東大寺などを巡り、15年以上続けた巡礼の記録が折々の考察と共に綴られている。

大学時代、奈良のお寺に魅せられた私のバイブルでもあった。当時、平城遷都1300年祭でにぎわうなか、古美術研究会という名の古社寺巡りサークルに入り、信仰というより物見遊山の延長で古寺を巡っていた私にとって、「仏像は語るべきものでなく、拝むものだ。」「今のうちに出来るだけ見ておくことだ。」など、いくつもの言葉が胸に残っている。

散歩でお寺にふと足が向くとき、本書の“感じる”お散歩を今も大切にしている。

[★古社寺さんぽ★noteにて運営中さん]

函館が舞台のコミック。杉崎ゆきる『純喫茶ねこ』

函館をあちこち歩きたくなるコミックを紹介します。『純喫茶ねこ』は函館の猫のいる純喫茶が舞台の作品です。主人公はある事情で愛猫と一緒に函館へ。 函館のさまざまな名所が登場します。

京都出身の主人公が「やきとり弁当」のおつかいで、なぜか「焼き豚」を焼く店員に戸惑う場面は、知らないとたしかに驚くよねとクスッとしました。コミックの場面と実際の思い出がつながります。ソフトクリームおいしかったなあ。

具体的な場所が思いつかないお店も「モデルがあるのかな?」と想像が広がります。函館を知っている人にもまだ訪れたことがない人にもおすすめ。個性的な登場人物やおいしそうなコーヒーの描写も魅力で、いろんな楽しみ方ができる本です。

[shimaさん]

訪日外国人客が訪れるスポットが丸わかり! lonely planet編『lonely planet Kyoto』

以前、トリップアドバイザーとジャパンガイドの英語掲示板で日本に関する質問に答えていました。外国人の気持ちを知るには、人気の高い『lonely planet』を読むのが一番かと思い、京都版だけ購入。

Top1に選ばれている「伏見稲荷大社」など、このガイドブックに影響されて京都に来る人は多いのかなと思います。中学と高校の修学旅行が京都・奈良で、高校から京都にハマり、10回くらい行きました。

そのため、知っていた場所が多いのですが、妙心寺はこのガイドブックではじめて知り、行きたいと思いました。この本のTop10をはずすだけでも、あまり混まずに京都旅ができるのかもしれません。

[柿生亜実さん]

江戸の日常が重なる散歩を! 杉浦日向子『百日紅』

その街にかつてどんな風景が広がっていたのか、今の風景に重ねるイメージで歩くのが好きです。印象に残る散歩本は、読み終えたとき、そんな歴史のレイヤーが増えたように感じさせてくれる本。

もはや紹介もはばかられますが、杉浦日向子さんの漫画『百日紅(さるすべり)』は、“江戸の街は本当にここにあったんだ”と思わせてくれる名作。

大きな橋を渡ったり、銭湯を出て風に吹かれたり、夜闇が暗いと感じたときにふとこの漫画のワンシーンが重なり、ああ本当に、昔からこうして人が生活していたんだということに気づいてその場に立ち尽くしてしまうことがあります。大河ドラマや映画で江戸の街や北斎に興味を持った方は、未読でしたらぜひ!

[編集部・渡邉]

構成=さんたつ編集部

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