ワンオペで子育てするのが辛い女性へ。僧侶が「我慢は間違い」と言う理由
多くの人の悩みと向き合ってきた真言宗の僧侶・山平 善清さん。日々の中で感じたのは、真面目な人や優しい人ほど一人で頑張りすぎてしまう、ということです。山平和尚によると、そこに落とし穴があると言います。山平和尚がすすめるのは「あの世」の神様のお力をお借りして人生をどんどん開運させること。そのための方法を1冊にまとめたのが書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』(KADOKAWA)です。今回はこの本の中から、具体的な悩み相談と回答内容を、説法の形で紹介します。
※本記事は山平 善清著の書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』から一部抜粋・編集しました。
「我慢」は「自分を偉いと思い、他人を軽んじる心」
現代は誰もが忙しくて心に余裕がない状態だといいました。
そんな中で周囲に遠慮して、「どうせ聞いてもらえない」と言いたいことも言えず、ひたすら我慢してストレスを溜め込んでしまう人も多いですよね。
●36歳・女性・ふみかさんのお悩み
「夫と3歳の子どもがいます。夫は仕事が忙しく、家事も育児も私に任せきり。休日も釣りに出掛けることが多く、子どもの面倒はほとんど私が見ていて辛いです。自分さえ我慢すればいいと思ってやってきましたが、ストレスではち切れそうです」
「我慢」という言葉は仏教用語で「自分を偉いと思い、他人を軽んじる心」を意味しているものです。
煩悩を7種に分け「七慢(しちまん)」と説いており、我慢はこの中の1つです。
我慢するからこそ見えてくるものもあるから、ときには我慢することも大切なんだけれど、我慢しすぎるのはよくないですよね。
いつも我慢する我慢グセがつくと、自分では気づかないところでも我慢してしまうようになり、知らないうちにストレスが溜まって、心や身体にも悪い影響が出てきてしまいます。
そうならないために、まずは我慢している自分を癒してあげましょう。
我慢する人は、自分が言いたいことや、やりたいことを抑えるために、頭を使っていると思います。
「家事が辛い」というのが言いたいことなのに、頭で考えて「自分が我慢すればいい」と思っているかもしれません。
でも頭は我慢するために使うのではなくて、言いたいことを言ったり、やりたいことをやったりするために使うといいんです。
家事の負担を減らしたいならそれを実現するために、頭を使いましょう。
夫に家事を手伝ってほしいと伝えたいなら、上手に伝えるために頭を使えばいいんです。
「最近ちょっと疲れちゃったから、今週の日曜日は子どもを公園に連れていってもらえないかな」と角を立てないように言ってみるなど、工夫できます。
ただ頭ごなしに「もう我慢できない! 家事やってよ!」「釣りなんて行かずに子どもの面倒見なさいよ!」なんて言ったって夫は反発するだろうから、
言い方に工夫する必要があるんですよね。
でも、頭を使って角を立てないように頼んでみても、最初のうちは反発されたり、失敗したりするかもしれません。
そうしたらまたやり方を変えてみるといいのです。「お義母さんに子どもたちを預かってくれるように頼んでみてくれないかな」と頼むなど、さらにアイデアを考えつくでしょう。
頭を使って試行錯誤を繰り返しているうちに、状況を変えることができるようになっていきますし、自分のコミュニケーションスキルも上がっていきます。すると夫以外の人との人間関係もスムーズにいくようになって、人生だいぶ楽になるでしょう。
そもそも「自分さえ我慢すればいい」「我慢する自分は優しい」と思っている人は多いけど、それは間違いなんです。
お母さんが我慢してストレスいっぱいになってしまったら、夫に当たり散らすことになってしまうでしょう。また、子どもにも笑顔で接することができなくなってしまって、かえって悪影響を与えることにもなりかねません。
周りに当たり散らすことができないと、自分が心や身体の病気になってしまう可能性だってあります。
結果的にそちらのほうが周囲に迷惑をかけることになってしまうんです。
人の顔色をうかがって、言いたいことも言わず我慢しすぎてしまう人は、一見優しいようでいて、その裏側には「相手から悪く思われたくない」「相手に言ってもしょうがない」という気持ちがあるはず。
つまりは相手を信用できないと思っているんだよね。
本当に優しい人は、我慢しすぎることはありません。相手を信用しているから、自分が言いたいことを伝えることができるんです。
ちなみに同じようなケースで、家族のためにと我慢しながら仕事をして、苦しんでいるお父さんもいますよね。
この場合も同じで、そのまま仕事を続ければ、ストレスで家族に当たり散らしてしまったり、病気になったりして、家族にかえって迷惑をかけてしまう恐れもあるわけですよね。
その仕事を続ければ今まで通りの給料はもらえるかもしれないけど、イライラして衝動買いや暴飲暴食をしてしまうなど、かえってお金も減ってしまったりすることにもなりかねない。
友達とも疎遠になってしまって、人生寂しいものになってしまうかもしれません。
「家族のために仕事は辞められない」という思い込みを外して、「もっと楽に働きたい」と願いながら過ごしてみると、家族や友達との会話や、テレビで知った情報、子育てする中で気づいたことなど......自分の本心に気づくためのヒントがあちこちに現れてきますよ。
そうして自分の意志が見えてきたら、それを実現するために、頭を使っていきましょうね。
1回ぽっきりの人生。
自分が活き活きできる毎日を送れるようにしていきましょう。そうやって自分の心が満たされてこそ、本当に家族のためになれると思います。