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第26回「徳を積む」

TBSラジオ

「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、
もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回も、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人がこたえました。

私のモヤモヤはゴミ出しのマナーです。数年前からゴミ出しのルールを守らない人がいまして、曜日が違ったり、回収していないゴミを出したり。
「わざとだろうな」という悪質な事案が増えています。違法を知らせる町や警察の看板まで立ってしまいました。もっと悪化しないよう、なにか手立てを考えたいところですが、きっと不法投棄されて終わるんだろうな…と思っています。

小泉:今、自治体によってはすごく細かく分類されていたりするじゃないですか。それについていけない人とかもいるだろうなって。

大石:いると思いますね。

小泉:私の母が実際にそうで。80代で一人暮らしをしていて、一軒家で、ゴミ捨て場もちょっと歩いた場所にあるんですね。それで、紙、ガラスも色によって違って、いっぱい分類されてて、途中で諦めちゃったみたいで。母の家に行くと、いつもゴミがいっぱいになってて。あと、重いものとかも運べなくて、そのまま置きっぱなしだったりとかして、私とかが行った時には泊まれる時は泊まって、朝ゴミを出して帰るとか、車に積んで持って帰ってきて、自分で分別して出したりとかしなくちゃいけないくらいだったんで。そういう人もいらっしゃるかもしれないけど…悪意というか、めんどくさくて捨てちゃう、みたいな感覚でやっている人もいらっしゃるでしょうね。

上村:私も、マンションに共有のゴミ捨て場があるんですけど、粗大ゴミとかをそのまま棚の上に置いている人がいて、張り紙が貼られるんですよ。「このゴミは粗大ゴミでお願いします」って貼られたりするのに、ずっとそのままになっていて。でもある日、なくなったので、多分マンションの方がどうにかして捨ててくれたと思うんですけど。毎回、ゴミを捨てる時に自分のものだってわかってて、心が痛まないのかなと思って。

小泉:そうだよね。モラルの問題っていうのもありますよね。ちょっと、家で分別してて、うっかり間違えてプラスチックゴミの中に紙のゴミを入れただけでも「あ、いけない」ってなるじゃないですか。

上村:どうやったら身につくんですかね。ある人と、ない人の違いってどういうところなんでしょう。

大石:毎日やっているから覚えるんじゃないかな。習慣化しないと。

小泉:あとは、想像力かもね。「このゴミが、未来にとってどんな影響を及ぼすか」とか、想像したことがあると、ちゃんとしようって思うのかしら。

大石:でも、考えようによっては資源ですからね。

小泉:そうなんです。だから、意識が高い人は買い物をする時点でそれを考えていたりするじゃないですか。そういう取り組みをしているお店とかもあったりするでしょう?

大石:あります。

小泉:そういう工夫をし始めたら楽しいかもしれないですね。一応、私は、ゴミ捨てに関しては昔から厳しいタイプなんですよ。だけど、どう減らせばいいのかっていうのは、できるものはしているんだけど…お水とかを紙のパッケージのものを買ったり、プラスチックの容器を減らそうと思って、シャンプーも固形にしたりとか。

大石:「ひとりサステバ」だ!

小泉:そうです、インスタグラムでもあげてみたんですけど。そういうのも、「塵も積もれば…」っていうことなんでしょうけど、どうしたらいいでしょう。
町や警察の看板まで立っているのにやらないっていう。誰かがやらなきゃいけないから、そうだな、「徳を積む」って言葉があるじゃないですか。すごく腹が立つかもしれないけど、徳を積むために、気が付いた人がやる、っていう。そういう輪が広がって行ったときに「恥ずかしい」って思えるかもしれないですね。

大石:誰かがやったんだ、ってね。

小泉:そう。それがちゃんとわかるように、「不法投棄してあったので片付けました」っていう看板も作るとか、張り紙を作るとか。「あなたの代わりに私が片付けました」みたいな。

大石:いいアイデアだな。

小泉:そうすると、ちょっと心が傷んでくるかもしれないですね。「次からはご自分でお願いします」みたいなものを貼り続けるしかないかもしれないですよね。でも、そうやって誰かのために、みんなのために片付けた人には「いいことがありますように」って。どうでしょう?

この30年で衣類の供給が増加


子どものおさがり服専門店「めぐりふく」

お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。

上村:お二人に質問です!私たちが身にまとう服の値段、30年前と比べて上がっているでしょうか?下がっているでしょうか?

小泉:私は下がっていると思います。

大石:僕は上がってると思った!

上村:正解は…30年前の価格は一枚あたり6800円、現在の価格は2800円ということで、下がっています。
この30年間で衣類の供給量が一気に増えていて、日本の場合、不要になった服を手放す時に7割が捨てられているんです。

小泉:うーん。

上村:そんな中、東京・練馬区の子どものおさがり服専門店「めぐりふく」には寄付された服や靴、おもちゃ1000点以上が並んでいます。大きな特徴はお店に店員さんがいない、ということ。言ってみれば「お客さんの良心で成り立っている」というわけなんです。
「めぐりふく」の山口綾子さんにお話を伺いました。

育児しながらでも働ける環境作りが大事だと思ったので、どうしたらできるか考えた中で、無人店舗での「子ども服の販売」に行きつきました。
始めた時は無人店舗もなかったので、店舗を借りる時とかも「無人でやりたいんです」っていうと「いやいやいや」って断られることが多かったですね。でも、自分の子どもに「盗んでしまったものを着せる親」はあんまりいなかったりとか。防犯面とかは大丈夫じゃないかっていう軽い確証があって。いまのところ大きなトラブルもなく3年間続けられているという感じですね。

小泉:たしかに、「盗んでしまったものを着せる親」って少ないかもしれないから、防犯的にもそんなに危なくない、っていうのもわかる気がします。大人用の古着も無人店があるでしょ?

大石:最近増えてきてますよね。

小泉:あと、子どものお洋服って、そのシーズンしか着られないじゃないですか。体がどんどん大きくなっちゃうから、高いものを買っても虚しい気持ちになるような気がするんですよ。なので、昔から、私なんかは体が小さかったので、親戚中からおさがりが回ってきてラッキーだった。年下のいとこのおさがりも着ているくらい体が小さかったから。笑
そういうのって昔から続いていることだから。ただ、今は昔ほど、コミュニティとかを作りづらい状況で。そんな中こういうお店が中心になっていくっていうのは、とても素敵ですね。

上村:しかも、地域の広がりできているそうですけど、自分の子どもが来た服を近所の子どもが着ているのを見たらすごく嬉しいですよね。

小泉:思い入れはあるもんね。

上村:捨てるのは忍びないな、って思っている方もたくさんいると思うので。

大石:最近、商店街も空き家とかシャッターが降りているところもあるじゃないですか。そういうところを活用してね。

小泉:これが「めぐりふくグループ」みたいになっていって、いろいろなところでやったらいいですよね。

大石:できる。

小泉:ご自分が、お子さんを子育て中の、現役バリバリでこれができるバイタリティもすごいし、発想が逞しいですよね。「子どもを育てながらできることはないかな」って考えた時にこれを思いつくっていう。なかなかのアイデアまん。

上村:かっこいい。

(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)

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