医療費/教育費/所得税がかからない?!石油や天然ガスなど豊富な天然資源で潤う、ありえないほど好待遇の国とは?【図解 地理と経済の話】
医療費・教育費・所得税がかからないありえないほど好待遇の国がある【図解 地理と経済の話】
天然資源で潤うブルネイ
東南アジアのボルネオ島北岸に位置するブルネイ。正式名称をブルネイ・ダルサラーム国といい、スルタン(イスラムの君主号)と呼ばれる国王が治めるイスラム国です。
国土は小さく、総面積は三重県とほとんど同じ。にもかかわらず石油や天然ガスなど豊富な天然資源を背景に、世界でも有数の富裕国に数えられます。国民の生活も豊かで、そのうえ個人に対する住民税や所得税の徴収はありません。医療費・教育費も無料と社会福祉も充実。絶対君主に近い国王のもとで内政も安定しており、地上の楽園といっても決してオーバーではないでしょう。
そんなブルネイも、将来的な不安を抱えています。天然資源の枯渇です。石油にしろ天然ガスにしろ埋蔵量にはかぎりがあります。それが枯渇するのは、予想では20~30年後。もちろん、ただ手をこまねいているわけではなく、ブルネイ政府は経済の多角化、新産業の育成を急いでいます。また、多額の海外資産を保有・運用するなど、投資にも積極的です。
日本はブルネイにとって最大の貿易相手国のひとつでですが、日本にとってもブルネイはエネルギー資源の安定供給といった面から重要なパートナー国です。遠くない未来に訪れる天然資源枯渇問題は、決して他人事ではありません。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』