横山拓也「これまでのiakuと少し違うアプローチで新奇な作品をお届けしたい」~iaku『はぐらかしたり、もてなしたり』チラシビジュアルなど公開
2025年6月~8月、東京・大阪・三重・愛知にて上演される、iaku『はぐらかしたり、もてなしたり』のチラシビジュアルとiaku主宰の横山拓也より新たなコメントが公開された。
劇作家・横山拓也による大阪発の演劇ユニット、iaku。新作公演の『はぐらかしたり、もてなしたり』は、「愛情」の本質に迫った物語。今回、瓜生和成(小松台東)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、異儀田夏葉、竹田モモコ(ばぶれるりぐる)、富川一人(劇団はえぎわ)、井上拓哉、高橋紗良、小林さやか(トローチ)が出演する。
【あらすじ(イントロダクション)】
妻が2年ぶりに帰ってきた。ほとんど何も言わずに出ていった彼女。若い頃に良くしてくれた上司が大病を患ったと知り、その最期をお世話して、見届けてきたという。もうこの家には帰ってこないと思っていた。こちらも2年の間に色々とあって、その色々について話さなくてはならない。たとえば、猫のことや、家のこと。そして、愛のことも。
昨年から今年にかけて、第27回鶴屋南北戯曲賞、第59回紀伊國屋演劇賞(個人賞)を受賞した横山拓也が、これまでのiakuとは一風変わった趣向で作劇し、「愛情」の本質に迫る。
横山拓也 【ごあいさつ】
前回2023年秋のiaku『モモンバのくくり罠』以降、起筆順で、世田谷パブリックシアター『う蝕』、シス・カンパニー『やなぎにツバメは』、パルコプロデュース『ワタシタチはモノガタリ』、可児市のala collectionシリーズ『ハハキのアミュレット』(今秋上演)と執筆を続けきて、ようやくiaku『はぐらかしたり、もてなしたり』に突入しました。あらためて、書くという作業はなかなか難儀でして、作品ごとにお題をもらったり、条件があったり、自分自身でチャレンジを設定したり、あと、年に1回は短編小説を発表する機会をつくってもらったり、飽きないような工夫をしています。『はぐらかしたり、もてなしたり』は、ここまで休まず書き続け、すっからかんになった僕が「楽しむこと」をガソリンにして書いていますので、とても勢いがあります。笑いながら全力疾走している人を想像してみてください。そんな危険な感じです。ですが、僕は性分が「ちゃんとしている」人ですし(自分で言う)、「本活動の企画意図および目標」はしっかりとありますので、勢い任せの意味不明なものにはなりません。ちゃんとしたものを書いています。
20〜40代の未婚者の7割に恋人がいない時代だそうです。「それでもドラマに恋愛は必要なのか?」と思ってしまいますが、むしろ、恋愛はフィクションとして楽しむモノという人が多いのかもしれません。「推し活」なんかもたぶんそういうことなのでしょうね。拙作でも、滑稽な色恋沙汰や、身につまされるような片想い、哀れな大人の失恋など、様々な「恋愛あるある」を描いてきたような気がしますが、今回、さらに掘り下げて、もっとザラザラした手触り、ギラギラした想いにフィーチャーしてみます。大胆にも「ラブコメディ」と銘打ち、これまでのiakuと少し違うアプローチで新奇な作品をお届けしたいと思います。どうぞご期待ください。
横山拓也