琵琶湖で小アユ釣りに挑戦しよう!【滋賀】釣り場選び・タックル・裏ワザまで一挙紹介
日本最大の湖、琵琶湖。滋賀県にあり、さまざまな水産物を生み出す近江の海といっていい存在だ。その琵琶湖に夏の到来を告げるのが小アユだ。琵琶湖に流入する各河川ではGWごろから、多くの釣り人がサオを振るようになる。今回は同じアユでも、ハードルがうんと低い小アユ釣りについて解説していきたい。
今年の琵琶湖の小アユ釣りは?
琵琶湖の小アユは、毎年3月ごろから湖西の浜への接岸が始まり、4月に入ると徐々に湖北の漁港で釣れ始める。GWには河川への遡上が始まり、6~8月に最盛期を迎える。そして8月いっぱいで小アユ釣りは終了。9月からは禁漁となる。
これが例年のパターンだが、今年は少し様子がおかしい。GWを過ぎても一部の川を除いて遡上がほとんどなく、ほとんど釣れていない状況が続いているのだ。
湖内で小アユ漁をしている漁師さんも、「燃料代にもならない」と嘆くほどの不漁続きなのだ。もちろん河川でも釣り人の姿はなく、所々にシロサギが寂しげに立っているだけだ。
過去に2017年が記録的な不漁の年だったと記憶しているが、それでも6月半ばには河川への遡上が始まり、絶対数は少ないながらも8月いっぱいは楽しめた。今年も遅れているだけと思いたいが、さてどうなることやら……。
ポイント
小アユ釣りには2通りの釣り方がある。早期に漁港で釣る縦の釣り。これは堤防で小アジをサビキで釣るのとほとんど同じスタイルで、まだ遡上する前の小アユを狙うもの。
もうひとつは、河川で仕掛けを上流から流していく釣り方。どちらかといえばこちらの方の愛好者が多いような気がするし、実際ゲーム性も高いように思う。よってこのポイント紹介は、河川に絞っていきたい。
犬上川
小アユ釣りといえばココ!というほどのメジャー河川。彦根市を流れる川で、インターからもほど近いため、人気の河川。河口から最上流の頭首工まで全てがポイントで、特に盛期には金屋地区の名神高速下のポイントにずらりと人が並ぶ。
ただし日照りが続くと、渇水で川が切れてしまうことも多々ある。大体8号線より少し上流で切れることが多いようだ。そんなときは、下流域へ入るようにしたい。
芹川
こちらも彦根市を流れる川で、彦根城からすぐ近く。この近辺では、最も早く小アユが遡上する川として知られている。早い年には4月半ばには、河口から300mほど上流で入れ食いになったことがある。
この川の欠点は車を止めるスペースがないこと。よく河川道路の端っこギリギリに止めている車を見るが、他の車の通行を完全に邪魔している。迷惑きわまりないので絶対やめよう。すぐ近くのベルロードやキャッスルロード沿いに有料コインパーキングがあるので、そちらに駐車するようにしてほしい。
塩津大川
長浜市北部のさほど規模が大きくない河川。木之本インターから20分ほどで到着する。特に道の駅あじかまの里の裏は人気で、小規模河川だけに土日は早朝から場所取りをする人の姿も。
6月初旬現在、河川でまとまった釣果が聞かれるのは、この塩津大川だけ。それもかなりムラがあるようで、外すとボウズなんてこともあるようだ。増水後の引き水を狙うと、比較的釣果に恵まれやすい。道の駅裏が満員の場合は、少し上流に走ったJR湖西線下がお勧めだ。
知内川
高島市を流れる湖北エリアで、犬上川と並ぶ小アユスポットとしてメジャーな河川。各所に駐車スペースがあり、アプローチもしやすい。時期によって河口にヤナが設置されており、その周辺は釣り禁止になっているので要注意。
以上紹介した川以外にも長浜市の西野放水路、大浦川、知内川のすぐ隣を流れる百瀬川など小アユと遊べる川はたくさんある。水田地帯を流れる小さな川に、大挙して遡上することもある。自分だけにホットスポットを探すのも面白い。
タックル&仕掛け
サオは川の規模によって使い分けるが、3.6~5.4mといったところか。渓流ザオ、ヘラザオがお勧めだ。犬上川下流域、芹川だと5.4mが使いやすい。知内川、大川だと川の規模がさほど大きくないので、4.5mでもいい。渇水時は3.6mでもOK。
ミチイトはナイロンライン、フロロカーボンラインの1~1.5号。これにウキゴムを通し、市販の小アユ仕掛けを結ぶ。仕掛け最下部にはまきエサを握り付けるラセンをセットし、そこにオモリを付ける。
ウキは少し大きめの玉ウキ。後に説明するが、このウキが重要な役割を果たす。「えっ、こんな大きなウキ?」というぐらい大きめのウキを使うこともある。
仕掛けは初期は遡上してくる小アユの型がいいので、ハリ2.5~3号。7月に入れば2~2.5号が適当だ。オモリは川底を擦りながら流すため、根掛かりしにくいスーパーボールタイプのものがお勧めだ。
この時期の釣具量販店には小アユコーナーが設置してあることが多く、スーパーボールタイプのオモリや大きめの玉ウキなども販売している。
その他の装備
川に着いたら、まず少し高い位置から川を見て小アユがいるかを確認しよう。小アユは群れで行動するので、ポイントに入っていれば必ず視認できる。その際に必要なのが偏光グラスだ。
そして釣った魚を入れるスカリ。オススメは百均で売っている洗濯用のランドリーボックス。大きめの石を入れると、立派なイケスになる。
ほか熱中症対策の帽子、クーラーボックス、エサ交換や休憩時にサオを立て掛けるサオ掛けなど。なおクーラーには氷は多めに入れておこう。
まきエサ
この釣りにさしエサはないが、まきエサは必須。地元の釣り人はシラスをこねて自作したりしているが、マルキユーから特選小鮎まきエサなるものが出ている。
ウエットタイプなので、開封してそのまま使える優れモノだ。
いざ実釣
ポイントが決まってイケスを立てたら、いざ実釣だ。ポイントは総じて浅い。足首ぐらいの水深の瀬でも、小アユは入っている。小アユ釣りはサビキのウキ釣りだが、流すときにオモリは底を擦り、ウキは仕掛けに先行して流れていく。つまり水中で仕掛けが斜めになって流れていくことが大事なのだ。
ウキ下が浅すぎてオモリが底に着かず仕掛けが垂直になったり、深すぎて仕掛けが極端に寝すぎると、食いが一気に落ちる。30~40度ぐらいの角度で流れるようにウキ下を調整しよう。
仕掛け下部のラセンにまきエサを握り付けたら、自分の立ち位置より上流側に仕掛けを振り込む。コトコトと仕掛けが流れていき、自分の前を通り過ぎてサオいっぱいまで下流へ流したらいったん回収。まきエサの有無を確認し、再度上流側へ投入。
小アユがエサに着けばこちらのもの。一気に入れ食いモードになる。この釣りは、オモリが常に底に着いており仕掛けも斜めなので、ウキにアタリが出にくい。横走りしたり引き込んだりする明確なアタリもあるが、微妙なものの方が多い。一定速で流れていたウキがゆっくりになったり、ポコポコと揺れたりなど。
分かりやすいのは、小アユがハリに掛かると偏光越しに水中でギラッと光るのが見える。これを見てアワせるのが最も簡単だ。
釣った小アユはイケスやスカリに入れておくが、たくさん入れていくと必ず死ぬ個体が出てくる。そのまま放置すると傷んでくるので、こまめに見て死んでいる魚がいればクーラーに移し替えていこう。
持ち帰りの裏ワザ
これは釣友が岐阜の河川のアユ漁師さんに聞いた持ち帰り方法だが、まず釣ったアユを氷を入れていない箱(発泡スチロールなど)に一気に入れる。バタバタ暴れるアユの上から、一気に粗塩を1袋、アユの数が多ければ2袋投入。そのままぐるぐるとかき混ぜる。
すぐにアユが絞まりおとなしくなるので、そのまま泡が出るまでかき混ぜる。そして最後はイケスに一気に戻し、川でざぶざぶ洗ってよく塩を落とす。その後水氷にしたクーラーへイン。いわゆる塩絞めだが、これをするとアユの鮮度が保たれて、持ち帰ってもピカピカの状態になる。
アフターフィッシング
小アユは琵琶湖の夏の味。一般的なのは甘露煮や唐揚げ、天ぷらなどだが、大きめのものは素焼きにして酢じょう油で食べてもうまい。また唐揚げで食べ切れなかった分は南蛮漬けがイチオシ。甘酢にピーマンやトマトなどを入れ、2日ほど漬け込むと最高だ。
夏の琵琶湖の風物詩ともいうべき小アユ。今年はまれに見る不漁とのことだが、今後の右肩上がりを期待したい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年6月27日号に掲載された記事を再編集したものになります。