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自作した擬似餌で魚をねらう!? フライフィッシングとはどんな釣りなのか?

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自作した擬似餌で魚をねらう!? フライフィッシングとはどんな釣りなのか?

どうも、HAZEKINGです。
突然ですがみなさん、ルアーや仕掛を自分で作ってみたいと思ったことはありませんか? 今回紹介する「フライフィッシング」ならば、鳥の羽などを使って昆虫や小魚を模したフライ(擬似餌)を作り、魚を釣ることができます。
おもに渓流や管理釣り場がメインフィールドとなりますが、河口、海など、どこでも釣果は期待できます。さらに、フライフィッシング特有の水面に浮かぶドライフライを使えば、魚が捕食する瞬間を見ることができ興奮すること間違いナシ。そんなフライフィッシングとは一体どんな釣りなのか? お伝えしたいと思います。

フライフィッシングとは?

欧米発祥の歴史ある釣りで、日本には1902年に英国商人によって伝わったとされる「フライフィッシング」。最大の特徴は2つあります!
1つ目に鳥の羽などを素材として水生昆虫を模したフライ(擬似餌)です。自然を観察して魚が食べているエサに似せたものをオリジナルで作り上げます。2つ目はキャストです。通常の釣りではオモリを使うことが多いのである程度遠くまで飛ばすことができますが、フライフィッシングにオモリはありません! ラインの重さでフライを飛ばします。キャストはかなり難易度が高いので、頑張って身に付けなければならないテクニックの一つです。

フライフィッシングのルアー「フライ」の種類

フライフィッシングはフライという擬似餌(ルアー)を使用します。その擬似餌には幾つか種類があるので、順にご紹介しましょう。

ドライフライ

パラシュート

まず一つ目は「ドライフライ」と呼ばれる水面に浮かべるフライです。カゲロウなどの飛翔昆虫、アリなどの陸生昆虫を模して作製します。フライが軽量なのでラインの重さでキャストする必要があり、扱いの難易度が高いのが特徴です。

ウェットフライ

ロイヤルコーチマン

「ウェットフライ」は水中に沈めるフライになります。カワナなどの水中にいる水生昆虫を模したものです。インジケーター(ウキ)をつけないサイトフィッシングで使用します。フォールで反応させる釣りなのですが、フライのサイズでフォールスピードが変わるため、釣り場の水の流れに合わせてフライを使い分けます。

ニンフフライ

ストーンフライ

「ニンフフライ」は水中に沈めてから釣るフライです。フックにビーズなどを装着して沈みやすくしており、フォールスピードもウェットフライと比較して速いのが特徴です。管理釣り場ではインジケーターを使用するのでアタリが分かりやすく、初心者におすすめです。

フライのマテリアル

フライの素材は、前述したように鳥の羽などを使って作ります。実際にどんな素材が使われているか見ていきましょう。

ハックル(鳥の羽)

「ハックル(鳥の羽)」はフライの基本となる素材です。キジやクジャク、ニワトリなどさまざまな鳥の羽が売られています。基本的にはケープという鳥皮に羽が付いた状態で販売されています。タイイング(フライ作製)に必要な分量を取り出して使用します。

動物の毛

フライには動物の毛も使用され、おもに硬い毛と柔らかい毛2種類に分類することができます。硬い毛はシカやウサギの毛などで、タイイングではカディスの浮力やテールに使用されます。柔らかい毛はスレッド(糸)に巻き付けてボディの作製に利用されます。

化学繊維

化繊はアカムシのボディや昆虫の足を表現するときに使用されます。最近ではワカサギなど小魚を模したチューブなども開発されており、今後、さらに種類は増えるでしょう。

フライフィッシングには専用の釣り道具が必要

ロッド

フライフィッシングには専用のロッド(竿)が必要です。フライラインをキャストするために特化したガイドの形状をしており、ほかの釣りで代用することはできません。使用するラインの太さに合わせてロッドを選ぶ必要があります。ラインが太くなるほどロッドも大きくなります。管理釣り場では#5が基本的なサイズです。

#5(5番手)のロッド、WET5で表記されています

フライライン専用のガイドリール

リールもフライフィッシング専用のものです。ラインの太さに合わせた収容量になっているので、適したサイズのものを用意しましょう。しかし、小型から中型サイズの魚を釣る場合には、普段の釣りとは異なり、リールを巻き取りながらの魚とのやり取りはあまりないのもフライフィッシングの特徴です。手でラインを引き、足元にラインを落としながら魚を寄せてきます。

ディスクドラグ

クリック&ポウル

ただし、大物を釣り上げる場合はリールファイトする必要があり、ドラグ性能が重要です。シンプルな構造の「クリック&ポウル」と複雑な構造の「ディスクドラグ」が主なリールドラグの仕様となります。
最新のリールでは「ディスクドラグ」が主流となっており、ドラグ性能も無段階制御できるので初心者の方におすすめです。一方、様式美でドラグ音が特徴的な「クリック&ポウル」はやや扱いが難しいので、ある程度操作を覚えてから使用することをおすすめします。

ライン

ラインはいわゆる道糸側から、「バッキングライン > フライライン > リーダー > ティペット」の順に組んで準備します。

「バッキングライン」とは下巻きのラインです。魚とのファイトでリールからラインが出される場合がありますが、フライラインは15~30m程しかないので、それ以上ラインを出されたときに必要になります。性能はとくに気にする必要はないので、リールに収納したときの見た目で選んで構いません。

「フライライン」はフライフィッシング最大の特徴とも言えるでしょう。ライン構造は芯であるコアを樹脂でコーティングすることで浮力と耐久性を上げており、さらに、表面加工をすることで摩擦抵抗を調整しています。ラインの太さはライン番手(#)で表され、この数字が大きいほどラインが太く飛距離も伸びるのです。カラーはラインの動きを見ながらキャストするので、蛍光色などの視認性に優れたものを使用します。
ラインの種類には、水面に浮く「フローティングライン」と沈む「シンキングライン」の2種類がありますが、基本的に管理釣り場ではフローティングラインを使用します。

「リーダー」は太いフライラインを細くするために付けるラインです。太さは「X」で表記されます。フライラインの番手(#)と同じ太さを選択し、たとえば、フライラインが#5の場合、リーダーは5Xを選ぶといった具合です。長さは9ftが一般的ですが、初めて挑戦する場合には扱いやすい7.5ft程度がおすすめです。

「ティペット」はフライを結ぶ先端のラインになります。リーダーの太さ(X)と同じ太さ(X)を使用します。素材はナイロンとフロロがあり、ナイロンは軽い素材なのでドライフライ、フロロは重い素材なのでウェットフライ、ニンフフライに向いています。

それぞれの釣り方の流れ

フライフィッシングの大まかな流れを説明していきましょう。キャスティング方法やメンディングなどのテクニックは割愛させていただきます。

ドライフライで釣る場合

①ティペットにフライを結び付けます

②フライのハックルに撥水スプレーをします
※フックにスプレーを掛けないように指で挟みます

③キャストします

④魚がバイト(ライズ)したらアワセます

キャスト後、水面のフライを魚がバイトしたらアワセます

使用したフライは乾燥させて再利用します。フライを「ドライシェイク」に入れて振るとかんたんに水分を飛ばせますよ。

ウェットフライで釣る場合

①ティペットにフライを結び付けます

②キャストします

③沈むフライを目で追います

④魚がバイトした瞬間にアワセます

ウェットフライは沈んで行くので、フライを目で追い、バイトした瞬間にアワセますニンフフライで釣る場合

①リーダーもしくはティペットにインジケーターを装着します

②ティペットにフライを結び付けます

③キャストします

④インジケーターが沈んだらアワセます

キャスト後、インジゲーターの動きに注視し、沈んだらアワセます

釣り場による違い

フライフィッシングを楽しめる場所には、渓流や河川、海などの自然のエリアと、決められた区画で魚が管理され、手軽に釣ることができる管理釣り場とがあります。

自然のエリア(渓流・河川・海)

渓流や河口、海など幅広いフィールドでフライフィッシングを楽しむ場合、それぞれに適した番手があります。釣り場環境やねらう魚といった用途に合わせて、ロッドやラインを使用してください。

管理釣り場

管理釣り場の場合、施設のルールに従う必要があります。基本的に使用するロッドの番手に制限はありませんが、使用するフライに制限があります。また、ルアー釣り専門の釣り場などもあるので事前に確認しておくと安心です。
フライフィッシングは比較的大きくロッドを振りますので、キャストする際には周囲に人がいないことを確認してから行う必要があります。バックキャストが通行人にあたるとひじょうに危険なので、周囲に対する配慮が常に必要です。

管理釣り場でフライフィッシングに挑戦!


ニンフフライで多魚種をねらった

ロケーション抜群の「鹿島槍ガーデン」

今回私が訪れた「鹿島槍ガーデン」さんは、北アルプスの雄大な山々のふもとにあり、大自然の中、ロケーション抜群のルアー&フライの管理釣り場です。敷地約1万3000坪に、大規模ポンド3つ(1号池/2号池/3号池)と3段プール、渓流があり、釣り池にはメーター級のイトウや50cm~90cm級のレインボートラウト、アルビノトラウト、ブラウントラウト、イワナ、アメマス、ドリーバーデンなど、種類豊富な魚がいます。
放流される魚が自社生産されたものであり、大きさと引きの強さは全国屈指のレベル!! 管理釣り場の聖地として呼び声が高いのも特徴です。

フィッシングランド 鹿島槍ガーデン

住所:〒398-0001 長野県大町市平鹿島8589
TEL:0261-22-8854
HP:http://kashimayari-garden.com/

フライのカラーをローテーションしながら釣る

今回はニンフフライである「エッグフライ」を使って魚をねらいました。
エッグフライは比較的かんたんに作れるフライ。マスがほかの個体の卵を排除しようとする本能を利用したフライです。どの色がマッチするか分からないので、カラーバリエーションは最低でも3種類用意したいところ。しかも、その日釣れるカラーは限られているので、1色につき10個用意しておきました。この3色をローテーションさせながら魚の様子を見ました。

鹿島槍ガーデンの水質は基本的にクリアウォーターです。サイトフィッシングが有効なので、偏光グラスを装着していると水中の魚の動きがよく分かります。インジケーターをつけて湖底ギリギリのレンジをねらい調整しました。

ビッグサイズに満足!

50cmクラスのレインボートラウト

結果、今回の釣行ではレインボートラウト、ブラウントラウト、イワナの3種を釣り上げることができました。エッグフライでさまざまな魚種に対応できたのが釣果につながりました。
また、2号池では魚の持ち帰りができるので、釣れた魚を吟味することもできます。持ち帰らない魚を丁寧に扱ってリリースしました。

67cm特大ブラウントラウト

40cmクラスのイワナ

ちなみに写真撮影で魚を触る場合、必ず手を水で冷やしてから触るのがマナー。できればラバーネット越しに触ると魚へのダメージが少なく傷みません。

管理釣り場では魚をキズ付けないためラバーネットを使用しましょう

そして最後に、持って帰る魚を計量してもらいました。規定重量2.5kgを超えた重量分は買取りとなるのですが、今回は65cm・3.7kgのブラウントラウトを持ち帰ることにしました。予想外の出費となってしまいましたが(汗)、刺身や腹出しなどのサービスを活用し、美味しく持ち帰ることに。新鮮で美味しくいただくためには、腹出しのサービスは絶対にしてもらった方がいいですよ!

トラウトの親子丼(?)に舌鼓

トラウトは10月後半からイクラを持ち始めます。今回釣れたブラウントラウトはメスだったので山盛りのイクラが手に入りました。こんな贅沢ができるのは釣り人の特権じゃないでしょうか? ご飯の上にブラウントラウトの刺身とイクラを乗せ、ブラウントラウトの親子丼で美味しくいただきましたよ!

「フライフィッシングとはどんな釣りなのか?」についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。擬似餌を自分で作り上げたいという創作意欲の高い方には、ぜひとも挑戦してほしい釣りです。一般的にはトラウトをねらうイメージの強いフライフィッシングですが、実はフィールドも幅広く、渓流から海までさまざまな魚種をねらえます。自分オリジナルの擬似餌で釣る喜びは筆舌に尽くしがたいと思いますよ。

そのなかでも、初心者さん・未経験者さんにおすすめしたいのが管理釣り場です。一般的な釣り堀のなかでは比較的リーズナブルに楽しむことができ、魚もかなりの数が釣れます。気温が10℃以下になると管理釣り場はベストシーズンを迎えるので、これを機にフライフィッシングを初めてみてはいかがでしょうか?

今回の実釣の模様はYoutubeにもアップしているので、ぜひチェックしてみてください。また、タイイング方法もまとめてアップしてあるので、お好みのフライを作る際のご参考に。

鹿島槍ガーデンで超巨大魚と真剣バトル!食欲ではなく本能を刺激して釣り上げます!

Youtube「釣り師 HAZE KING」

参考:フライタイイング(再生リスト)

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レポーター

プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
X(ツイッター):@HAZEKING18
インスタグラム:
@haze_king_ (URL: https://www.instagram.com/haze_king_/)
YouTube:釣り師 HAZE KING

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