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​【「ラウドヒル計画」エイトビート新作公演「LOVE&PEACE」の舞台リハーサル】 「青臭いって言われてもいい。誰も『LOVE&PEACE』を言わなくなったら本当に終わりですから」

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアートやカルチャーに関するコラム。今回は静岡市葵区の静岡市民文化会館で3月21日夜に行われた舞台芸術プロジェクト「ラウドヒル計画」内ユニット「エイトビート」の新作公演「LOVE&PEACE」の舞台リハーサルを題材に。公演は3月22、23両日に同館で行われる。(リポート、インタビュー、写真=論説委員・橋爪充)

静岡の「地元民」が出演、制作を担う「ラウドヒル計画」に参加する男性8人が結成した「エイトビート」。2017年に活動を開始し、静岡を舞台にした、社会ネタを交えた作品を上演してきた。

今回は彼らにとって6作目の演目。同プロジェクト総監督の勝山康晴さん(藤枝市出身)が脚本、、河田園子さん(伊東市出身)が演出を担当。昨年11月に同じ会場で上演したラウドヒル計画の 大型新作公演「TRUST!!」と同じ座組みである。

21日は舞台にセットを組んで演技と共に照明や映像、音響のチェックも行った。大規模修繕のため2025年4月から休館する静岡市民文化会館、その場所が作品の舞台となるというメタ的視点の演目である。主演の大石樹さんは「小学生時代から28歳の今まで、この市民文化会館の舞台に立ち続けてきた。僕の演劇人生はこの場所とともにあった。休館前の最後の作品なので、特別な思いを込める」と語った。

公演初日を翌日に控えた総監督の勝山さんに、短いインタビューを試みた。

-静岡市民文化会館で静岡市民文化会館を舞台にした演劇を上演するということですね。

勝山:しかもそこで活動してきた人の演劇である、というね。

-そういう設定にしたのはなぜでしょう。

勝山:閉まっちゃうと聞いたのでドキュメンタリータッチの切り口で入れないかなと思ったんです。

-エイトビートは6作目ですね。

勝山:今回の作品はラウドヒル計画プロジェクト全体の中で最高傑作です。まあ、毎回最新作が最高を更新しているんですが。

-総監督としてご覧になってきて、エイトビートはどう変化しましたか。
勝山:「(ラウドヒル計画の中で)チーム作ってやりたいんだけどさ」みたいなところから始まって、最初はこっちが作ったものを「はい、これやってみようか」という感じだった。まあ、こっちがあくまでプロなんで。でもやっていくうちに彼ら8人が「仲間」になって。こっちとしても一緒にクリエーションする仲間のような存在になった。今はアイデアもいっぱいもらっているし。

-本公演の舞台と違って、出演者が比較的少数ですね。勝山さんがお好きなロックバンド的な結束やグルーヴがあるのではと想像しますが、そのあたり意識されていますか。

勝山:大人数は大人数の良さがあるんですが、少人数の方が群像劇をつくりやすいですよね。意思疎通が早い。よく知っている8人だから、外からオーダーしていいこと、しない方がいいことがほぼ分かっている。スタッフもこの8人に対してアクセル、ブレーキを踏むポイントが分かっています。機動力があるというか。

-「LOVE&PEACE」というタイトルにはどんな思いを込めましたか。
勝山:今、いろんなことが世界で起こっているじゃないですか。世界中の人が、しばらくろくでもないことが続くんじゃないかと思っていたりしませんか。でも、だからこそここでドカーンと「LOVE&PEACE」を言ってやるかと。ある意味、開き直りです。でも、せめて言うガッツのある俺は、そしてラウドヒル計画はそれを言ってやるかと。「そんなの青臭い」って言われてもいいんです。誰も「LOVE&PEACE」を言わなくなったら、それこそ本当に終わりですから。

<DATA>
■「ラウドヒル計画」エイトビート新作公演「LOVE & PEACE」
※オープニングアクトに障害者と健常者のチーム「ファンキーノーボーダーズ」、10代から30代の挑戦者チーム「フリーダムティーン×フレッシュビギナーズ」、40代以上の「フォーエバードリーマーズ」が出演
会場:静岡市民文化会館 中ホール( 静岡市葵区駿府町2-90)
日時:3月22日(土)午後3時開演、23日(日)午後1時、午後5時開演
入場料金: 一般2000円、U-25(25歳以下)1500円、3歳以下膝上鑑賞無料
問い合わせ:静岡市民文化会館(054-251-3751)

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