荒井由実、矢沢永吉、シュガー・ベイブ… ちょうど50年前の1975年に生まれた国宝級名曲!
歌謡ポップスチャンネル「Re:minder SONG FILE」vol.10〜 1975:50年前の国宝級名曲
WOWOWプラスが運営する『歌謡ポップスチャンネル』を視聴している方々には50代、60代、あるいは70代以上という方もいるだろう。俗に “10年ひと昔” などというが、半世紀以上を生きてきた人にとっては、20年、30年前でさえ、ついこの間のように感じているのではないだろうか。
そう、4月に放送される『Re:minder SONG FILE』のテーマはズバリ「1975:50年前の国宝級名曲」だ。ここで流れる曲は全て、今からちょうど50年前、1975年(昭和50年)に発売された曲で、どれも決して色褪せることのない名曲ぞろいだ。
ロックから童謡まで、百花繚乱のジャンルが花開き大ヒット
オープニングは、子門真人の「およげ!たいやきくん」。フジテレビ系の子供向けの番組『ひらけ!ポンキッキ』のオリジナル曲としてリリースされた。累計で450万枚以上を売り上げ、レコードの売上枚数が日本で最も多いシングル盤として有名だ。
また、シングルの印税は買い取り契約だったため歌唱印税は支払われず、ギャラはたったの5万円だった逸話も知られている。しかしながら、第5回『FNS歌謡祭』最優秀ヒット賞をはじめ、第9回『全日本有線放送大賞』特別賞、第7回『日本歌謡大賞』特別賞など数々の賞に輝いた不朽の童謡である。当時はたい焼き屋に行列ができ、たい焼き用の鉄板が売れるなどの現象も巻き起こった。
続いては、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」。ヨーコという名の女性を捜す主人公が、彼女を知る人物たちの証言を頼りに少しずつ近づいていく歌詞で、証言者のセリフの後に「♪港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」のサビが繰り返される。作曲はボーカルの宇崎竜童。作詞はすでに彼の妻であった阿木燿子によるもので、阿木の作詞家としてのデビュー曲でもある。後に、山口百恵に数々のヒット曲を提供することになる黄金コンビの原点となった歌といえよう。この年のオリコンでは年間5位となった。
ユーミンと矢沢永吉は、それぞれ1975年にどんな曲を歌った?
「ルージュの伝言」は、松任谷由実がまだ荒井由実であった頃の5枚目のシングル。ポップな曲調とは裏腹に、浮気な彼に強烈な仕返しを実行する女性を歌った曲だ。矢沢永吉の最初の妻との夫婦喧嘩をモデルに歌詞が書かれたとされ、コーラスには山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子ら豪華メンバーが参加している。チャート最高順位は週間45位、シングルレコードの売上は累計6.9万と当時は振るわなかったが、2024年までに川島なお美や柴咲コウら35組以上のアーティストがカバーするなど、半世紀にわたって愛され続けている。
この歌のモデルとされた矢沢永吉が同年に発売したのが「アイ・ラヴ・ユー, OK」だ。ロックバンド・キャロル解散後、矢沢のソロデビューシングルとして発売された。また同日、この曲を英語表記にしたファーストアルバム『I LOVE YOU, OK』も発売され、アルバムのラストに収録されていることからも矢沢の思い入れの強さが感じられる。当時矢沢は、《CAROLのようなサーカスみたいなバンドはもうたくさんだ。ひとりにもどって、俺はこれなんだって本気で訴えていくことにガムシャラよ》とコメントし、アルバム発売直後からツアーを敢行。ソロアーティストとしての地位を確立した。
ブラウン管の中で大活躍した、3人組アイドルグループと言えば
これらの歌い手に対し、テレビでの露出が当時もっとも多かったのはなんといってもキャンディーズであろう。「年下の男の子」「内気なあいつ」「その気にさせないで」は、全て1975年の発売だが、この年のトリを飾った8枚目のシングルが「ハートのエースが出てこない」である。デビュー当時に比べ歌唱力も大きく向上し、ソロ、ユニゾン、2声和音、3声和音と複雑な絡みを見せている。キャンディーズのラストシングル「微笑がえし」では「♪ハートのエースが出てきましたよ」と歌われ、また1978年4月4日、後楽園球場で行われたキャンディーズの解散ライブでは、52曲中の41曲目に歌われた。
フォークソング全盛の時代にリリースされた、珠玉の作品たち
チューリップ「サボテンの花」は、1993年のフジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下』の主題歌に使用されてリバイバルヒットとなったが、最初のリリースは1975年。チューリップ通算8枚目のシングルである。アルバム『無限軌道』からの先行シングルであり、作詞・作曲は財津和夫、編曲はチューリップが行った。当時の財津は “和製ポール・マッカートニー” と呼ばれていたことは、知る人ぞ知る豆知識。
同じく、フォークソングの世界からはイルカ「なごり雪」、中島みゆき「時代」、風「22才の別れ」などの名曲が並ぶ。小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるの4人がフォーライフ・レコードを設立したのも、1975年のことだ。稀代のヒットメーカーが続々と登場した1970年代はまさに、日本のフォークソング全盛の時代と言えよう。
このほかにも、中村雅俊「いつか街で会ったなら」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、シュガー・ベイブ「DOWN TOWN」など、 親しみ深い名曲が予定されている。改めて、これら全てが50年前の曲であることを意識しながら聴いてみると、新たな発見があるに違いない。
Information
Re:minder SONG FILE「1975:50年前の国宝級名曲」
ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け。
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:
2025年4月23日(水)深夜 0:00〜深夜 1:00
2025年5月01日(木)深夜 0:00〜深夜 1:00
▶︎ 今月のテーマ:1975:50年前の国宝級名曲
♪ およげ!たいやきくん / 子門真人
♪ 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
♪ ルージュの伝言 / 荒井由実
♪ アイ・ラヴ・ユー, OK / 矢沢永吉
♪ ハートのエースが出てこない / キャンディーズ
♪ サボテンの花 / チューリップ
♪ なごり雪 / イルカ
♪ 時代 / 中島みゆき
♪ 22才の別れ / 風
♪ いつか街で会ったなら / 中村雅俊
♪ 木綿のハンカチーフ / 太田裕美
♪ DOWN TOWN / シュガー・ベイブ
▶︎ 番組公式ページ:Re:minder SONG FILE「1975:50年前の国宝級名曲」